習慣化のコツは3つだけ!~失敗の3大悪癖を絶ち、運動・学習・早起きを習慣化する方法~

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「運動を習慣にして、健康的にダイエットをしよう!」
「英語学習を習慣にして、話せるようになりたい!」
「早起きを習慣にして、自分の時間を作りたい!」

そんな思いで始めた行動がいつしか止まり、以前と変わらない生活へ逆戻り。そんなあなたが習慣化に失敗する原因はこの3つの悪癖のいずれかです。
 悪癖①一度に大きく変えすぎる
 悪癖②何でも自力でやろうとしすぎる
 悪癖③短期的な成果を求めすぎる

この記事ではまず、あなたの習慣化を失敗させている悪癖と、習慣化のメカニズムをご紹介します。そのうえで、あなたの習慣化を成功に導く3つのコツをすべてお伝えします。

また、それぞれの習慣化のコツの中から、すぐに実践できる具体的な行動を挙げ、習慣化のもたらす最高の恩恵をイチロー選手の例でお伝えします。また、多くの方が考えている、運動の習慣化読書・学習の習慣化早起きの習慣化という3つの行動ごとに分けた、習慣化する方法と、特に注意すべき点を記載しています。

記事を最後までお読みいただくことで、あなた自身が陥っていた悪癖に気づき、習慣化のコツを取り入れて改善することで、今日から実践、明日から継続できるようになります。

目次

1.習慣化に失敗する3つの悪癖とは??

あなたが習慣化に失敗してしまうのには原因があります。それは、知らず知らずのうちに以下の悪癖のいずれかを持ってしまっていることです。

 悪癖①一度に大きく変えすぎる
 悪癖②何でも自力でやろうとしすぎる
 悪癖③短期的な成果を求めすぎる

これらの悪癖を解消しないまま、「もう一度始めよう!」「新しい習慣を作ろう!」と強く思っても、また失敗してしまい、いつもの自分に戻ってしまいます。習慣化するにはまず、これらの悪癖が何故いけないのか、自分はどのパターンにハマってしまっていたのかを理解していきましょう。

1-1.悪癖①一度に大きく変えすぎる

ダイエットや資格試験の勉強など、明確な目標があるときにやってしまいがちなのが、一度に大きく変えすぎるという悪癖です。「毎日30分ウォーキングをする!」「毎日2時間、資格試験の勉強をするぞ!」という高い行動目標を立ててしまうのが、このパターンです。

目標を持つことは大切なことです。しかし、それ以上に大切なのが、その目標に向けて行動することです。行動が伴わなければ、何も生み出すことはできません。

何故なら、脳は急激な変化を嫌う、安定化志向という性質があります。「一度に大きく変わろう」とすると、脳が拒否反応を示します。自己防衛本能があるので、「変化=危険」と捉えてしまうからです。つまり、一気に変えようとすると、本能的に拒否されてしまうのです。

脳は、安定化志向がある一方で、ちょっとだけは変われるという可塑性(かそせい)という性質も備えています。習慣化するには、一気に変えるのではなく、少しずつ変えていくことがポイントなのです。

目標を立てたときには、モチベーションが高い状態です。そういうときには、モチベーションの力によって1日、2日、3日ぐらいは継続することができるかもしれません。しかし、急激な変化なので、本能的には元に戻そうと必死になっている、そんな状態です。

モチベーションは、体調やスケジュール等の要因によって、上がり下がりの振れ幅があります。習慣化をモチベーションの力に頼ると、「調子のいいときはできるけど、調子が悪くなると行動が止まる」という状態に陥ってしまうのです。

1-2.悪癖②何でも自力でやろうとしすぎる

他人に頼ったりするのが苦手な人、根性論な人は、何でも自力でやろうとしすぎるという悪癖に要注意です。責任感が強い人や、エリートな人、体育会系のあなたは大丈夫でしょうか。

習慣化するにはもちろん、自分自身で行動するしかありません。しかし、行動しやすくするためには、他者の協力を仰いだり、一緒にやったり、仕組み化していくことがモチベーションからの脱却に有効です。行動できるのであれば、「自力で」という部分にこだわる必要はありませんよね。

具体的に言えば、「TOEIC800点を目指す!」という目標に、一人で黙々と向かうのか、誰かと一緒に目標に向かうのかということです。仲間や応援者がいれば励みにもなり、自然と行動につながります。ですから、習慣化するために、目標を周囲に宣言するなど、自力だけに頼らない仕組みを作ってみましょう。

「周りに伝えるのは、できるようになってから・・・」という人がいます。そういう人は、できるようになるまでは自分の中で留めておこうとします。でも、誰にも言わなければ、自分だけで得られる情報で、自分だけで頑張っていくことになります。一方誰かに伝えれば、応援者やライバルができて、その人を通じて有益な情報も入ってくることになるのです。

ライバルや応援者がいた方が、より早く、より大きな目標に到達することができると思いませんか?また、宣言してしまった手前、自分に対しての責任感も生じますから、行動せざるを得なくなります。習慣化するには、どんどん周りを巻き込んで、使えるものは使っていきましょう。

1-3.悪癖③短期的な成果を求めすぎる

明確な目標を立て、それに向かって行動していても、なかなか成果が上がらない。成果が上がらないから、モチベーションがどんどん下がって、結局は行動をやめてしまう・・・そういう人は、短期的な成果を求めすぎるという悪癖があります。ダイエット・英語学習など、長期的なものとは認識しつつも、成果に焦ってしまうとこのパターンに陥りやすいです。

短期的な成果よりも、大切なことがあります。それは、行動の習慣化の先にある、目標を達成したあなたが手にする状態です。ここが不明確であったり、忘れてしまったりすると、短期的な成果がどうしても欲しくなってしまうのです。

ダイエットで-8kgの目標を掲げているのであれば、その状態を思い描いてください。できるだけ、具体的に、明確に描いてみましょう。
スタイルが格段に良くなり、今より魅力的なあの服を着ることができて、自分にも自信が持てて周囲の人々も羨望のまなざしで見つめている。プレゼンスが高まるので仕事も上手くいって、恋愛も・・・と、ダイエット-8kgの目標が達成されれば、こんなにも多くのメリットを得ることができます。

そんな目標に向かっての行動を取り始めたばかりなのに、2kg減らないからといって、「やっぱり私には無理だったんだ・・・」と思って、モチベーションが下がり、やめてしまう人がいます。

成果が出ないのは、行動が足りていないのではありません。目標の妥当性が分かっていなかっただけです。行動さえ継続していれば、目標には近づいて行っているハズです。その事実を認識して、行動をやめるのではなく、目標を見直す方向に動きましょう。

一度習慣にすれば、将来にわたって長く行動し続けることができるようになります。1ヶ月や2ヶ月ぐらいの行動で成果が出ないからと言ってやめてしまうのは、もったいないことです。

あなたの悪癖は3つのうちのどれでしたでしょうか?悪癖を知れば、その対抗策を立て、習慣化に向かうことができます。具体的な対抗策の前に、一般的な習慣化のメカニズムについてお伝えしましょう。

2.習慣化のメカニズムを知れば、習慣化する方法が分かる

効率的に、確実に習慣化するには、行動が習慣になるためのメカニズムを理解するところから始めましょう。そもそも習慣とはどういうものなのか、習慣が作られるのかというところからお伝えしていきます。

2-1.身体にとっての「習慣の意味」とは?

習慣とは、単純に言ってしまえば、「記憶」の集積です。集積されることで必然のものとして作られた行動のパターンとも言えます。

例えば、歯磨きは子供のころから習慣になっているでしょう。生まれ持ったものではありません。食後、あるいは寝る前に歯を磨くように親に言われたり、磨かないことで親に怒られたり、虫歯になったりを経験しながら、「歯を磨く」という行動が当たり前になり、それが習慣となっているのです。

習慣化された行動には、思考は働きません。 「歯を磨かないと、あとあと虫歯になって、痛い治療を受けなければならない。だから歯を磨こう!」なんて毎回の歯磨きの度に考えている人はいないのです。歯を磨くタイミングが来たら、当たり前にやるだけです。

寝る前か、風呂上りか、ご飯の後か、人によってタイミングは異なりますが、「自分のタイミング」というトリガーが来れば、歯磨きを自然と行うわけです。つまり、何かしらのインプットに対して、自然とアウトプットするもの、それが習慣なのです。ここに、習慣化する方法のヒントがあります。

脳としては、同じインプットに対して毎回考えて答えを出すよりも、考えずに済むようにパターン化してしまった方が省力化できるので効率が良いのです。同じインプットには脳の神経回路(シナプス)が強化され、同じアウトプットとなるようにプログラミングされたもの。それが習慣の正体です。

他の例も見てみましょう。例えば、上司から大変そうな仕事を任された、というインプットがあったとき。あなたが「どう考えるか」という、思考のパターンも習慣です。

「面倒くさそう、やりたくない」というマイナスの感情がアウトプットされるのか、
「これはチャンスだ!成長の機会だ!」という期待感がアウトプットされるのか、
「いいですよ!」と言葉が先にアウトプットされるのか。

これらは、どんな思考習慣を持っているかによって、決まるものなのです。

2-2.強い記憶を残すための2つの要素

ここまでお伝えしてきたように、「あるインプットがあったときに、どういうアウトプットを返すのか」が習慣の正体です。パターンに沿った答えをアウトプットした方が、頭にとっても身体にとっても効率が良く、習慣は無駄を減らしてくれているのです。では、どうやって脳にその「パターン」ができるのかをお伝えしていきます。

脳にパターンができるのには、2つの要素があります。「感情」か「反復」です。つまり、習慣を作るのには、「感情」か「反復」を用いて、脳に記憶させることが必要なのです。強い感情を引き起こすか、繰り返しインプットするか のいずれかによって、脳の記憶は強化されるのです。

2-3.習慣化のメカニズムは、小さく・多く・楽しく!

可塑性があり、安定化志向のある脳の記憶によって習慣が作られます。ですから、習慣化のメカニズムを解き明かせば、小さな変化を与えること、たくさんインプットすることにより、記憶させることです。記憶に役に立つ強い感情は、習慣化の先にあるベネフィットをイメージし、「快」の感情と結びつけるとよいでしょう。

一方で、悪い習慣を変えようと思っても、脳の記憶は消せないのもメカニズムです。悪い習慣を変えるためには、「習慣をやめよう」と思うのではなく、あるインプットがあったときに望むアウトプットが出るように、より強く記憶を作ることが必要です。

具体的に言えば、「空いた時間についテレビを見てしまう習慣をやめる」と言い聞かせるのではなく、「時間が空いたときには本を読む」と決めておき、すぐに本を読めるように、手元に置いておくのです。

最初は、まだまだ昔の習慣の方が出てしまうかもしれませんが、インプット回数が飽和点を超えたときに、自然と望ましい習慣がアウトプットされるようになります。

さて、ここまでで、習慣化のメカニズムをお伝えしました。続いては、確実に実行可能な習慣化のコツをお伝えしていきます。

3.習慣化のコツ 成功に導く3つのコツ

これまでお伝えした習慣化のメカニズムと併せて考えると、習慣化に必要なことはたったの3つに集約されます。この3つのコツを確実に実行することで、容易く習慣化することができるのです。

3-1.コツ①小さな変化から始めて大きく変える

最も重要なことは、脳の仕組みに合うように習慣を作ることです。大きく変えようとするのではなく、小さな変化を確実に続けていくこと。これが、習慣化の最大のポイントです。時間をかけて少しずつ変えることが、「リバウンド」を防いで確実に習慣を作っていきます。

3-2.コツ②モチベーションを捨てる

モチベーションに頼ると、「やるときには一気にやるけど、やらないときはまったくやらない」状態になりがちです。習慣化のためには、少しずつ確実に反復してインプットしていくことが大切なのですから、起伏の大きいモチベーションに頼るのは危険です。モチベーションは捨てて、「モチベーションが無くても自然と行動する」ような状態に持っていきましょう。

3-3.コツ③頼れる仕組みを作って利用し続ける

人は忘れる生き物ですし、怠惰な生き物でもあります。できるだけ、ラクをしたいという衝動に流されていきます。特に、習慣が定着するまでは、「仕組み」を作って反復させることに注力しましょう。

では、この習慣化のコツをひとつずつ詳しく見ていきましょう。

4.習慣化のコツ①小さな変化から始めて大きく変える

4-1. 習慣化するには、小さな変化から始める

習慣を新しく作ろうと思ったら、最初は小さなステップから始めましょう。本当にごくごく小さなステップが良いです。英語学習であれば、30分とかからスタートするのではなく、2分とか、本を手にとって1ページだけ読む、というレベルです。そして、その小さなステップが終わったら、行動をやめてください。必ずストップしてください。それを最低3日はその状態で終えるのです。

習慣化の初期の段階では、頑張って続けるよりも、「もっとやりたい!」という気持ちを起こすことが大切です。無理やりにでもストップすることによって、習慣化する行動が「やりたいこと!」に変わってきます。その意識の変化が、習慣にするためのコツです。

4-2. 習慣化する行動を簡単にする

「行動」が具体的であり、かつ簡単なものであればあるほど習慣化しやすいです。行動を起こそうと思ったときに、「何をしようか」「どうやってやろうか」と考えるプロセスが入ってしまうと、途端に難しいものになってしまいます。やることをできる限り細かい単位でとらえて、時間が来たら「ただ、やるだけ」の状態を作ると習慣にするのがラクになります。

例えば運動の習慣として、ランニングを行うのであれば、以下を具体的にしておきます。
 ・どの靴を履いて、どのウェアを着るのか
 ・どういう準備体操・ストレッチをするのか
 ・どのルートでおよそ何分間走るのか

具体的に具体的にすればするほど、やることが簡単になり、行動が簡単になります。

4-3. 阻害要因は取り除いておく

習慣の行動を重ねていくのですが、習慣行動には前提となる準備行動があることが多いです。例えば、日記をつける習慣ならば、日記帳とペンは必須です。それがない状態だと、「どこに書いてもいい」「何を使って書いてもいい」となり、また迷う要因になってしまいます。

ランニングであれば、専用のウェアがない、靴がない、ランニング記録のアプリが決まっていない、走るルートが決まっていない・・・といった些細なことが、阻害要因になってしまい、行動を鈍らせる原因となります。

迷いを生じさせるもの、行動する際に躊躇する原因になるものはすべて阻害要因です。習慣化するには、それらの阻害要因をあらかじめ消しておきましょう。その些細な準備をしておくことが、習慣化のコツなのです。

4-4. 欲張らずにひとつずつ習慣を作る

習慣化をしようと思ったときに、早起きしてランニングして英語を勉強して・・・と、一気にライフスタイルをまるごと変えようとすると、やはり「大きな変化」となってしまい上手くいきません。新しいことをたくさんやるのは、時間配分も読みづらいですから、「物理的に無理!」という状態にもなってしまいます。欲張らずに、ひとつずつ確実に習慣を作っていきます。

「ひとつずつなんて面倒くさい」と思っても、1カ月に1個ずつ作っていけば、12個もの習慣が手に入ります。
あなたに12個の習慣が身に付けば、今の人生は一変すると思いませんか?

4-5. 習慣化する行動の時間を決める

英語学習であれば、「朝5時から6時までに英語の学習をする」といったように、一日のうちの具体的にいつ、どのぐらいの時間、習慣行動を行うのかをあらかじめ決めておきましょう。時間を決めて、手帳に書いて時間をブロックしておきます。

時間が決まっていて、手帳に書き込んであれば、「ただ実行するだけ」の状態に持っていくことが容易にできます。可能であれば時間は「朝」に取ってください。理由は次項です。

4-6. 予備の時間も決める

時間を決めてやろうとしても、できない日も当然あります。やろうと思ったけどできなかった=今日はダメだった日、となってしまうと、ダメな日続きになる可能性が高くなります。「一回できなくてもまだチャンスがある!」という思考になれるよう、予備の時間を先に確保しておきましょう。

なので前項の時間は「朝」にとっておき、もしダメだったとしてもまだまだリカバリできる時間を残しておきましょう。ダメだった時の時間も、予定の入りづらい時間に予約しておきましょうね。

4-7. 小刻みに目標を設定し、徐々に大きくする

習慣化するには、単発ではなく長期的なものとして考えることが大切です。早いものでは21日間で習慣を身につけることができますが、毎日続けるには、21日は意外と長かったりもします。

長期的なものととらえつつ、小刻みに目標を作ってそれをクリアし続けましょう。1週間毎に区切ってみたり、1日ごとに区切ってみたり。高い目標に向かって日々邁進していくのもよいことには違いありませんが、高い目標を見据えつつ、目の前の小さな目標を次々にクリアしていくのが効果的です。

達成感がありますし、着実に成長を実感することができます。自身がついてセルフイメージも上がりますから、成功にグッと近づく方法だと言えるでしょう。

5.習慣化のコツ②モチベーションを捨てる

5-1. 習慣化の仕組みを作ってモチベーションを捨てる

行動を始めようと思ったとき、習慣化しようと思ったときが、一番モチベーションが高いです。しかし、それに任せるのではなく、モチベーションは浮き沈みがあるものだということ認識しておきましょう。モチベーションが下がったときに行動が止まってしまうのでは、せっかく行動を始めても、いつものあなたに逆戻りです。

習慣化するには、モチベーションが高いときに、たとえモチベーションが下がっても行動できるような仕組みを作ることです。具体的な仕組みを作る方法は、次章:習慣化のコツ③のところでお伝えしていきます。

5-2. 習慣化の目的を明確にしてモチベーションを捨てる

早起きにせよ、英語の学習にせよ、運動にせよ、あなたは何故、その行動を始めようと思ったのでしょうか?その目的は何なのでしょうか?ただ漠然と「習慣になった方がいいから」という理由ではなく、「〇〇を達成するために、今、この行動を続けよう」 と、目的を明確にして行動することで、圧倒的に達成の確率が上がります。

目的と、それに向かう行動が十分に納得できるものとなっていれば、その行動は必然的なものと感じられるので、モチベーションに頼らずとも「当然、やるべき」という状態に変わります。

習慣化の仕組みの中にも、具体的な行動とセットで目的を書いておき、いつも両方を意識するようにしましょう。目先の行動だけにとらわれず、本質的な部分を見続けていきましょう。

5-3. 魅力的なベネフィットを認識してモチベーションを捨てる

目的と同じくらい大切なのが、習慣化が達成されている状態をしっかりイメージすることです。

英語の習慣ならば、外国人とペラペラと会話をできている状態をイメージします。そこからさらにイメージを膨らませて、具体的にどんな場面で、どこで、誰と話しているのか、その時の自分はどんな気持ちなのかと想像していきます。今の自分と内面的に何が違うのか。それが外面的に見て取れるところはどこにあるのでしょうか?

運動であれば、痩せて理想的な体型になっている自分自身の状態をイメージします。そこから膨らませて、具体的にどんな服を着て、どんな食生活をしていて、どんなパートナーがいるのか。その時の自分はどんな気持ちなのか、今の自分と内面的に何が違うのか。それが外面的に見て取れるところはどこにあるのでしょうか?

将来のいい状態をイメージするのは気分のいいことです。その魅力的なベネフィットが想起されれば、モチベーションは不要になります。いつでもイメージが想起できるように、文章化したり、写真にして視覚的に見れるようにしたりしましょう。やはり、いつでも見れるように手帳に挟んでおくなどして、何度も見直すことが大切です。

目的をはっきりさせて、将来をイメージして、その中の一つに「実際の行動」を続けていきましょう。

6.習慣化のコツ③頼れる仕組みを作って利用し続ける

6-1. 習慣化を意識するため仕組み

習慣にならない理由は、単純にそのことを考えている時間が短いことも要因になります。文章化して、何度も何度も見て、何度も読むことで、自然と意識し、記憶に刷り込んでいくことにつながります。
壁に貼る、手帳に貼る、アプリの待ち受けにする、パソコンのデスクトップにメモを貼っておく・・・原始的な仕組みですが、意識付けには最も有効です

6-2. 習慣にする行動を促す仕組み

習慣化するには、実行する「時間を決める」ということはお伝えしました。しかし、決めたとしても他のことに没頭していると忘れてしまう・・・ということはよくあります。まずは、習慣化すべきことをスケジュール帳にプロットして、その時間をブロックしてください。先々まで、少なくとも3週間分はブロックしておきましょう。

予備の時間も決めておく、携帯のアラームをかけておく、なども確実に行動するための仕組みになります。忘れませんし、行動に取り掛かるまでにはその行動のことを頭からいったん忘れてしまうことができます。

6-3. 習慣化している自分を褒める仕組み

「自分のために、ひたすらに」とストイックに続けるだけでは、心の余裕が少なくなっていきます。できたことは認めて、褒めてあげて、自分の成長を感じながら続けていきましょう。そのために必要なことは「記録」です。

手帳に記録しておけば、具体的な数値として、どのぐらい達成できたのかを数えることができます。それを1ヶ月単位で振返った時に、できるようになったことを実感しましょう。成長を感じることは、セルフイメージの向上にもつながります。

褒める仕組みとしておススメなのは、習慣化促進アプリ「自分ルールポイントプログラム」です。無料ながら、自分の日常生活の行動をポイント化して、ポイントがたまったらご褒美を・・・という、褒める仕組みに最適なアプリです。

達成できた行動を自動でカレンダーに記録してくれるので、振り返るのも容易です。さらに、画面に目標を3つまで書くことができるので、これを見るたびに目的・ビジョンを思い出すこともできます。

6-4. サボりがちな自分を監視する仕組み

サボりがちなあなたは、自分を監視するために、周りの人を使って自分を監視する仕組みを作りましょう。有効なのは、周りの人たちに宣言することです。例えば英語学習を習慣化して、TOEICで800点を取ることを目標に掲げたら、それをそのまま、周りの人に伝えてください。

伝えることで、周りの人もあなたに「最近TOEICの調子どう?」といった具合に聞くようになりますし、聞かれたときに「いや最近どうもできてなくて・・・」とは言いたくないですから、宣言したことを守ろうと行動します。責任感ともいえますが、もっと本能的に嘘つきでいたくないという心理を仕組みとして使うのです。

逆に習慣化できていない人は、「できるようになってから周りに伝えよう」とします。人は意思の力だけではなかなか続かないものです。できたら、では、できないままになっていつの間にか目標から外している・・・
ということにもなりかねません。まずは宣言して、発信してください。

宣言だけでなく、もっと積極的に周りの人を巻き込む方法も、仕組みに有効です。
 ・一緒に目標に向かう
 ・目標を応援してもらう
 ・違う分野で目標達成を競う
といったようなパターンです。目標達成に向けてお互いに励まし合うことや、アイツがやっているから、俺もやらなきゃ・・・という、ある種のライバル意識が、自然と行動につながります。

6-5. 仕組みをいつも持ち歩く

ここで作ったような仕組みは、作ったらそれで終わりではありません。仕組みはいつも持ち歩き、何度でも見て行動に移していきましょう。スマホ・手帳など、携帯するものに仕組みを入れ込むことで、習慣化への意識は飛躍的に高まります。

7.イチロー選手に学ぶ習慣化の最高の恩恵

習慣化といって真っ先に思い浮かべるスポーツ選手といえば、メジャーリーガーのイチロー選手でしょう。日米通算での最多安打などの数々の記録、また記憶に残るプレーをし続けているイチロー選手は、非常に多くの習慣を確実に実行し続けていることでも有名です。

毎日の練習前のストレッチやトレーニング内容は、時間まで同じ習慣にしています。バッティング練習も、レフト方向の流し打ちに始まり、センター方向、ライト方向という順で行います。試合の中では、ネクストバッターズサークルでの屈伸運動、バッターボックスに入るまで、入ってからの構え・・・いつ見ても、必ず毎回同じ動作で打席に立ちます。

習慣的な行動を繰り返すことで、自分の状態を一定にすることができます。それは自信になり、セルフイメージを向上させることにもつながります。いつものルーティンをいついかなるときでも行うことで、自分をいつもの状態に持っていき、最高のパフォーマンスが出せるように仕組み化しているのです。

イチロー選手は言います。

「どんなに気持ちが揺れていても、いつもどおりの作業をすることで、自然にバッティングの気持ちに切り替えることができるんです。僕にとってはいつもどおりにすることがプレッシャーに対処するための唯一の方法ですね」
「やれることはすべてやったし、手を抜いたことはありません。常にやれることをやろうとした自分がいたこと、それに対して、準備した自分がいたことを誇りに思っています。」

習慣を作り、それをただひたすらに守っていくこと。それが、自分を一回りも二回りも成長させて、大きな成果につながっていくのです。

「小さなことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」

余談ですが、イチローの朝食といえば、弓子夫人の作るプレーンカレーだということも有名ですね。メジャーリーガーになってから、朝食は必ずカレーを食べていたとのことです。毎日のルーティンが、非常に大きな成果を生み出す原動力となっていたのですね。 (注:カレーは2008年に胃潰瘍でやめたとのことです)

8.運動の習慣化のコツ

運動・ダイエットなど、身体に関わることの習慣化は3カ月の期間が必要と言われています。人間の身体の細胞は3ヶ月で入れ替わるので、そのことと併せて言われることが多いです。

運動を習慣にする場合のポイントは、やはり無理せず小さく始めることです。運動・ダイエットをしていくことで、今までの自分の身体が変わっていくので、ただでさえ変化は大きいからです。自分自身が「新しい自分自身」に適応する範囲で少しずつ変えていくことが大切です。

特に、運動の習慣が全くなかった人が、いきなり「毎日ランニング5km!」とするのは無謀です。本当に小さいと思うぐらい、物足りないぐらいに小さなステップから始めましょう。「運動が楽しい、もっと運動したい!」と思うために、最初の最初は5分以内で留めておくことをおススメします。

習慣化するには、3日、1週間、3週間、3ヶ月と、細かく目標を区切り、長く続けていくことを当面の目標とすることをおススメします。

9.学習・読書の習慣化のコツ

学習・読書といった意識的な行動は3週間で習慣を作れると言われています。とはいえ、英語の学習をはじめとして、成果が出るためにある程度長い時間がかかります。また、学習はTOEICの点数や資格取得が目標になってしまいがちです。その先にある「本当の目的」を明らかにしたり、目標達成後の将来をイメージして得られるベネフィットを明確にしたり、より大きな未来にフォーカスしましょう。

そして、具体的な行動目標に落とし込み、それに沿って進めると上手くいきます。TOEICでしたら、800点という数値目標の他に、「1ヶ月で教材を一通り終わらせる」というような、自分で確実にできることが行動目標です。1週間で50ページ、1日7ページ、とブレイクダウンすることができます。

自分一人で学習を進めるよりも、仕組みによって仲間を巻き込むのが有効なのも、学習習慣の特徴です。StudyPlusというアプリをおススメです。教材を選び、学習をページ数と学習時間で記録することができる他、アプリ上で仲間を作ることもできます。

目的を明確にした次には、やはり「学習が楽しい」と思えるように、小さく小さく始めていきましょう。最初の1週間は1ページ・5分で止め、「もっと学習したい」と思う気持ちを作っていくことが有効です。

いつでもどこでも本は読めるからこそ、「いつ、どこで」という、場所・時間の観点もしっかり押さえておきましょう。通勤の時間なら本を持ち歩いたり、座れる時間の通勤に変えたり、落ち着けるカフェで読むのであれば、具体的なカフェをいくつか探しておく必要が出てきます。要するに、いざ学習しようという段になって迷わないように、あらかじめ行動パターンを決めておくことが重要です。

10.早起きの習慣化のコツ

早起きを習慣にすれば、誰にも邪魔されない自分だけの時間を作り出すことができます。ですから、ダイエットや学習などの習慣のベースに「早起き習慣」を作るのは非常に有効です。ぜひ、チャレンジしてほしい習慣です。

早起きの習慣については、別記事で詳細にお伝えしていますので、併せてお読みください。

【保存版】朝早起きする11のコツ~早起きできない人へ!挫折に学ぶ早起き習慣作りの方法~

早起きを習慣にするためには、しっかりと睡眠を確保することと、早寝をすることが必須です。自分は何時間の睡眠が必要なのかを理解し、寝る時間を逆算しましょう。一般的には、睡眠サイクルは90分単位とされています。これに従えば、睡眠時間も4時間半・6時間・7時間半とするのが有効です。

睡眠サイクルに合わせてできるだけ自然に目が覚めるように、目覚ましも工夫しましょう。スマートフォンで目覚ましを用意するなら、Sleep Cycle というアプリをおススメします。寝ている身体の動きから睡眠サイクルを読み取り、一番起きやすい時間にアラームを鳴らしてくれるので、快適に起きることができます。
同様の仕組みの睡眠グッズも売っていますから、そちらを検討するのもよいでしょう。

早起きの最大のポイントは、目が覚めたらまず、横になっている状態から脱却することです。寝ている姿勢で「起きよう」と思っても、身体はまだ寝ている状態に近いので、二度寝をしてしまいます。まずは身体を起こす、そして立つ。ここだけに注力しましょう。

運動と同様に身体に関わることなので、早起きも3ヶ月で習慣にすることができると言われます。しかし、日本には四季があり、季節の違いによって朝の時間が違います。夏は朝が早く、冬はなかなか明るくなりません。ですから、早起きは夏場には習慣にしやすいですが、冬はやや難しくなります。

「3ヶ月で」というのはあくまで、同一の条件の下、という制約付きです。一年を通じていつでもできることを習慣にしたいなら、1年の計画で見ておきましょう。やはり、長期的に考えておくことがポイントなのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。記事でご紹介したような悪癖を捨て去り、正しい手順に沿って長期的に取り組むことで、比較的容易く習慣化することができます。習慣化された後の素晴らしい人生を思い描きつつ、地道な小さな行動を繰り返すことで、少しずつ確実に定着していきます。

数々の仕組みを紹介していきましたが、気に入ったものをまずは一つでも実行に移し、その効果を体感してください。あなたが良い習慣を身につけ、より良い人生を歩んでいくことを願っています。

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佐藤 友康

佐藤 友康

マーケティングコーチ 千葉大学工学部卒業後、IT企業にて10年間、商社向けの基幹システムの運用/保守・改善業務に携わる。 2012年にコーチングを学び始め、2014年よりコーチとしての活動を開始、2017年に独立し、個人事業主・起業家の売上UP・web集客などを支援する。 コンラボには2016年よりライターとして、2018年より社内コーチとして参画。 著書に「習慣化を成功させる本」「自分と可能性を育てるチャレンジの習慣」がある。 趣味の将棋はアマ三段&将棋普及指導員。

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