コンサルタントで独立するための5つの要素
「コンサルタントとして独立したいけれど、なにが必要なのかわからない」「コンサルタントの独立ってお金がかからないっていうけれど、誰でもできるの?」と思っていませんか。
独立や起業というと、優れた一部の人しかできない、とてもむずかしい世界というイメージがあって尻込みしてしまいますよね。今回は、コンサルティング業で独立するために必要な要素を5つに分けて解説していきます。ぜひ自分に当てはめながらご覧ください。
独立するための要素①コンサルタントとしての適性を知る
コンサルタントとして最も重要なのは、他人のメリットを最大限に高めることに注力できるかどうかです。「社会貢献」という言葉で表す人も多いですが、自分のためになにかをしたいという人には向いていない職業だといえます。
コンサルタントの基礎となる経営方法は、目まぐるしく変化する時代に大きく影響を受けています。変化するニーズに合わせて戦略を練ることができるかどうかで、コンサルタントとしての成功が左右されることでしょう。そのため、変化する考え方や仕組みを知り、知識のアップデートを常に行うことが必要です。
また、肉体的・体力的にみても、独立したコンサルタントは仕入れた知識をフルに活用できるスキルが伴っていないと成立しません。自分の能力を最大限に発揮できるような体づくりやスキルアップの積み重ねが大切です。
そして自分ひとりで仕事をするということは、自分の言動にアドバイスをくれる人がいなくなるということです。ただ闇雲に仕事をこなすだけでは、大きな成長が見込めません。
こまめに目標を明確にしたり達成度をチェックしたりするなど、ひとりでも向上心を持って、自分からすすんで行動できる人でないと独立は厳しいでしょう。「すべて自分ひとりでやるんだ!」という精神も大切ですが、ときには誰かにアドバイスを求めたり、勉強させてもらうという意識も持ちたいですね。
これらすべてはコンサルタントとして、クライアントのニーズを的確につかみ、改善点を見つけ出して実践させるためになくてはならない要素です。
独立するための要素②自分自身、なにを提供できるか考える
日本のコンサルティング業界の市場規模は、1,800億円~3,000億円程度となっていますが、この数年で業界規模や伸び率は大きく上昇しており、これからも成長を続ける分野であることは間違いないでしょう。
起業・独立に資格もいらない、資金も少なくて済む、ひとりで開業するなら人件費もかからないということで参入しやすい分、競合性も高まります。競合が多いためにコンサルタント業界は厳しく、コンサルティング業のみで生計を立てている人は全体の数パーセントほどとなっています。
そのような競争率の高い世界で生き残るには、自分自身の強みを最大限に伸ばし、自分が提供できる価値を見極めることが必要になってきます。
コンサルタントというと人事・財務・IT・戦略などを思い浮かべるかもしれませんが、自分の専門性を活かしたコンサルタントとして、健康コンサルタント、化粧品コンサルタント、農業コンサルタントという、聞き慣れない専門家も多く存在します。
以上のような例をみれば、自分の高い専門性を活かせば誰でもコンサルタントと名乗ることが可能だといえます。そこに必要なのは、自分がなにを提供できるかを見極めて差別化をはかり、専門性の高さを示すことでニッチな客層を取り込んで顧客を増やすことです。
独立するための要素③独立するための必要資金を確保する
コンサルタントとして独立するために、多くの資金は必要ないと考える人も多いかもしれません。たしかに、自宅を事務所にしてプライベートの電話番号でクライアントとやり取りすれば、大きくお金をかけずに起業することも可能です。
コンサルタントはクライアントとの信頼関係がとても大事です。独立にあたって、できる限りお金をかけたくないという場合でも、プライベートとは別の電話番号を持ったり、事務所を借りるか生活音が聞こえないように区切られた自宅の一室を用意したりといった工夫が必要です。
それ以外にもクライアントが見つからない場合や、収入に波がある場合が予想されるので、起業ときにかかる資金×3年を目安に用意するのが一般的です。起業後は自分ひとりで業務を行うとして、自分ひとりの生活費が人件費となり、固定費の一部として見積もることができますので、参考にしてみてください。
独立するための要素④コンサルするための専門知識を得る
コンサルタントを行う専門分野に精通するのはもちろんのこと、経営や経理の基本も身につけなくてはいけません。コンサルティングの資格として「中小企業診断士」を例にとると、この資格取得に必要な部門は、経営基本管理・財務管理・販売管理・労務管理に大きく分けられます。これはほんの一例ですが、自分の専門分野に加えてコンサルティングに必要な基礎として学ぶべき知識もあるということです。
コンサルティングの対象の多くが一般企業である以上、一通り知っておくことでクライアントとの理解をスムーズにし、よりクオリティの高い仕事につなげることができるでしょう。
独立するための要素⑤事業計画書をしっかりつくること
事業計画がなければ独立できないのかと問われると、そうではありません。しかしそれは、地図やホテルの予約なしで旅行に出かけるのと同じことです。経営の目的・目標を明確にしないままだと、なにをなんのためにしているのかわからなくなってしまいます。行き当たりばったりの経営では、間違った道に進んでいることも分からなければ、間違った道をどう修正すればいいのかも分かりません。
融資を受ける・受けないにかかわらず、きちんと自分の起業の目的と進むべき道を明確にするためにも、事業計画書は欠かせないものです。
まとめ
今回はコンサルティングとして独立・起業するために必要な要素を、5つに分けて解説してきました。まとめるとこのようになります。
- コンサルタントとしての適正を知る
- 自分自身がなにをできるのか理解し、価値を見極める
- 独立に必要な金額+仕事が軌道にのるまでの費用を確保する
- コンサルタントとしての専門知識と一般知識を得る
- 事業計画書をつくり、目的・方針を明確にする
コンサルタントとして起業したいのなら、コンサルティングの定義を広く見直して、自分が提供できる価値を見極めることがポイントです。「経営者」というターゲットをやめることで業界の中での差別化をはかり、仕事や起業もしやすくなるはずです。コンサルタントの起業自体はむずかしいものではありませんが、うまく起動に乗せるのはむずかしいのが現実でしょう。コンサルタントとして独立するためのチェックポイントとして参考にしていただければ幸いです。
コンラボ編集部
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