集中力を高める3つの方法と持続の仕組み

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残念ですが、人間は本来、集中力を持続させることは得意ではありません。もちろん私も、あなたも、隣の人も。自然と集中するようにはできていないのです。

しかし現代の社会では、本能的に苦手だとしても、集中力を発揮して一つの仕事に取り組むことが求められています。いかに集中し、その集中力を高め、持続するかが、仕事で成果を出すために必要なスキルとして変わってきたのです。

集中力は、生まれ持ったものや、バイオリズムに左右されるものだと思っていませんか?集中力が続かないのは、仕方のないことだと思っていませんか?

実は、集中力を高める方法があるのです。訓練によって鍛えることもできますし、やり方によって集中しやすい環境を作ることも可能です。集中力は、自分自身でコントロール可能な能力なのです。

いつでも高いパフォーマンスを発揮し続けるために、必要な時に集中できるようになってみませんか??

この記事ではまず、集中力を高める方法の三原則をお伝えします。そして、集中力が続かない3つの原因になっていることとそれを回避する方法についてもお伝えしていきます。

目次

1.あなたの集中力を高める3つの原則とは?

冒頭でお伝えしたように、そもそも人間は、自然と集中するようにはできていません。何故か?それは、人類の歴史を遡ることで見えてきます。

狩猟を中心に生活していた頃は、常に外敵から攻撃される可能性があり、それに備えなければなりませんでした。そんな中、ひとつのことに集中して周りが見えなくなると、それこそ生命の危機になりかねません。いかなるときもあらゆる方面に意識を張り巡らせて、危機を回避し、生き永らえてきたのです。

言い方を変えれば、集中力がないことが、生きるために必要だったとも言えるのです。

現代になってもその根本的な性質は変わらず、普通に過ごすと意識が分散してしまうのです。だからこそ、集中できるような環境を前もって準備しておくことが必要なのです。

1-1. 集中力を高めるには、取り組むことを「ひとつ」に絞る

仕事をするうえで、マルチタスクというと聞こえがよく、とても仕事ができるように思われがちです。しかし、様々なことに絶えず注意を向けなければならないので、意識が分散されてしまいます。集中力を高める観点からは、マルチタスクは実はマイナスです。

「今、この時間に取り組むべきこと」は、ひとつだけ。たったのひとつに絞りましょう。

文章を書くなら、「書く」ことだけを考えて、短期間で一気に書き上げましょう。

途中で書くための調べ物をしたり、作った記事の「てにをは」を直したり、推敲をしてみたり。そういうこともやめて、「今は、ただ書く!」ということだけに集中しましょう。

調べ物をするのは事前に済ませておき、「てにをは」を直したり、推敲したりするのは、一度書き上がってからやりましょう。書くときには、「書く」ことが、たったひとつの取組みになります。それ以外のことは切り離して、同時には行いません。「調べ物をする」「てにをは直しに集中する」「推敲に集中する」というように、それぞれのタイミングで、ひとつに絞って取り組めるよう、仕事を組み立てましょう。

1-2. 集中力を高めるには、関心事を頭の外に出す

ひとつのことに集中しようと思っても、他の関心事が頭にあると集中力は発揮できません。脳は高性能のCPUである一方、意識しないことさえ勝手に考えてしまうという性質もあります。

「心配事がある」
「AさんとBさんに連絡しなきゃ」
「電化製品を買い替えるのに調べ物なきゃ」

・・・など、頭の中に他の関心事があるような状態で集中しようとしても、脳はふとした瞬間に、今関係のない関心事を思い出します。思い浮かんでしまうと、気を取られてしまって、本来集中力を発揮したい事柄がおろそかになってしまいます。そんな経験、きっとあなたもあることでしょう。

「今はこのことだけ!」とできるように、他の関心事を頭から一切、消しておく必要があるのです。

頭から消すためには、紙などの頭の外に書き出しておくことです。頭の中だけで存在している、「関心事や、気になることのすべて」を紙に書き出すという作業を行いましょう。

これは、ブレイン・ダンプと呼ばれる手法で、とても効果の高い方法です。

やり方は簡単。紙とペンを用意して、思いつくことをただひたすら書き出すだけ。ただこれだけです。

書き出すことで、「頭の外」に紙という形で具現化されますから、頭で覚えておく必要がなくなるのです。頭にとどめておく必要がなくなり、頭の中がクリアになり、余計な心配事からは解放されて、心が落ち着いた状態になるのです。

より効果を高めたい場合は、紙は付箋紙を用意して、1枚に1つだけ書く、というルールをおススメします。書き出した後に分類・カテゴライズがしやすく、その関心事を消化するのに役に立ちます。

「すべてを書き出す」ということは、忘れていることや普段考えていないことも書き出すということです。ゼロから思い出せというのは酷ですから、それを思い出すために、キッカケになるような切り口のヒントを用意しておきましょう。これをトリガーリストと言います。

トリガーリストを上から眺めていき、それに関することをすべて書き起こす・・・という作業をしてみましょう。

はじめて実施する場合は、1時間では足りないでしょう。最低2時間ほどはかかります。それぐらい長い時間をかけて、頭の中の関心事、気になることをすべて書き出してください。

この「書き出す」というタスクを行いながら、集中するということを体感できるので、一石二鳥ですね。

ブレイン・ダンプを行うだけでもかなりクリアになります。さらに発展させたいときは、書き出したそれらを、いつ、どのタイミングでやるかを決め、すぐに完了できるものは終わらせてしまいましょう

しばらく先のことで今考える必要がなければ、「これは1か月後に再検討、今は考える必要なし!」という状態に、今は頭から消し去るのです。

GTD(Getting Things Done)というタスク管理方法がありますが、そのGTDの「収集」「処理」というステップがこの2つに相当します。ここを重点的にやることで、集中力を高めることができます。

GTDでは、それを定期的にやっていくものですが、それはまた別の記事でお伝えしますね。

1-3. 集中力を持続させるには、細かく区切ってたくさん休む

短期間に負荷の高いことに取り組むので、集中力を発揮すると、疲れるのは当然です。集中力の持続時間は様々な研究がなされていて、90分、45分、30分・・・と結果も様々。年代によっても異なるとのことですので、「〇分が限界です」と一概には言えません。しかし、長くても90分というのが定説のようで、集中力が続かないというのは、当然のことなのです。

サラリーマンの場合、1日に8時間ほど働きますが、ずっと集中し続けるのは無理なことです。ぶっ通しで集中するのではなく、長い時間、高いパフォーマンスを出し続けることを考えましょう

長い時間仕事をする場合は、こまめに休んで集中を意識的に切りましょう。その方が効率的です。疲れ切ってしまう前に、休憩を取って休んでください。それはサボりではなく、次の集中のための準備時間、社会人として必要なメンテナンスの時間です。

根性論だけで長時間休みなく仕事をすると、反動でその後の時間、集中力が下がります。2時間も3時間もぶっ通しで同じ仕事をして完成させたものの、その後の半日、あまりの疲労感で仕事にならなくなってしまったという方も多いのではないでしょうか。

タバコ休憩、散歩、軽いストレッチ、目を閉じる。方法はご自身のやりたいもので構いませんが、意識的に休憩を取って、仕事に向かう自分自身をコントロールしてください。

2.あなたは大丈夫?集中力がない人が陥っている3つの罠

集中力がない、集中力が続かないという方は、以下の3つが原因となっていることが多いです。これらの邪魔者を排除せずに、集中力を持続させようというのは、なかなか大変なことです。

あなたの意識は集中したいと思っていても、邪魔が入ると、集中は途切れてしまいます。あらかじめ予防できる邪魔は、取り除いていきましょう

2-1. 集中力が続かないのは、「他人の割り込み」が最大の要因

上司や部下に話しかけられたり、電話がかかってきたり。集中を妨げる一番の要因が他人の割り込みです。あなたが集中したいときに他の人からの割り込みがあると、集中力は一気に下がってしまいます

「たったひとつのこと」に集中したいのに、他のことを持ち込まれるのですから、当然集中は途切れてしまいます。可能な限り、割り込ませないようにしたいもの。 しかし、チームで仕事をしていたり、お客様からの連絡があったりすると、ついつい自分を犠牲にしてしまいがちです。

集中して仕事をするために、一人になれる場所で、一人になれる時間を持つ習慣を作りましょう。例えば、毎日13時から15時までは自分だけの時間にすると周りの人に宣言して、一人になれる場所で仕事を進めるのです。その際、電話も取り次がないように伝えておくことも大切です。

これぐらい徹底してやらないと、あなたの時間はどんどん奪われ、集中する暇がなくなって仕事が終わらず、残業ばかりが増えることになってしまいます。

また、割り込みの種類として、スマートフォンの通知もあります。これも厄介です。メールやLINEやFacebookなどのプッシュ型の通知機能は、何かあるとすぐに知らせてくれる、とても便利な機能ですが、集中したいときには邪魔者でしかありません。通知が鳴るとどうしても気になってしまうのが人情です。

特に、LINEグループなどで複数名でのリアルタイムのやり取りをしていると、何度も何度も通知が来ます。そのまま無視して仕事を進めることもできますが、鳴るたびに集中が妨げられ、効率が下がってしまいます。

集中したいときには、スマートフォンはカバンの中に仕舞う、通知をOFFにするなど、意識に入ってこないような工夫をしましょう。

同じ理由で、パソコンの通知も集中を妨げる要因となります。メールが届いたときのポップアップ通知などはその代表例です。不要な通知を受け取らないように、ご自分の仕事スタイルに合わせて、通知を切っていきましょう。

2-2. 視界が雑然だと集中できない

人間は、視覚から多くの情報を得ています。見ているものに以外にも、「見えてしまっているもの」からも情報を取り込んでいます。狩猟の時代、「見えている」ことで危険を察知し、回避してきましたから、それ自体は素晴らしい能力です。パッと見て全体を掴めるのも、この能力のおかげです。

しかし、集中力の観点では、不要な情報を取り込むことはマイナスです。余計なものが見えるような状態では、常に何かしらに集中力を奪われていると言っても良いでしょう。

今、集中したいことだけを見ているという状態が理想です。机の上は、きれいに片付いていますか?今必要なものだけが置いてある状態になっていますか?

机の上に今やること以外の資料や本、ノートやメモなどが散らばっていると、その情報が自動的に脳に入ってきてしまいます。脳に入ってくれば、勝手に処理してしまい、それにもエネルギーを使います。視界には必要なものしか入れないようにするために、シンプルに、整理整頓をしましょう。

パソコンを使った作業でも同じです。Wordで文章を「書く」のであれば、文章以外のものは見えないような状態にするとよいでしょう。

Wordでは、「タブ」や「リボン」に様々な機能があります。それらを使うのは、「文章の装飾」をしたいときですから、文章を書くときには不要なものです。非表示にするだけでも、集中力が上がります

同様に、インターネットの閲覧でも同じです。Internet Explore や Chrome、Firefoxなどのブラウザは、「タブ表示」がなされています。いくつものサイトを同時に開いておくことができ、すぐに切り替えることが出来るので、非常に便利な機能です。

しかし、例えばFacebookを別タブで開いていると、集中力を妨げる原因になります。「メッセージ」が届いたり、「いいね!」されたりすると、タブの名称が(1)と変わります。これも気になってしまいますよね。

Facebookは、仕事をしている「今」は必要なものではありませんよね。

2-3. 集中できない音とは?。集中力を高める音とは?

今度は音、聴覚からのアプローチです。人間は、聴覚からも情報を得ています。

賑やかなところではなかなか集中できないものですが、図書館などの静かすぎるところでも集中できない・・・という方もいらっしゃいます。静かな空間であればあるほど、小さな音や、ひそひそと話す声、などの音が気になってしまうものです。

何故、小さな物音がこれほど気になってしまうのでしょうか。

それは、音に「意味」があるからです。

咳払い、ひそひそ声、ボールペンの落ちる音。周りが静かであると、これらの音が際立って耳に入ってきます。それらの「人が作り出した音」には、意味があり、耳から入って頭の中で組み立てられ、「ひそひそ声の内容」を知ろうとしてしまいます

なので、音自体は小さくても気になってしまうのです。

視覚からの情報と違い、聴覚の情報は「他の誰か」によって発生させられることもあります。ですから、完全にキレイに、クリアにという、視覚と同様のアプローチでは対処できません

音の場合は、完全に静かにするのではなく、逆にある程度の音を入れるというアプローチが有効です。

気が散る原因になる音を「意味のない音=ノイズ」で、その音をかき消すのです。敢えて「意味のない音」をインプットすることで、意味のある話し声などの音を締め出すことが出来るのです。

おススメなノイズ音は、「雨の音」や「森のざわめき」や「波のしぶき」の音といった、自然界にある音です。

YouTubeなどに無料の音源もたくさんありますから、あなたのお気に入りの音を探してみるとよいでしょう。この記事内で専用のアプリをご紹介していますので、そちらをお試しください。

自然界の音ではなく、音楽を聴くことで集中できるという方もいらっしゃいますが、以下のようなものは避けた方が良いでしょう。

 ・激しい音楽
 ・音の高低差の大きい音楽
 ・声が入っているもの

激しいものや高低差の大きいものは、音楽自体が気になってしまいます。

また、ヴォーカルがあると、どうしてもその声、歌詞に耳がいってしまいます。特に、日本語歌詞など、意味が分かるような言語の歌詞だと、その歌詞の意味を無意識で追ってしまいがちです。聞くにしても、自分の馴染みのない言語のものを選ぶのがよいでしょう。

3.仕事のやり方も仕組み化して集中力を高める

ここまでで、仕事への環境を整えて集中力を高める方法をお伝えしてきました。

次に、仕事への取組み姿勢で集中力を高める方法についてお伝えしていきます。

体調がいいときや、気分が乗っているときだけでなく、少し落ち込み気味なときにも一定のパフォーマンスを出せるよう、工夫していきましょう。以下の4つを試してみるのはいかがでしょうか。

上手くやろうとせず、まずは試して、良いと思ったら続けていきましょう。集中力を高めるためのトレーニングのようなものだと思っていただいてもOKです。

3-1. 作業興奮を利用して集中力を高める

仕事に入るときには、「とりあえず、始める」という気持ちでスタートしましょう。人間には「作業興奮」という性質があります。やっていくうちにエンジンが温まってきます。

たとえ気持ちが乗らないと思っても、何もしないのではなく、とりあえず5分だけ始めてください。簡単な・単調な仕事で構いません。はじめは乗り気でなかったとしても、やっているうちに徐々に温まってきて、いつものように仕事が出来るようになっていきます。気分・感情を上げるには、まず行動してみることが大切なのです。

大変そうだなぁとか、厄介だよなぁと思っているような仕事でも、動き出しさえすれば何とかしようとするものです。何もやってない、動いていないときほど、作業が実際より大変そう、厄介そうだと感じてしまうのです。

ですから、作業の取り掛かりをもの凄く簡単にしておくという工夫をしておきましょう。1日のスケジュール・タスクを組み立てたり、昨日の実績を反映させたり、デスクトップの整理をしたり。

仕事に限らず、仕事に入る前に軽く机の上をきれいにするなども有効ですね。

「5分で出来る簡単なこと」を片付けて、作業興奮を利用して自分に弾みをつけましょう。

3-2. 締め切り効果を利用して集中力を高める

人は、締め切りが決まっていると、それに向けて終わらそうと、高い集中力を発揮して頑張るものです。これを「締め切り効果」と言います。この仕組みを積極的に使っていき、高い集中力をキープしましょう。

人から依頼された仕事の締め切りはもちろん、自分で決めた締め切りであっても有効です。仕事の締め切りをどんどん決めていきましょう。 大きな塊の仕事を小さく分解し、それぞれに締め切りを定めると、小さな締め切りが何度もあるような状態が作れます。

この細かな仕事をひとつずつこなしていくことで、短期集中を何回も繰り返すことが出来るのです。

仕事は、大きくても2時間程度で終わるように分解しておくと理想的です。

一点、注意なのは、締め切りを定めすぎると「締め切りに追われ続ける」ことになってしまいます。

焦りはミスや間違いのもとになりますから、一度にたくさんの締め切りを設けるのではなく、重要な仕事から少しずつ試していって、自分にフィットさせていきましょう。

最初のうちは慣れないかもしれませんが、集中力を鍛えるトレーニングだと思って、取り組んでみてください。

3-3. ポモドーロ・テクニックで集中力を持続させる

仕事の集中力管理でおススメなのは、「ポモドーロ・テクニック」という方法です。

やり方はいたって簡単。タイマーを用意して、25分をセットします。この25分だけは目の前のことだけに集中します。タイマーが鳴ったら、5分間をセットして、休みます。

25分集中、5分休憩。 これが1ポモドーロという単位です。

これを繰り返して、4ポモドーロ毎に15~30分の長休憩を挟む、これがポモドーロ・テクニックです。

え?これだけ?と思うぐらい単純な仕組みですが、これが実に抜群の効果を生み出します。

ポイントは、25分でいったん区切り、何が何でも休憩することです。キリの良いところまで・・・と続けてしまうのはNG、必ず休みましょう。この無理にでも休むというサイクルが、集中力の持続に効果的なのです。

ポモドーロ・テクニックのサイクルを自動でセットしてくれるアプリもありますので、ぜひお試しください。

ポモドーロ・テクニックを活用するようになると、25分で出来る自分の仕事量がハッキリわかってきますし、仕事を2時間ごとの塊に分解することにも慣れてきます。その結果、仕事のスケジュールも組み立てやすくなりますから、非常におススメの方法です。

ポモドーロ・テクニックのような、有効とされている「仕事の型」に自分に当てはめていくことで、仕事がより効率的に、より高い成果を出せるようになります。あなたも、あなた自身の「仕事の型」をいくつも見つけていってほしいと思います。

 ※ちなみに、ポモドーロとは、イタリア語で「トマト」のことです。トマト型のキッチンタイマーを使って時間を測っていたことで、この名前が付けられているそうです。

3-4. 作業ルーティンを決めて集中した状態を作っていく

イチロー選手は、打席に入る前の準備運動から始まり、打席に入ってバット回しをしてピッチャーと対峙するまで、毎回同じ動作をしています。これをプレ・パフォーマンス・ルーティンと言います。いつも同じ動作を行うことで、いつも同じ状態で打席に立つことができ、それがあれだけの結果を残すことにつながっているのです。

もっと言えば、朝起きてから打席に向かうまでに、200を超えるルーティンをこなすと言いますから驚きです。

これを我々に応用すれば、仕事をするまでに行うプレ・パフォーマンス・ルーティンを決めておくことで、いつも同じ状態で仕事に臨めるようになります。その結果、安定したパフォーマンスを出すことにつながるのです。

例えば、こんな具合です。

始業30分前、8:30に会社について、まず机を拭いて綺麗にして、珈琲を入れる。新聞を読みながら主要なニュースの概要を読む。その後、仕事に使う物だけを机の上に出す。スケジュールを見直して一日の流れをつかむ。今抱えているタスクで今日やるべきことを紙に書いてスケジュールに入れ込む。

始業時間の10分前から朝一の自分のやるべき仕事に2時間かけて取組み、メールのチェックは11時、という具合です。

人間は習慣の生き物ですから、仕事に取り掛かるまでの準備の行動の流れを決めておき、その流れに沿って行動をすることで、習慣づいた「仕事モード」へと切り替えることが出来るようになります。

また、今はオフィスに到着してからのことを書きましたが、朝起きてから仕事をするまで、を一連の流れにしてもいいですよね。朝起きて、軽くストレッチをして、ジョギングをして、シャワーを浴びて・・・

あなたは、どんなルーティンがしっくりくるでしょうか?

3-5. どうしても仕事にならないときにすることを残しておく

ここまでのことをしていけば、ある程度の集中力を発揮できるようになります。しかし、体調不良などで、本当にどうしようもないときも、たまにはあることでしょう。どうしても仕事にならないような状態のときには、休んで休養に充てるのも一つの手段です。仕事の能率が上がらないときに無理して頑張っても、大した成果は上げられません。

だったら、しっかり休んでリフレッシュして、翌日・翌々日から頑張るというのも立派な方法です。

また、仕事に行ったとしても、机の整理や書類の整理など、頭を使わずに出来るようなことに取り組むのもよいでしょう。こうした雑務は、集中力はほとんど必要ありませんし、元気のないときでもそれなりの成果を上げることが出来ます

冴えまくっている日に進んで片づけをやるより、むしろ落ちている日にこそやるべきです。片づけを続けているうちに、作業興奮で気持ちが乗ってくることもありますし、そうなったら仕事の方に戻るのもアリです。

パワーが出ないときには頭を使わない、簡単なタスクをこなすことが、トータルの作業効率を上げることにつながります。そういう仕事を敢えて残しておくことも、ひとつの自己管理方法と言えるかもしれません。

4.集中力を上げる裏ワザ

これまでは、集中力を上げる王道の方法をお伝えしてきましたが、最後に裏ワザを3つほどご紹介します。どれも共通なのは、外部から強めの刺激を取り入れること強い刺激を受けると、身体は「緊急時」と判断して、緊張/興奮状態になります。その結果、劇的に集中力が増すのです。

集中が落ちてきたときにも効果的で、即効性が期待できますので、ぜひお試しください。ただし、やりすぎにはご注意を。自己責任でお願いします。

4-1. 裏ワザ①心拍数を上げるために運動をする

20秒ダッシュ、階段上り下り、スクワット、きつめのストレッチ。

数十秒から数分間程度の運動をしましょう。短い時間で、しっかり動くことがポイント。ちょっとドキドキして、汗がうっすら出るぐらいの運動をしてみましょう。

特に、太ももやふくらはぎなど、下半身を使う運動が効果的です。脚は第二の心臓と言われ、全身に血液を送り出す役割があります。

運動することでアドレナリンが分泌され、身体が活性化していきます。脳と身体はつながっていますから、身体が活性化することで、脳も同じ状態になり、集中力が向上していくのです。

4-2. 裏ワザ②冷水/温水で手を刺激する

熱いお湯や冷たい水など、身体との温度差の大きいものに触れると、軽い興奮状態になります

お風呂でも、40℃のお湯はのんびりリラックス、42℃を超えると興奮状態になります。

身体との温度差の大きい冷水/お湯に、手を浸して刺激してみましょう。ちょっと熱いな、ちょっと冷たいな、と感じるぐらいの温度で、長くても30秒でOKです。

手のツボも程よく刺激されるという側面もあり、集中力アップが期待できます。

4-3. 裏ワザ③息を止めて酸素を一気に取り込む

脳を働かせるには、脳にしっかり酸素を巡らせることが大切です。深くて長い呼吸によって、しっかりと脳に酸素を送り込んであげましょう。

しっかりと酸素を送り込むために、一度息を止めて、一気に深呼吸で新鮮な酸素を取り込む、そんな集中法もあります。

手順は以下です。

1.目をつむり、大きく深呼吸をして息を吸いきる
2.吸いきったら息を止める。そのまま10~20秒、少し苦しくなるぐらいまでキープする
3.息を吐ききって、勢いよく息を吸いこむ

息を止めることで、身体が酸素を求めはじめます。そのタイミングで深い呼吸で酸素を行き渡らせるように呼吸すると、脳内がリフレッシュされることを実感できます。目をつむり、自分自身に集中して、身体の変化を感じてください。心臓の鼓動や、酸素が全身に駆け巡るのを感じられることでしょう。

5.集中力を高める&鍛えるiPhoneアプリ5選+1

最後に、集中力を高めるためのアプリを5つ紹介します。同様の機能のAndroidアプリもありますので、ぜひ探してみてください。

集中力を高めるポモドーロアプリ

■Be Focused – 仕事および勉強用の Focus Timer

アプリはこちら

愛用のポモドーロ・アプリです。シンプルでスタイリッシュ、操作性抜群のおススメアプリです。残りの時間が文字と円で表示されるので、とても分かりやすく、これがあれば十分でしょう。

■Tomatodo – ポモドーロ仕事法+タスク管理

アプリはこちら

ポモドーロとTodo管理を合わせたアプリです。プロジェクト毎に一覧性があることと、それぞれのタスクを時間見積もりすることで、あと何ポモドーロが必要なのか、すぐにわかるので便利です。

集中力を高める音楽アプリ

■Rain Sounds HQ: 雨の音

アプリはこちら

世界の様々な「雨の音」を集めたアプリです。心地よい自然音が、周りの余計な音を消し去り、集中する環境を作ってくれるアプリです。雨の音をミックスして自分の好きな音を作れるのもおススメのポイントですね。

■作業用BGM – 勉強や仕事、テスト勉強で集中力をアップできる音楽アプリ

アプリはこちら

心地の良い音楽や自然音・雨の音など、YouTubeの作業用音楽をまとめているアプリです。数がものすごく多いので、気分を変えたいときにも使えます。

集中力を鍛えるゲームアプリ + Webのポモドーロサービス

■神速 – 動体視力・反射神経・集中力養成アプリ

アプリはこちら

最後は集中力を養成するゲームアプリです。5つのボタンを30回押していって、その時間の早さを記録するものです。ひとつのことに集中する、というのを、毎回のルーティンにしても面白いかもしれません。

■おまけ Pomodoro Tracker

アプリではありませんが、webでポモドーロができるサービスがあります。お手軽ですので、まずはこれから試してみるのもいいかもしれません。

https://pomodoro-tracker.com/

6.勉強に集中する方法

受験勉強や資格試験合格に向けた勉強などで、集中力を発揮したいという方もいらっしゃることでしょう。ここまで紹介してきた集中力を高める・集中力を持続させる方法は、もちろんそのまま使えます。

それらに加えて、勉強に特化した、集中する方法をお伝えしていきます。

6-1. カフェで勉強!環境を変えて集中力を高める

家でついつい手元の本を読んだり、テレビを見たり、スマホをいじったり・・・と、集中力がなくなってしまうひとは、勉強する場所を変えることが有効です。

家には勉強以外の『誘惑』も多いので、ついつい時間を無駄にしてしまいがち。気分や雰囲気を変えて、勉強してみましょう。近所のカフェなどに行き、勉強してみてください。適度なざわめきがあるので、逆に集中しやすいと感じる人も多いものです。

また、カフェであればケーキ・ドーナツなど、糖分も気軽に補給できるので、集中力が続かない・・・と感じたときに、気軽にリフレッシュできます。

6-2. 図書館・自習室で勉強!集中している人と同じ環境に身を置く

図書館や、勉強カフェなど、「勉強するための場所」に行くのもひとつの方法です。ここには勉強をしに来る同志が多く来ます。一心不乱に勉強している姿を見ると、気が引き締まり、彼らと同じく私も頑張ろうという気にさせてくれます。

家やカフェと違い、机と椅子以外の物がなくスッキリしているので、集中するにはうってつけです。公共の場ですから、基本的にはみんな静かに勉強に打ち込んでいます。

学習塾に行っている方でしたら、塾の自習スペースを使うのも良いですね。

6-3. 集中力を持続するには、複数科目を並行して勉強する

同じ科目をずっと勉強し続けると、慣れてきて、飽きます。慣れは、集中力が続かない原因のひとつです。これを解消するためには、学校の時間割のように60分や90分と一定の時間で区切り、複数科目を並行して勉強することが有効です。

科目を切り替え、違う分野の勉強をすることで、脳の中の異なる神経細胞が使われます。新しい刺激となるため、新たな気持ちで勉強に取り組むことが出来ます。

また60分経ったら、他の科目に切り替えたり、前の科目に戻ったり・・・とすることで、長い時間、集中力を持続することが出来るのです。

「英語」という1科目であったとしても、文法なのか、リスニングなのか、長文読解なのか・・・という単元で区切ることは出来ます。同じ科目の中でも、違う種類の勉強に切り替えて、長時間の集中力を発揮していってください。

おわりに

仕事のパフォーマンスは、いかに集中して取り組んだかに大きく左右されます。短い時間でも集中して取り組むことで、時間までもが短縮されます。今回ご紹介した方法や環境づくりのどれか一つからでも実践し、集中力が高まることを体感してください。

いつでも高い集中力を発揮し、持続し、パフォーマンスを安定して出すことができるようになれば、圧倒的な成果を生み出すことができます

あなたは、今日はどれから実践していきますか??

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佐藤 友康

佐藤 友康

マーケティングコーチ 千葉大学工学部卒業後、IT企業にて10年間、商社向けの基幹システムの運用/保守・改善業務に携わる。 2012年にコーチングを学び始め、2014年よりコーチとしての活動を開始、2017年に独立し、個人事業主・起業家の売上UP・web集客などを支援する。 コンラボには2016年よりライターとして、2018年より社内コーチとして参画。 著書に「習慣化を成功させる本」「自分と可能性を育てるチャレンジの習慣」がある。 趣味の将棋はアマ三段&将棋普及指導員。

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