事業計画書の具体的な作成方法

事業計画書とは、紙1枚にまとめられたものというイメージを持っていないでしょうか？
事業規模にもよりますが、通常の事業計画書は紙切れ1枚ではなく、完成後は冊子にようになります。もしすでに作成している事業計画書が、紙1枚の場合はもう一度作り直す必要があるでしょう。

事業計画書を作るうえで常に意識をしていなければならないのは、簡潔、平易、明瞭であるという点です。ありがちな事業計画書の失敗は、自分はよく検討して計画書を作成しているため内容を理解していますが、初めて見る人にとって非常に分かりにくいというものです。

事業計画書は、事業に関係する全ての人が見ても簡単に理解できるようなものでなければなりません。特に重要となるのは、出資者がいる場合は出資者が理解できるような事業計画書でなければならないということです。

読んで分からないような事業に出資をしたいと考える人はいません。ですから事業計画書を作る時には、簡潔、平易、明瞭という3点を常に意識するようにしましょう。

平易であるという事は専門的な言葉をなるべく使わないという意味にもなります。
専門的な知識を持っている人の中には、意識なく専門的な言葉をたくさん使ってしまう方もいます。

または好印象を与えよう、専門性を出そうと、専門的な言葉や英語を並べてしまう方もいます。こうなると平易さは完全に失われてしまい、自己満足タイプの事業計画書が出来上がってしまいます。

また相応しい量の参考資料は、事業計画書に説得力を与えるものになりますが、多すぎるならエッセンスの役割を超えてしまい、内容を複雑にしてしまうだけになりますので注意しましょう。

先ほど事業計画書を作成する際には、8つの項目を含めるべきである事を確認しました。
「計画する事業の名前」「事業の内容」「行う事業の市場環境」「同じ業種や業態と比較しての優位性」「市場へのアクセス方法」「事業の経営方法」「発生が予期されるリスクやトラブルと解決策」「資金調達方法」という項目です。

この項目の中に具体的な内容を記述していくことになりますが、簡単に言うとどのような内容になるのでしょうか？

分かり易い事業名、商品名、サービス名を決め、事業名を見てすぐに内容を把握できるようにします。

サービスや商品の内容についての説明、事業の業種や業態についても明瞭に説明しなければなりません。

市場環境には市場の規模がどれくらいあるのか、市場の成長スピードや拡大の可能性、市場の特徴、競合レベルなどをデータに基づいてまとめていきます。内容はポジティブかつ現実的で明瞭でなければなりません。

競合商品やサービスと比較して品質や性能やサービスの質などはどうなっているのかを記載します。加えて競合商品と比べてコスト面での優位性、サービスを提供する立地の優位性、また必要な特許や契約内容についてもまとめる必要があります。

市場の平均的な価格と検討している価格設定の関係と理由、どのように販売を行っていくのか、流通をどのように行うのか、どのように宣伝を行なっていくのかを詳しくまとめる必要があります。

事業を行っていくうえで必要となる、原材料の仕入れや生産コスト、販売に必要な人員や事全体の組織計画、今後の成長戦略、商品や製品の生産、発表、販売などをタイムスケジュール形式でまとめていきます。

商品やサービスを生産、販売した時に予期できるトラブルやリスクを、少しでも詳しく記載しなければなりません。それと同時に全てのリスクやトラブルに対する解決方法を、現実的に簡潔にまとめていきます。

まず記載する必要があるのは、事業が始まった場合の収支予測です。年度の売上高とその後の売上高、商品の原価の推移予測、経費を分かりやすくまとめます。事業経営を行うために必要な経費、つまり物件、設備投資金、原材料仕入金、毎月の運転資金などを明瞭にします。

最後に資金調達方法について記載しますが、自己資金、調達予定資金、出資金、借入金額などの情報を正直に記載します。

簡単に説明すると事業計画書には以上のような情報が含まれることになります。
内容を見るだけでも、完成する計画書が複雑になりそうだということに気付かれると思います。

ですから計画書を作る時には、明瞭、平易、簡潔という3点を常に意識しながらまとめるようにしましょう。

特に重要になる部分では根拠となるデータを活用していくことで、読み手に説得力を感じさせることになります。但しデータを文字にしてまとめるのではなく、グラフや表にまとめることで分かりやすくする工夫も必要です。

他人が読むために計画書を作るという意識が重要になります。

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