身近なところや意見の集約・整理から導き出すアイデア
自分の特徴と事業の特性から生み出されるアイデア
アイデアというのは、誰にでも生み出すことができるものです。量や質の違いはあれど、全くアイデアを思い浮かべることができない人はいないでしょう。アイデアが出てこない人は、それに対するアプローチを行っていないだけと考えられます。
そのアプローチを「自分」と「事業」の2つに分けながら考えてみましょう。
まずは「自分」から。これが最も身近なアイデアを引き出すきっかけとなり、そしてこれは、誰でもできることのはずです。
自分の中にある5つの感情や所有物について考えてみてください。「不便・困惑」、「感動・感激」、「趣味・嗜好」、「経験・専門」、そして「持物・資産」の5つです。
これらを1つずつ具体的に考え込んでいくことでも、いくつもアイデアは自分の中から引き出されてくるでしょう。
例えば、最初の「不便・困惑」で言えば、日々の生活の中で不便に感じることは何だろうと考えることで、いくつもそれが出てくるはず。では、その不便に感じることを解決するためにはどうすればいいのか、これを突き詰めていくと、新しいアイデアにぶつかることができるかもしれません。
一例を挙げれば、世の中に出回っている文房具のハサミは、すべて右利き用にできています。左利きの人は日々の生活の中でそれに不便さや不満を抱いているわけです。「よし、自分が左利き用のハサミを作ってやろう!」と思いつくことができれば、それが1つのアイデアとなるわけです。
そこから派生していき、左利き用品の開発・販売事業を立ち上げることもできるかもしれません。自分で商品を作ることはできなくても、「左利きの人のための通販サイト」を立ち上げることはできるでしょう。
事業に分類される、アイデアの元となる5つのものは、「導入・合体」、「分離・分割」、「蘇生・復活」、「変更・転用」、「輸入・輸出」です。
これも、上で紹介した自分に関する5つの項目と基本的には変わりません。
例えば「導入・合体」は、すでに存在している2つの要素を組み合わせることで新しい価値観を生み出すこと。商品で言えば、スリッパとモップを合体させ、部屋の中で歩きながら掃除をしてしまおうという発想がこれに当たります。
「輸入・輸出」は、海外や他地域、他業種の商品や文化を取り入れて新たな価値観を提供すること。日本にはまだ存在していない左利き用の製品が海外にはあるかもしれません。
このように、自分や事業を細分化し幾つかの項目に分け、それを掘り下げていくことで、アイデアにたどり着きやすくなります。できれば、それらを複数組合わせ新たなアイデアを生み出したいところです。
知っておきたいアイデアの出し方
上で紹介したアイデアの出し方や、それへのたどり着き方は、基本的には自分1人で行うものです。
他に1人で行えるアイデアの抽出法としては、「KJ法」と呼ばれるものがあります。
これは、飲食や家電など個別のテーマを決定し、それに関連するものをできる限り出し尽くした後で、その出てきたものの中で似た性質を持つもの同士をまとめ、そうして出来上がった複数のまとまりの相関性を見出すという方法です。
これを行うことで、1つの事業の形や社会のニーズなどが見えてくることがあります。それをアイデアとして昇華させることができれば、他とは異なる事業を始めるための糸口が見つかるかもしれません。
1人ではなく、何人かの人を集めて行うアイデアの抽出法もあります。例えば、「ブレーンストーミング法」。
これは、あるテーマに関して、その場にいる複数人に次々と関連するワードを挙げてもらうというやり方をとります。1人や2人では決して思い浮かばないワードも出てくるでしょう。
アイデアそのものではなく、あくまでもワードを中心に発してもらうというのが特徴です。もちろん文章でも構いませんが、できるだけ簡潔に発してもらった方が、後で整理しやすいでしょう。
それらのワードを集約することでアイデアを導き出し、事業に反映することができます。
もう一つ、「ゴードン法」と呼ばれるものも試してみる価値があるかもしれません。
ブラーンストーミング法が、非常に狭いテーマを与えたのに対し、ゴードン法は、それよりも広いテーマを与え、同じようにワードを挙げてもらったり話し合いを行ってもらいます。
話し合いを行う人たちは、その狭いテーマを知る必要はありません。価値観を固定しないよう敢えて広いテーマで話し合ってもらうことで、そこから出てきた新しいアイデアをその狭い領域に落とし込むことが可能となるのです。
こうした手法も用いながらアイデアと出会う努力をしましょう。
コンラボ編集部
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