スピリチュアルで集客は可能なのか?

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「集客」という言葉を辞書で意味を調べてみると、その名の通り「客を集めること。また、客が集まること。」とあります。では客を集めること、その目的はなんでしょうか?それは、あなたが提供する商品・サービスに興味を持ってもらい、注目してもらって、最終的には利用・購入してもらうためです。

今の世の中は、さまざまな情報が氾濫していて、景気も個人レベルの実感としては良くありません。(株価は好調を維持していますが)人々のお財布のひもはまだまだ固く、マス広告は信用されなくなってきている社会です。そんな中、「興味がある人」を集めて、信頼関係を構築しなければ、商品・サービスの利用・購入にはつながっていきません。

一方で21世紀は精神世界の時代といわれ、スピリチュアル系のさまざまな職業がマスコミなどで取り上げられています。スピリチュアルで集客は可能なのか?その可能性について少し考えてみたいと思います。

 そもそもスピリチュアルって何?

「スピリチュアル」という言葉は、もはや一般用語といってもいいくらいに、多くの人に受け入れられている言葉になっています。雑誌やテレビでも普通に使用されますし、そういった特集もよく見かけます。しかし、そもそもはどういう意味の言葉なのでしょうか?

もともとの意味は「精神的な」「霊的な」「聖霊の」という形容詞です。広い意味でいえば「見えないもの」「カルマ・輪廻」などの哲学や宗教をも含んだ、潜在意識・自己啓発に関することで、科学がまだ答えを準備していない領域を一手に引き受けているのが、「スピリチュアル」です。ここ最近、このような、あいまいな言葉が集客、広くいえばマーケティングに利用されることが多くなってきています。それは何故なのでしょうか。

スピリチュアルとビジネス

ネットで、「スピリチュアル」関連の検索ワードにかなり人がたくさん集まっています。
例えば、「引き寄せの法則」や「潜在意識」などの言葉はかなりの検索数があります。(ちなみに「引き寄せの法則」で検索すると実に49万件もの文章がヒットしました。)そして、スピリチュアル関連で検索をかける人たちは、総じて、「意識レベルの高い人たち」といわれています。具体的には、自己成長に対して前向きで、健康に対して積極的にお金をつかったり、スキルアップへの自己投資を惜しまなかったりといった行動を積極的に実践している人々です。

このような「意識レベルの高い人たち」へのビジネスにおいて「スピリチュアル」は多く用いられています。実際のビジネスとしては、古くは占い、今でいうヒーリングやカウンセリング、コーチングなどが挙げられます。LOHASや最近の「マインドフルネス」関連ビジネスもよく目にします。また、書籍においても「スピリチュアル系ビジネス書」が多く出版されています。その内容は「人間力を高める」「夢は実現する」などといった自己啓発書および成功哲学関連のものが多く見られます。

スピリチュアル系ビジネスの集客術を考える

スピリチュアル関連で仕事をしている人は推定1万人といわれております。特に最近ではコーチングやカウンセリング関連が伸びてきており引き続きの成長が予測されています。その中には集客に成功している方もいれば、失敗している方も多くおられます。失敗のケースの多くは、どこか胡散臭いと感じてしまうことです。そこに共通している点は次の通りです。

・自分本位になっている
・ターゲットのことを分かっていない
・抑えどころがズレている
・意味が分からない
・言葉が抽象的過ぎる

逆に成功しているケースはそこに、人を感動させることができる、共感できる何かが存在しているのです。顧客は「信頼」できる対象を求めています。自分に関わることでどう変わるのかを明確にイメージできることが大切です。そうすることで、サービス内容を色々伝えなくても、自分が変われるイメージが伝わるのです。

「コトラーのマーケティング3.0」からスピリチュアルを考える

現代マーケティングの第一人者として知られるコトラー博士は、マーケティング3.0を提唱し、それはスピリチュアルマーケティングだとその著書で語っています。コトラーによれば、スピリチュアルマーケティングとは「より人間らしい生き方」や「創造的な生活」を目指している人々へのアプローチを指す言葉です。そしてそれは幸福や生きる意味などといった、より精神的な価値(=スピリチュアルな価値)に焦点を当てたより高次のマーケティングの概念なのです。

さらにコトラーは、「クリエイティブな時代、人々が自己実現欲求に生きる時代の到来に対応している」とも述べています。そしてこのことを「マインドとハートと精神(=スピリット)」という3つの言葉をつかっています。(参考までに、コトラー博士は最近、さらに進んでマーケティング4.0を提唱しています。)

コトラーの提唱する「スピリチュアルマーケティング」はスピリチュアルとは何なのか、そしてスピリチュアルで集客するとはどういうことなのかを考える上で非常に参考となる示唆に富んだものいうことができるのではないでしょうか。

スピリチュアルで集客するには

「スピリチュアル」的な訴求は現代において幸福や生きる意味などといった、より精神的な価値に重きをおく所謂「意識レベルの高い人たち」へのビジネスにおいて効果的ということができます。しかしその内容は形の見えないあいまいなものではなく、お互いの「信頼」を前提としたアプローチ方法として心掛けなければなりません。そしてあなたが提供する商品・サービスが顧客のスピリット=精神、魂・存在のレベルでどのような新たな価値が実現されるかを明確にイメージできるように伝えられるものでなければなりません。

「精神的な」「霊的な」「聖霊の」といった本来の意味での「スピリチュアル」というあいまいな訴求では決して効果的な集客にはつながらないということです。今、あなたが考える集客方法をもう一度、以下の視点でチェックしてみてください。

・顧客(ターゲット)は誰なのか意識していますか?
・自分本位の主張になっていませんか?
・抑えどころはズレていませんか?
・言葉が抽象的になっていませんか?
・意味が分からない表現をつかっていませんか?
・相手に伝えることを第一に考えていますか?

スピリチュアルで集客する場合もマーケティングの視点は大事だということです。

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