【事例付き】コーチング式タイプ分け診断とは? 4つのタイプの特徴を知れば苦手なあの人ともコミュニケーションが上手くいく
仕事やプライベートなど、あらゆる場面で「人づきあい」があります。この人とは話しやすいけど、あの人とはちょっと話しづらい・・・と感じたこと、ありますよね。
人はひとりひとり違うものなので、違いがあるのは当然のこと。ですが、その「違い」の正体は何なのでしょうか?
「人のコミュニケーションの取り方」の違いに着目し、分析したものが今回ご紹介する「タイプ分け」です。
「タイプ分け」は、コーチ・エィによって作られたメソッドで、自分とは違う価値観、感じ方、行動のしかたがあることを知ることができます。
相手のタイプを知ることで、その人がどういうコミュニケーションを取る人なのか、どういう風に話すと伝わりやすいのかが分かります。結果、その人とのコミュニケーションがスムーズになり、仕事やプライベートがこれまで以上に充実することでしょう。
この記事では、タイプ分け診断とは何か、どんなタイプがあるのか、そのタイプ毎にどう接すればよりコミュニケーションが円滑になるかを、具体的にお伝えします。すぐに職場や友人関係などでも活用でき、その効果を体感いただけます。また、一度分かってしまえば一生使えるスキルです。
あなたのコミュニケーション改善のヒントが見つかりますように。
目次
1.タイプ分け診断とは?
あの人とこの人は似てる感じだとか、相性があまりよくないとか、見ていて気づくこともあるでしょう。あるいは、自分にとってAさんはコミュニケーション取りやすいけど、Bさんはそうでもない・・・みたいなこと、ありますよね。
タイプ分け診断とは、その人の「ある特徴」に注目して、4つのタイプに分類したものです。その「ある特徴」とは、その人の「自己主張」と、「感情表出」のこの2点です。
二つの軸で4つに分けたもの。これがタイプ分け診断です。
1-1. 自己主張と感情表出の2つの軸で4つに分類
ひとつめの軸は、自己主張が強いのか、自己主張は控えめなのか、という軸です。自己主張が強いとは、自分の意見や主張を積極的に相手に伝えようとするということです。自己主張が強い人は、発言力があり、会議の場でも積極的に意見を言います。あなたの職場でも、そういう人は思い浮かびますよね?
もうひとつの軸は、感情を表に強く出すのか、控えめなのか、という軸です。感情は、言葉に限らず、表情や口調、雰囲気、身振り手振りにも出てきます。話をしたときに、うなずきながら笑顔で聴くのか、無表情で聴くのか、というところからも感じ取ることができます。
感情を強く表に出す人は、「人」を大事にするのに対して、控えめな人は「コト」を大事にします。どちらを大切にしているのかを知っていれば、例えば褒めるときに、「その人への感謝」を表すのか、「その仕事の成果」をたたえるのか、相手によって使い分けることもできるようになりますよね。
これらの、自己主張と感情表出の2つの軸で切り、4つに分けたものがタイプ分けというものになります。では、どのようなタイプがあるのかをひとつずつ見ていきます。
1-2. コミュニケーションの4つのタイプを紹介
1)トップダウン型のリーダー気質な「コントローラータイプ」
最初はコントローラータイプと言われる人たちです。このタイプの人は、感情表出が控えめで、自己主張が強い人です。ものすごくリーダーシップが強く、どんどん前に引っ張っていく人をイメージするといいでしょう。トップダウン型の人です。
指示は要点を伝え、事実を淡々と述べ、しっかり意見を言うという人ですね。
このタイプの人は、すごく「結果」とか「成果」とか「結論」にこだわります。一般的に、強力なリーダーという人を思い浮かべたときには、このコントローラータイプの人が多く出てくることでしょう。
2)新しいことやアイデアを試す「プロモータータイプ」
ふたつめが、プロモータータイプと言われる人たちです。このタイプの人は、感情表出が高く、自己主張も強い人。端的に言うと賑やかな人です。アイデアマンもこのタイプ。
プロモータータイプは、結果とか成果よりも、「新しいこと」とか「楽しいこと」、「他の人は誰もやっていないようなこと」を好みます。他人と違うこと、変わっていること、独自性を大切にする人ですね。
好奇心も興味性も高いので、いろいろなことをとりあえず始めます。が、その反面、飽きっぽいのでなかなか最後までたどり着けずに、すぐやめてしまう・・・そんな特徴もあります。
3)人間関係を何より大事にする「サポータータイプ」
みっつめが、サポータータイプと言われる人たちです。このタイプの人は、感情表出が高く、自己主張が控えめな人です。人の「和」を大切にし、何よりも「人」を優先して考える人です。
サポータータイプは、おとなしめに見られることが多く、会議で発言を求められたときも、ビシッと答えるというより、その場の雰囲気に合わせる発言であることが多いです。
人に貢献することが好きで、かつそれを承認されたいという欲求も強いです。話し方はゆっくりめで、人との争いを嫌います。
コントローラータイプの人から見ると、サポータータイプの人は何だかはっきりしないと思われることが多く、相性が良くないという風に言われています。
4)分析・計画の理論派の「アナライザータイプ」
よっつめが、アナライザータイプと言われる人たちです。このタイプの人は感情表出が控えめで、自己主張も控えめな人です。コントローラータイプの人が自分の主張を通そうとすることに対して、アナライザータイプは自分の中で完結させる人です。
アナライザーは、計画や分析、事実やデータをすごく大切にする考え方を持っており、自分で計画を立てたことは必ず実行し、成果を得るということができる人です。
逆に新しいアイデアを出すのは苦手で、目に見えることを大切にしています。人にはそもそも興味があまりないので、冷たい感じの印象を受けることも多いですね。
ちなみにこの4つのタイプ。ナナメの関係性は真逆の性質です。コントローラーとサポーター、プロモーターとアナライザーは真逆。あなたが「なんとなく合わない」と感じる相手は、おそらく反対のタイプです。お互いにとって普通のコミュニケーションを取ると、すれ違いや衝突が起こって当たり前なのです。
2.自分と相手のタイプを知ろう
あなたは、この4つのタイプのどれに当てはまりそうですか??ピッタリこれだ!というものが無かったとしても、どれかひとつはなんとなくこれに近いかな、と感じるハズです。
2つの軸で4つのタイプにザックリと分けて、大まかな傾向を捉えようというのが「タイプ分け」ですから、難しく考えなくてOK。
そして、相手のタイプも類推してみましょう。自分のタイプと相手のタイプを知ることができれば、相手とのコミュニケーションがより円滑に行うことができるんです。あらぬ誤解を招くことも少なくなるし、相手の受け取りやすい言葉で伝えることができます。
例えば、相手がコントローラーだと分かって入れば、受け入れやすいような言い方・伝え方をすることができます。その結果、相手にもこれまで以上に正しく伝わるわけですよね。
人を褒めるときや叱るときの言葉も、選べるようになるわけです。
そうすることによって、自分の言いたいことと相手の受け取りやすいことが一致し、コミュニケーションがより円滑になっていきます。その結果、組織運営がスムーズになり、高いパフォーマンスを発揮するチームに成長することができます。
まず自分のタイプを知り、相手のタイプを知ってみましょう。タイプを見極める方法を、この項ではお伝えしていきます。
2-1. まず自分を知ろう。あなたのコミュニケーションタイプは??
まずはタイプ分けで、自分自身を深く理解していきましょう。コーチ・エィの提供しているアセスメントがあります。
アセスメントはこちらのサイトから実施いただけます。
1,080円と有料ですが、フローに沿ってアセスメントを行う中で、自分がどのタイプなのか、しっかり認識することができます。
もう一つ、お手軽なやり方を紹介しておきます。
それは、自分の「苦手なタイプ」から探ることです。自分の普段のコミュニケーションで、どういう状態が苦手かを考えてみましょう。
例えば、話していて表情が乏しく、目を合わせてくれない人と不安に感じる・・・という場合。分析が好きなアナライザータイプは、人と目を合わせて話さずに、事実を淡々と述べる傾向にあります。そういう人を苦手と感じるなら、その真逆の性質を持つ、プロモーターが近いかも、と考えることができます。
成果を求めて厳しく言われることを苦手と感じるのであれば、コントローラーみたいな事実をビシッと主張するタイプは苦手・・・自分はその反対側にあるサポータータイプかなと推定することができます。
2-2. 行動パターンから相手のタイプを見分ける方法
では相手はどのタイプかを行動パターンから見極める方法をご紹介していきます。チーム内で実施し、共通認識を持っておくと、コミュニケーションの質がガラッと変わりますよ。
1)それぞれのタイプのキーワードを知ろう
それぞれのタイプが大切にしている言葉があります。一例を言うと・・・
コントローラーだったら「成果」や「結果」を大切にしています。
プロモーターだったら「新しいこと」や「斬新さ」や「楽しさ」で、
サポーターだったら「人」や「仲間」や「パートナー」。
アナライザーだったら「計画」や「予定」や「分析」とかですね。
各タイプの人が、どういうことを好んでいるかを覚えておいて、その言動から推定する方法の一つです。
2)それぞれのタイプの考え方や特徴を知ろう
それぞれのタイプによって、考え方や特徴は全く違います。
コントローラーは、指示・命令されることが嫌いで、自分の思った通りに進めたい。
プロモーターは、新しいこと・斬新なことを楽しんでやりたい。
サポーターは、人に貢献し、協力して何かを成し遂げ、承認されたい。
アナライザーは、計画を立ててその計画通りに進めたい。
様々な特徴があります。タイプごとのキーワードや考え方・特徴を一覧表にしました。
3)タイプの見極めポイントは?
上の表を参考に、同僚や上司、後輩を思い浮かべて、誰がどのタイプなのか、ちょっと考えてみましょう。そして、実際の人とコミュニケーションを通じて、傾向を掴んでください。アナライザーの特徴ってこういうことか!とか、自分の知っている実際の人で傾向を見るのが良いですね。
ひとり見ただけだと分からないことも、3人、5人、10人という風に自分の中でサンプルが増えてくると、徐々に分かってくるようになります。特に、姿勢や声の大きさ・トーン、言葉遣いで分かります。
これらの特徴からおおよその判断はできるでしょう。ですが、可能であれば推察ではなく、みんなで同じアセスメントを実施することをおススメします。主観が入らない分析の方が、確実さが増すためです。
3.タイプ分けをコミュニケーションに役立てる方法
では、タイプ分けが分かったところで、実際のコミュニケーションに役立てる方法をお伝えします。
3-1. 事例に学ぶ、相手とのコミュニケーションの取り方 3ケース
ここでは、仕事に関する3つのケースでのコミュニケーションの取り方をお伝えします。同じ言葉を投げかけられた際に、各タイプの人がどう感じるか、また、どういう言葉の方がより響くのかについてお伝えしていきます。
ケース1)情報提供・報告・提案の場合
あなたは、営業部の営業担当。
新規顧客を開拓しています。XYZ社と商談が進むにつれて、上手くいけばプレゼンの機会を得られそう。ここから提案に向けて詰めていくところまできました。直近の商談について部長に報告をするところなのですが・・・
さて。そんなとき、部長にはどのように報告するのが良いか、考えていきましょう。例えば・・・
「先日、XYZ社との商談を進めてきました。担当の山中さんとの関係性も作れ、A案、B案とも興味を示されていました。このままいけば、1ヶ月後のプレゼンに参加できそうです。また、新技術を取り入れたC案も作ろうと思うんですが、部長はどうお考えですか?」
こんな風に報告したとします。さて、部長はどう感じるでしょうか?タイプごとで考えてみましょう。
部長がコントローラーなら・・・
少しまどろっこしいと感じます。コントローラーは、結論から話されることを好むからです。単刀直入に、結論をズバッと伝えてほしいのです。また、コントローラーは質問されるのがあまり好きではありません。質問は、コントロールする側が主導権を持つことになるからです。それよりも教えを乞うように伝えるとよいでしょう。
要望も婉曲的にするのではなく、単刀直入に言うのが効果的です。また、提案する場合には、相手に選ばせることが大切。複数の選択肢を用意しておくのが効果的です。
となると、以下のような例での報告が効果的です。
「XYZ社との商談の件、概ね順調で1ヶ月後にはプレゼンを行います。ライバル社との競合優位にしたいので、新技術を取り入れたいんですが、新技術に詳しい人を教えていただけますか?」
部長がプロモーターなら・・・
悪くはないですが、もっと先々のことについて、絵を描くようにビジョンを語ったほうがより良いです。プロモーターは、直近の細々したことよりも、将来のことを話されることを好みます。
提案する場合には、以前から大きく変わることや変えたこと、新しいことを強調するとよいでしょう。また、要望の際には細かく言わずに、ザックリと伝えるぐらいでも大丈夫。意図を汲み取って対応してくれます。
こんな具合となります。
「XYZ社との商談の件、概ね順調です!1ヶ月後にはプレゼンを行って、契約が取れれば、長期的なお付き合いになって売上の大幅アップが見込めます。斬新な新技術を取り入れて、あっと驚かせるようなプレゼンで、グッと魅力的なものにしたいんですが、誰か新技術に詳しい人いませんかね?」
部長がサポーターなら・・・
サポーターに対しては、サンプルのような報告で大丈夫です。最初から順を追って、お互いの合意を取りながらじっくりと説明していきましょう。
より良くするためには、相手のことを思いやる一言を添え、ゆっくりと説明するとよいでしょう。提案する場合には、関係各所との合意が取れていること、または合意が取れるものであることを伝え、安心させてあげましょう。
「お忙しいところお時間作っていただきありがとうございます。 先日、XYZ社との商談を進めてきました。担当の山中さんとの関係性も作れ、A案、B案とも興味を示されていました。このままいけば、1ヶ月後のプレゼンに参加できそうです。また、新技術を取り入れたC案も作ろうと思っています。新技術に詳しい部署の方をどなたかご紹介いただけるととても助かるのですが。」
部長がアナライザーなら・・・
より具体的に、より論理的に話をすることを心掛けましょう。アナライザーは、正当さ、正確さをデータを用いて話されると理解が深まります。
人よりもコトに注目して話されることを好みます。感覚値はNGです。また、提案する場合は、何故この方法が上手くいくのかを、論理的に話し、リスクヘッジについても織り込んで考えていることを伝えましょう。
「先日、XYZ社との商談を進めてきました。担当の山中さんはA案の発展性とコスト、B案の安定性と過去の実績にとても興味を示されていました。1ヶ月後のプレゼンへの参加は、次の商談での案にかかっています。次回までに新技術を取り入れたC案を作り、他社との差別化を図ろうと考えています。懸念点は実績が多くないことですが、次回、新技術に詳しい方に同席いただき、お客様の不安を解消します。なので、あと1週間でC案を作り、新技術を取り入れた場合のベネフィット、コスト変化、競争優位性を明確にするため、新技術に詳しい部署の方をご紹介いただけますか?」
ケース2)部下を褒める場合
あなたは、システム部のチームリーダー。
部下に依頼した仕事が、納期よりもだいぶ早く仕上がってきました。内容を確認しても申し分なく、期待を超えるような工夫も見られ、部長に報告すると「これが欲しかった」と大満足。部下を褒めてあげたいところですが。
さて。そんなとき、部下をどう褒めるのが良いか、考えていきましょう。例えば・・・
「先日、君に依頼した仕事、部長もとっても喜んでたぞ。さすがだな。また頼むよ。」
これに部下はどう感じるでしょうか?タイプごとで考えてみましょう。
部下がコントローラーなら・・・
「また頼むよ」は良いですが、それ以外はあまり響かないでしょう。コントローラーには、おだてる褒め言葉は無意味です。褒める側が上位に立って評価する意味があり、「自分をコントロールしようとしている?」と勘ぐります。
コントローラーには、事実を述べることと、その結果周りに与えた影響を言葉にするとよいです。例えば、こんな具合です。
「君に依頼した仕事のおかげで、部長の社内プレゼンが好評だったそうだ。また頼むぞ。」
部下がプロモーターなら・・・
プロモーターは、褒められるのが大好き。この褒め言葉でも十分ですが、もっともっとおおげさに褒めてもOKです。何を褒めてもいいですし、人前で褒められるとよりモチベーションが上昇します。
「君にお願いしてた仕事、めちゃくちゃ良かったよ!部長にも社長にも大好評!さすが!最高だよ!!」
部下がサポーターなら・・・
サポーターは、「貢献」が認められることと、感謝されることを好みます。「さすが」より、「ありがとう」と伝えてあげましょう。その人がやったことがいかに周りの人のためになっているのかを言葉にしましょう。
「お願いした仕事を丁寧にやってくれて、感謝してるよ。ありがとう。部長も上手くいったって喜んでたし、貢献には本当にいつも助かるよ。」
部下がアナライザーなら・・・
アナライザーは、その人のやったこと、作ったことの事実を具体的に取り上げて褒めてあげるのが効果的です。「さすが!」とか「天才!」とかおだてると、バカにしていると思われます。褒めても、嬉しそうな表情にならないかもしれませんが、内面ではとても喜んでいます。
「君の作ってた資料の4枚目のデータ分析、完璧で分かりやすかったよ。次も期待しているよ。」
ケース3)部下を叱る場合
部下の仕事に連続でミスがあり、お客様からクレームが入ってしまいました。トラブルはすぐに解消し事なきを得たものの、このままではいけません。部下をきっちり叱って次につなげたいところですが。
さて。そんなとき、部下をどう叱るのが良いか、考えていきましょう。例えば・・・
「先日、連続でミスがあったよね。こんなことじゃ困る!お客様からもクレームの対応も必要になったし、もっと気を引き締めてやってくれよ。残念だよ。」
そんなふうに伝えたら、部下はどう感じるでしょうか?
部下がコントローラーなら・・・
コントローラーは、失敗した事実を誰よりも自分で理解しています。強く叱る必要はなく、事実を指摘するぐらいで十分。あわせて、挽回すること、次に期待していることを沿えると効果的です。
「先日、連続でミスがあったな。君らしくもない。次の仕事で挽回しろよ。期待してるからな。」
部下がプロモーターなら・・・
プロモーターは、そもそも叱られたくない人です。できたことを褒めながら、ちょっと叱るぐらいの方が効果的。割合としては8:2で、叱るよりもどう改善するかを話すと聞き入れやすいです。
「いつもよく頑張ってるよな。スピードも早いし、さすがだよ。最近ちょっとミス多いけど、ダブルチェックして確認すれば減るんじゃないかな。」
部下がサポーターなら・・・
サポーターは、人に嫌われることを何よりも恐れます。「残念だ」「失望した」いう言葉はNG。共感を示し、できた部分は承認し、次への期待を伝えると良いでしょう。
「仕事、よく頑張っていてくれたのは分かるよ。でも、ミスが重なっちゃったよね。次も期待してるから、頑張ってね。」
部下がアナライザーなら・・・
アナライザーは、叱るというより、事実をそのまま指摘しましょう。その上で何が足りなかったのかを、事実やデータを用いて補足していくと良いでしょう。また、ミスの原因を本人に考えさせ、叱るというよりも問題点を洗い出すように話すのが効果的です。
「このあいだ、2つ連続でミスがあったよね。何が原因だったか、君はどう考えてるのか教えてくれる?」
このように、大切にしていることや考え方が違うので、同じ発言でもタイプによって受け取り方は大きく変わります。どうせなら、なるべく受け取りやすいような言葉を使いましょう。
タイプを知り、そのタイプに応じた個別のコミュニケーションを取ることが、仕事をより円滑にしていきます。
3-2. 反対のタイプの人とは特に気を付けて
この4つのタイプで、ナナメの関係性は真逆の性質とお伝えしました。コントローラーとサポーター、プロモーターとアナライザーは、お互いに普通と思うコミュニケーションを取ると、すれ違いや衝突が起こって当たり前です。
ここでは、特に気を付けるべきことをお伝えします。
1)コントローラーVSサポーター
1-1)コントローラーのあなたが、サポーターの部下に接する場合の注意点
サポーターの部下は、あなたの要望に精一杯貢献しようと頑張ります。ですがその反面、「承認」されることを何よりも望んでいます。部下に目を向けて、結果だけでなくプロセスも認めてあげましょう。部下の仕事内容だけでなく、部下自身にも承認の言葉をかけてください。
あなたの思う10倍は褒めて、認めてあげましょう。それぐらいしないと、ある日、急に反抗的になることも・・・
1-2)サポーターのあなたが、コントローラーの部下に接する場合の注意点
コントローラーの部下は、決断、判断が早い人を尊敬します。あなたは「合意」を大事にするので、どうしてもスピードが遅くなりがち。部下から軽く見られてしまうかもしれません。主導権を部下に握られないためにも、「合意を取る」という決断をしていると伝えましょう。
また、話が柔らかくなりがちなので、言い切りの言葉を意識して使い、意志の強さを言葉でも表現しましょう。
2)プロモーターVSアナライザー
2-1)プロモーターのあなたが、アナライザーの部下に接する場合の注意点
アナライザーの部下は、緻密な計画や確実に遂行することを望んでいます。が、あなたは自由さ、変化、新しさを求めるので、そりが合わないと感じがち。アナライザーの確実さは、あなたにはない大きな資質。アナライザーの力を十分発揮できるように、具体的さ、正確さを意識して話しましょう。依頼するなら、目的や根拠を明確に示してあげることです。ざっくりと、はNG。
2-2)アナライザーのあなたが、プロモーターの部下に接する場合の注意点
プロモーターの部下は、とりあえず思いつきで行動し、それを形にします。あなたはその裏付けが気になり、「この根拠はどうなってるんだ?」と細かい点が気になりますが、それを言うとモチベーションは急降下。
プロモーターの頭の中には、なにかビジョンがありますから、未来を語らせつつ、徐々に実際の具体的な行動へと落とし込んでいきましょう。また、褒められればその分やる気になるので、思っている以上におおげさに褒めてください。
3-3. タイプ分けの注意点
最後に、タイプ分けの注意点です。
このタイプ分けでは、2つの軸、「自己主張」と「感情表出」に着目し、そのおおよその傾向をつかむというのが趣旨です。あくまで大雑把に切り分けるということが目的です。また、多くの人は同じぐらいに強い要素を2つぐらいは兼ね備えていています。
このタイプだから・・・と、安易な決めつけは危険です。
それに、人間は簡単に4つに分類できるほど簡単ではないですし、立場やこれまでの経験によって、本来持っていたタイプ以外のものが強化されることもあります。
タイプ分けは、人を型に当てはめるものではありません。ひとりひとりを深く知るための入り口、あくまで傾向を見るというくらいの認識でとどめてください。実際にコミュニケーションを重ねていく中で、その人をより深く知り、関係性を築いていくことが、本当に有効なコミュニケーションになります。
4.本の紹介 タイプ分けとその活用方法がもっとわかる書籍
今回ご紹介した、タイプ分けがよく分かる書籍をご紹介します。
■図解 コーチング流 タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく
各タイプの特徴やコミュニケーションを取る際の注意点、タイプの見分け方などがより詳しく網羅されています。簡易的な、自分のタイプが分かるテストや、相手のタイプが分かるチェックテストも付いているので、タイプ診断もできます。
おわりに
コーチングの4つのタイプ分けをお伝えしました。
タイプ分け診断で大きくとらえることだけでも、コミュニケーションがより円滑になることに気づくでしょう。チームでより高い成果を出していくために、また、リーダーとして部下を束ねていくために、身に着けておくと便利なスキルです。
あなたのコミュニケーション改善のためのヒントとなりますように。
佐藤 友康
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