GTDでタスク管理革命!~5分でわかるGTD~

Pocket

あなたは、こんな経験ありませんか?

  • スーパーで買い物をして、家についてから時計の電池が切れていたことを思い出した
  • 会社で大事な資料を作っているのに、交通費の精算に取り掛かってしまった
  • 資料を探しているうちに、関係のない他の本を見つけて、読みはじめてしまった

残念なことに人間は、記憶を思い通りに操ることはできません。大切な、絶対に忘れてはいけないことも忘れてますし、必要のないときに必要のないことを急に思い出してしまうのです。

そういった「あ、忘れてた!」とか、「あれもこれもやらなきゃ・・・」という「頭の中の気がかり」から解放されれば、あなたの生産性は飛躍的に向上させられる・・・そんな思想で生み出されたのが、今回ご紹介する「GTD」です。雑念から一気に解放されるパワフルなタスク管理の仕組みです。

GTDを実践することで、提唱者:デビッド・アレンの言う「ストレスフリー」な状態、「Mind Like Water:透き通った水のような心」で仕事に取り組めるようになり、あなたの仕事がどんどん進んでいくのです。

GTDの世界に飛び込んでいく準備はいいですか?まずは全体像を把握して、実践編に移っていきましょう。

1.5分でわかるGTD ~GTDの全体像とは?~

では最初に、GTDとはどういったものなのか、ザックリと理解していきましょう。

GTDとは、Getting Things Doneの頭文字を取ったもので、直訳すると「仕事を成し遂げる」という意味です。もう少し説明を付け加えるなら、「頭の中を空っぽにして、今やるべきことに集中して仕事を片付ける仕組み」です。

GTDが上手く回っていると、頭の中をスッキリできているので、今やるべきことだけに集中できるようにできます。また、次にやることがリストに洗い出されて明確になっているので、迷うことなく作業に取り掛かれます。さらに、その仕組みを定期的に見直していくことで、常に最新の状態に保たれる、そこまでが仕組み化されています。

新しい仕組みを見たときに、「面白そう!」「こりゃ使えるぞ!」と始めてみたものの、最初の勢いだけになってしまう私のような人にとっては、この「更新まで仕組み化されている」というGTDの手法は、とても効果的です。

1-1. GTDを学ぶ前に知っておくべきこと

GTDは、面倒くさがりな人向けの手法です。

このあとにお伝えするGTDの手法、ぱっと見は「ややこしい」と思うようなステップかもしれません。特に大雑把な性格の方や、細かいことが苦手な人は、強く「面倒くさい」と思うかもしれません。でも、本来はそういった方にこそ実践してほしい、実に理にかなっている方法なのです。

GTDは、「人間は、忘れる生き物だ」という前提に立っています。

人間は、記憶を思い通りに操ることはできません。大切な、絶対に忘れてはいけないことも忘れてしまいますし、必要のないときに必要のないことを急に思い出してしまうことがあります。それは、頭の中にゴチャゴチャっと乱雑に情報が入っているからなんです。

そういったゴチャゴチャと「気になること」が頭の中だけにある状態では、上手く扱うことができないのです。

頭の中ではなく、見えるものとして目の前に引っ張り出していきます。管理しやすいように「頭の外」に出し、いつでもそれを見て思い出せる状態にすることによってはじめて、自分の気になることを管理できるようになります。

自分のタスク管理方法ですから、大雑把でも細かくなくても大丈夫。まずは自分自身の粒度でやっていき、その効果を体感してください。

頭の中だけにある状態では管理できない。だから、外に出して自分の管理下に置く。

そのポイントさえ外さなければ、GTDは上手くいきます。

では、改めてGTDの5つのステップの概要をお伝えします。

1-2. GTDの超戦略的5つのステップ

GTDには5つのステップで成り立っています。「収集」「処理」「整理」「レビュー」「実行」の5つです。これらの5つを循環させることで、ストレスなく仕事に臨めるようになります。まずはザックリ、この5つのステップを理解しましょう。

<収集> ~外に出す~

頭の中にあるものをすべて頭の外に引っ張り出すステップ、「収集」からGTDは始まります。ささいなこと、気になることを頭の中に溜め込んでしまっていると、脳のリソースを無意識のうちに無駄遣いしてしまっているのです。頭の外に出すことで、脳をクリアな状態にすることができるのです。

<処理> ~見極める~

「収集」したすべてのことに、「これは何か?」と自問していくステップが「処理」です。「処理」では、行動の必要の有無と、その「具体的な行動は何か」を明らかにしていきますい。また、「2分以内にできることは今すぐ片付ける」というルールがあり、小さなタスクが一気に片付きます。また、自分でやるべきでないことは原則やらないというルールもあり、自分のタスクも減らすことが出来ます。

<整理> ~加工する~

「処理」したものを、いつでも使える形に変換するステップが「整理」です。

「次にやるべき行動リスト」だったり、特定の日にやることを「カレンダー」に書いたり、人に任せて「連絡待ちリスト」に書いたりします。 処理と密接に関係するステップなので、併せて理解するとよいでしょう。

<レビュー> ~見直す~

定期的に収集~整理のステップを回し、リストを更新するステップが「レビュー」で、GTD活用の一番のキモとなるステップです。リストは一回作ったら終わり!というものではなく、日々の活動の中で変わっていきます。やりたいことは増えますし、終わったことや優先順位が下がったことも出てくることでしょう。常にリストを最新化するために、週に1度はレビューを行うのです。

また、さらに広い視点で見ていくために、月次や半年に一度のレビューも行います。

<実行> ~行動する~

各ステップで、整理された行動を実際に行うのが「実行」のステップです。何をやるべきか、ここまでのステップで考えつくされているので、実行してタスクを完了させるだけに注力できます。余計なことを考える必要はありません。

今の状況、優先順位に合わせて、適切な行動を選択して実行します。これまでのすべてのステップは、「実行」がなされて初めて意味のあるものですから、最重要の項目と言えるでしょう。

たったの5つのステップで、頭の中をクリアにして行動することが出来るようになります。まずはこのレベルで、ザックリ理解しておいてください。

1-3. GTDのフローチャートと「気になること」の分類

GTDの全体像のフローチャートをご覧ください。

「収集」「処理」「整理」の3つの段階に分かれていますね。

「収集」は、「頭の中の気になること」をINBOXに入れるまでです。「処理」では、INBOXに入ったものを、7つに分けるところまでです。「整理」は、「処理」で分けきれなかった3つの箱に入ったものを明確にします。

簡単に整理すると、下表のようになります。

では、各分類の内容を詳細に見ていきましょう。

■行動を起こす必要がないもの

<ゴミ箱>

気になるものとして挙げたものの、今後何もする必要のないことや、資料としても価値の無いものは捨てます。はっきり「捨てる」という選択をすることが大切です。

<資料>

行動する必要はなくても、情報として価値のあるもの、必要なときに参照したいものは「資料」という分類になります。

<いつかやるリスト>

「処理・整理」のプロセスを経て、「今は行動の必要がない」と判断したものを管理するためのリストです。直近ではない、将来の夢・願望の類のものが入るので、夢・願望もGTDの仕組みの中で管理することができるのです。

<備忘録リスト>

「処理・整理」のプロセスの中で、「今後、必要かどうかを判断する」としたものを管理するためのリストです。

■行動を起こす必要のあるもの

<次に取るべき行動リスト>

「あなたがなるべく早くやるべき行動」のリストです。「実行」の際には、このリストの中から、今の状況で実施するのが適切な行動を選びます。おかれている状況に応じて出来る行動は異なりますから、環境・道具別にまとめたり、デジタルであればタグで分類したり、工夫をするとよいでしょう。

 <カレンダー>

特定の時間や期日に実施する行動は、「カレンダー」に記入します。

<連絡待ちリスト>

すでに誰かに依頼済みで、連絡を待っているものは「連絡待ち」リストに入ります。返信の有無の確認と、返信の催促のために使います。

<プロジェクトリスト>

複数の行動が必要なものや、次のアクションが複雑なものは「プロジェクト」に分類されています。プロジェクトの中には、細かな複数のタスクがあります。そのプロジェクトそのものを管理するためのリストです。

プロジェクトにはたくさんの行動がありますが、レビュー時に最低1つは明確にしておき、必要に応じて「次に取るべき行動リスト」に連携・移動しきます。

このように、頭の中にあった「気になること」を明確に分けていくことがGTDのフローです。

ここまで読んでいただき大枠を捉えていただけたらGTDはとりあえずOKです!まずやってみましょう。ということで、いよいよ実践編に入っていきます。

2.実践のGTD

では、実際にGTDを実践していきましょう。必要なものや所要時間目安も併せて記載しますので、参考にしてください。

2-1. これが出来れば半分終わったも同然!?「収集」のコツ

<必要なもの>

INBOX(物理的な箱)、付箋・メモ用紙、ペン、トリガーリスト

<所要時間>

1~3時間

最初は、収集ですね。誰からも邪魔されない時間を最低でも1時間は確保してください。また、携帯電話の電源を切り、邪魔が入らないようにしておきましょう。

<手順>

やっていること、やりたいこと、気になること・・・頭の中にあるすべてを洗い出して「INBOX」に入れていきます。大きなINBOXの箱に気になる「モノ」そのものを入れてもいいですし、紙に気になっていることを書いて入れてもOK。大切なのは、「私の気にしていることはすべてINBOXの中にある!」という状態を作り出すことです。

10分、20分、30分と考えていくうちに、そろそろ尽きてきたかなと感じることがあるでしょう。でもまだまだ、収集を続けてください。収集の切り口として、「トリガーリスト」を上から見ていきましょう。あなたの忘れていることを思い出してくれるツールです。

あなたの担っている役割によって、トリガーリストに追記すべきことがまだまだあるはず。今後のGTDをよりスムーズに、より確実なものにするためにも、トリガーリストをカスタマイズしていきましょう。

最低でも1時間、収集し切ってください。他にまだないか、関連する事項はないか。頭の中から気になることのすべてを追い出した瞬間に、達成感や充実感、安堵感を得ることでしょう。

<注意事項>

  • パソコンやiPadなどのデジタルツールはまだ使いません(集中がそがれる可能性が高いため)
  • 次の「処理」とは明確に切り分けて考えましょう

 

2-2. 小さなタスクがみるみる片付く 「処理」のコツ

<必要なもの>

収集済みのINBOX、各種リスト、保留BOX、依頼BOX、あとでやるBOX

<所要時間>

1時間~3時間

収集の次は、処理です。これも最低でも1時間は確保してください。

<手順>

処理では、INBOXの内容を上から一個ずつ確認していき、フローチャートに沿って7つに分けていきます。INBOXから出したものは、必ず処理を終わらせます。INBOXに戻してはいけません。いくつかの質問によって、分類していきます。

質問1.行動を起こすべきか?

 Yesであれば、次の質問2.に移ります。
 Noであれば、以下の3つのうちのいずれかに分類します。

  • 行動は必要ないが、後で見直したいもの(資料)
  • 今は何もする必要がないけど、あとで行動する必要が出てくるかもしれないもの(保留BOX)
  • ただのゴミ。明確に「捨てる」(ゴミ箱)

 保留BOXのものは、次の「整理」でより明確にしていきます。

質問2.次のアクションは1つか?

 Yesであれば、次の質問3.に移ります。
 Noであれば、プロジェクトとして扱います。

 「気になること」に対する取るべき行動は、終わりの状態が明確でアクションが具体的になっていなければなりません。そうしないと、行動する段になってまた考えることが必要になってしまいます。今処理しているものの「どうなれば終わりか?」「具体的な行動は何か?」を明確にします。

終わりにするためのアクションが複数ある場合は、「プロジェクト」として扱うため、プロジェクトリストに入ります。(プロジェクトについては後述します)

質問3.2分で出来るか?

 Yesであれば、すぐに実行します。
 Noであれば、次の質問4.に移ります。

 行動が2分以内で済んでしまうなら、それを管理するために時間を割くより、単にやってしまうほうが早いため、すぐに実行します。この「2分ルール」がGTDの強力なところで、雑多なタスクが一気に片付きます。2分というのは目安で、3分・5分などとしても構いませんが、制限時間はキッチリ設けましょう。

質問4.自分でやるべきか?

 Yesであれば、「あとでやるBOX」に入れて処理を終わらせます。
 Noであれば、「依頼BOX」に入れて処理を終わらせます。

2分以上かかる行動は、極力自分のタスクを減らすように、誰かに任せることを考えましょう。「依頼BOX」にいったん入れて、「処理」を終わらせます。依頼できない、自分でやるべきものは、「あとでやるBOX」に入れ、「処理」が完了します。

これが終われば、またINBOXから次の1件を取り出し、このフローチャートに沿って分類します。

2-3. 使いたい形に加工する 「整理」のコツ

<必要なもの>

処理済みの各種リスト、「保留BOX」、「依頼BOX」、「あとでやるBOX」。各種ツール、

<所要時間>

1時間

整理は、処理と密接に連携しています。処理+整理で、INBOXが全てのカテゴリ分けが終わります。

<手順>

整理のステップではまず、処理の暫定的なBOXに入れたものをさらに分解します。それが終わったのち、リストを整理することを行います。

■「依頼BOX」の整理

ここには、誰かに依頼すると決めたものが入っています。実際に依頼し、「連絡待ちリスト」に入れます。もし、依頼するのに多くのアクションが必要な場合は、プロジェクトとして管理することをおススメします。

■「保留BOX」の整理

ここには、あとで行動する必要が出てくるかもしれないものが入っています。これらは基本的には、「いつかやるリスト」に入ります。現時点で判断が難しく、ある時期にもう一度見直したい・・・というものは、備忘録リストを作っておくという方法が有効です。

保留BOXを整理していて、やっぱり不要というものも出てきますので、その場合はゴミ箱に入れましょう。

■「あとでやるBOX」の整理

ここには、自分がやるべきもので2分以上かかるものが入っています。

特定の日にしかできない行動や、一定時期を待たないと行動できないものは、「カレンダー」に記入します。本当に「その日」に必要なことだけをカレンダーに書くことで、カレンダーがより有効なものとなります。

仕事の締め切りや、その日までに終わらせたいと思っているものはカレンダーには書きません。それ以外で、直近1ヶ月でやるものは「次に取るべき行動リスト」に入ります。このリストは、自分が行動する必要があり、なるべく早く実行する必要があるものが入ります。

1ヶ月より先にしてもいいものは、「いつかやる」リストに入れましょう。

■各種リストの整理

「整理」の後半では、各種リストを使える形にしていきます。ここからはパソコンや専用のアプリなどのツールを使ってOKです。特に管理すべきは「次に取るべき行動リスト」です。

「次に取るべき行動リスト」は、行動に必要な「状況」ごとに整理しておくのが効率的です。家で出来るのか、会社で出来るのか、電話を使うのか、パソコンを使うのかといった、道具の切り口だったり、買い物だったり、読むべき本だったり・・・状況毎にまとめるか、デジタルの場合は項目にタグ付けするなどして、同じ状況のものを一覧化できるようにしておくとよいでしょう。

次に取るべき行動リストに加えて、連絡待ちリスト、いつかやるリストは、週次レビューの際に必ずチェックします。キッチリ分けて管理しましょう。あなたの使いやすい状態にすることが必要です。

■プロジェクトについて

GTDの処理のなかで、複数の行動が必要なものをプロジェクトと定義するとお伝えしました。プロジェクトについて、もう少し詳しくお伝えします。

例えば、「両親と食事に行く」という「気になること」があった場合、終わりの状態(=得たい結果)と具体的な行動が異なることがあります。行動は例えば・・・

  • 両親に電話してスケジュールを決める
  • お店を調べる
  • お店を予約する
  • 両親にプレゼントを買う
  • 実際に食事に行く

のような感じです。

行動はこのひとつひとつですが、その全体を見通すためにこれら一連をまとめるものが「プロジェクト」です。プロジェクトは、どうなったら完了となるのか、終わりの状態も明確にします。この場合であれば、「感謝を伝え、良好な関係を築く」という具合です。

「プロジェクト」をリスト化したのが、プロジェクトリストです。単にプロジェクトのタイトルを書いておくものと言い換えてもいいですね。

プロジェクトの中には、必ずひとつ以上の具体的な行動がある状態にしておき、停滞することを防ぎます。直近の行動であれば、「次に取るべき行動リスト」に移して、具体的な行動はそちらで管理します。

2-4. 日々最新の状態に保つ「レビュー」のやり方

<必要なもの>

処理済みの各種リスト、付箋・メモ用紙、ペン、トリガーリスト

<所要時間>

日次レビュー:15分~30分、週次レビュー:1時間~3時間

収集~整理が、GTDのプロセスを回すためのシステム作りだとすれば、レビューはGTDシステムを維持するためのステップです。ここまでの手順で正確にリストを作ったとしても、日々更新されなければ「使えないリスト」になってしまいます。レビューのステップでは、リストを見直していきます。

<手順>

レビューには3つの種類があります。「日次レビュー」「週次レビュー」「定期レビュー」です。

■日次レビュー

一日の終わりに、一日の活動の中で動いたGTDの仕組みをメンテナンスするのが日次レビューです。このメンテナンスがあるからこそ、GTDがいつでも快適に使えるタスク管理システムとなるのです。やることは2つです。

  1. INBOXの処理・整理:新たにやろうと思ったことや、新たなタスクがINBOXに入ってきます。これを処理~整理します。
  2. 各種リストの更新:実施してタスクを消化したもののリストからの削除や、次の取るべき行動リストを最新化します。カレンダーに記録しておいた、特定の日にやるべきことも、ここで確認できます。
■週次レビュー

残っている行動やプロジェクトなどを再確認するのが週次レビューです。優先順位に変動があったり、「いつかやるリスト」の中から「次に取るべき行動リスト」に移したり、「プロジェクト」に移したり。次の1週間のために、自分のタスク・プロジェクトを棚卸します。

■定期レビュー

日々の行動単位ではなく、3か月、半年、1年といったスパンで、自分の人生を見直します。人生の目的やゴールなど、いつもの自分よりも「一つ上の視点」で見て、人生の向かうべき方向を確認し、必要があれば修正していきます。

いつかやるリストを眺めて、そのイメージを膨らませたり、やりたいことを追加していったりします。

2-5. 事前に決めた行動を忠実に行う 「実行」のポイント

<必要なもの>

次に取るべき行動リスト

GTDのプロセスの中で明確になった行動リストをもとに、実行に移してタスクを消化させます。

このときは、リストの上から順に実行するわけではありません。パソコンを使えるのか、電話を使えるのか、カフェにいるのか、オフィスにいるのか、使える時間は5分なのか、30分なのか。そのときどきの「状況」「道具」「人」「使える時間」によって、どのタスクを実行すべきなのかを判断して実行します。

ですので、「次に取るべき行動リスト」を作ったときに、これらの情報を付加して、状況毎に絞れるようにしておいた方がよいです。パソコンやスマホを使ってGTDを実践するのが今は一般的だと思いますので、自分に合った使えるツールを選んでください。

3.GTDをさらに効果的にするための応用ポイント5つ

3-1. まずは不完全でも始めてみよう

GTDがどんな方法か分かった、メリットも理解できた。それならまずは一通りのステップを始めてみましょう。やってみることで初めて疑問に思ったり、分からなかったことに気づいたりするのです。

特に処理やレビューのステップで、「これでいいのかな?」と感じるときがあるかもしれませんが、あなたの管理システムですから、あなたが納得できていればそれで大丈夫です。もっと効率を上げたいとなったら、4章でご紹介する書籍などをおススメします。まず、始めましょう。

手帳を開き、自由に使える日の午前中の2時間を「GTD 収集」としてスケジュールを埋めてしまいましょう。

3-2. 収集と処理は明確に分ける

やることを頭の外に出す「収集」とそれを一つずつ見ていく「処理」は、明確に分けましょう。一緒にやってはダメです。

収集して何かに気づいたらすぐに誰かにメール・・・とか打ちたくなってしまいますが、それをやってしまうといつまでたっても収集が終わらないという状態になります。脳の使い方が全く異なるステップなので、効率も悪いです。

まるで掃除しているのに高校時代のアルバムを見つけて、思い出に浸って掃除が捗らないようなものです。今は収集の時間、今は処理の時間、明確に分けましょう。

同様に、処理を始めると「あ、こんなこともあったよな」と、他のことを思いつくこともありますが、それは収集が不十分な証拠です。関連した項目をもう一度収集し直すことをおススメします。

3-3. 集中力を発揮しよう

収集・処理・レビューは、特に集中力が必要になります。しかし、人間の集中力には限界があります。ぶっ続けでやってしまうと、判断が雑になり、能率も下がり、余計な時間がかかります。

大切な作業で、時間のかかるものであると認識し、高い集中力を継続できるように取り組みましょう。集中力については、こちらの記事に詳細を記載していますので、併せてお読みください。

3-4. 常に収集する仕組みを持ち歩こう

生活している中で、常に何かしらの新たな課題ややりたいことが見つかります。その「一瞬思ったこと」を忘れずに書き留める習慣を身につけましょう。スマホや手帳など、必ず持ち歩くものにメモする癖をつけておくとよいです。この習慣を身に付けることができれば、日次レビューがラクになり、かつ精度が高くなるのでGTDがより効果を発揮するのです。

3-5. レビューを行うタイミングを決めよう

日次レビュー、週次レビューのタイミングを決めましょう。お風呂に入る前の15分は日次レビュー、とか、土曜日の午前中の2時間は週次レビュー、とか。同じタイミングでレビューがなされるという仕組みがあれば、GTDに完全に身をゆだねることができるようになります。

レビューのタイミングを決めたら、スケジュール帳に書き込み、他の予定が入らないようにブロックします。これで、あなたのGTDシステムのメンテナンスは保証されたようなものです。

4.GTDの解説本紹介

より詳しく知りたいという方に向けて、GTDの解説本をご紹介します。

■はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

GTDの入門書ならこれで間違いありません。名著で、概念・方法論共にわかりやすく書いてあります。この1冊で個人的には十分ですが、さらに理解を深めたい、応用したい方には以下の本もおススメします。

 

■ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則

GTDを知っている人が、実際の仕事にGTDを適用するのに向いた本です。

 

■ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編――仕事というゲームと人生というビジネスに勝利する方法

こちらもGTDを知っている人が、実際の仕事にGTDを適用するのに向いた本です。特にチーム全体でGTDを行うことで、さらに大きなメリットが得られます。

おわりに

GTDは、最初の「収集」「処理」さえクリアえしてしまえば、あとは定期的な作業になります。その最初のステップが踏めるかどうか、ここが最大の鍵です。

冒頭にもお伝えしたとおり、人間の記憶はあいまいで、覚えていたいことも忘れてしまいますし、必要のないときに必要のないことを急に思い出してしまうものです。そんなあいまいさに振り回されることなく、自分で自分を管理していきませんか。

そして、そんな便利な道具であるGTDシステムを、メンテナンスの行き届いたものにするために、日次レビューや週次レビューをしていきましょう。

2か月後のあなたは、今のあなたの生産性の何倍にもなっていることでしょう。

The following two tabs change content below.
佐藤 友康

佐藤 友康

マーケティングコーチ 千葉大学工学部卒業後、IT企業にて10年間、商社向けの基幹システムの運用/保守・改善業務に携わる。 2012年にコーチングを学び始め、2014年よりコーチとしての活動を開始、2017年に独立し、個人事業主・起業家の売上UP・web集客などを支援する。 コンラボには2016年よりライターとして、2018年より社内コーチとして参画。 著書に「習慣化を成功させる本」「自分と可能性を育てるチャレンジの習慣」がある。 趣味の将棋はアマ三段&将棋普及指導員。

無料メールマガジン登録