事業計画を立てるときに必要不可欠な要素とは

事業計画で必要な「6S」と「6W2H」

独立し事業をスタートさせるためには、基本的な流れに沿って進めていくことが求められます。正確に言えば、流れを無視してスタートさせた事業は、間も無く業績が悪化するなど問題に直面することになるでしょう。
どのような事業を行うにしても、その計画の中で把握しておかなければならないのが「6S」、そして整理しておかなければならないのが、「6W2H」と表現されるもの。

「6S」とは、信念、市場、商品、資金、仕組み、支援の6つの要素のこと。そして、この「6S」を具体的に把握する上で整理しておく必要があるのが「6W2H」なのですが、これは、「Why?」、「What？」、「Where? Whom?」、「How to?」、「When」、「Who?」、「How much?」のことを指しています。

まず考えなければならないのは、「Why?」の部分でしょう。なぜその事業を行おうと思ったのか、これは「6S」の信念に該当し、これがあることで取り扱う商品やサービス、あるいは目標や将来なども明確化しやすくなります。問題を乗り越えるための原動力にもなってくれるでしょう。

そして、「What?」の部分、つまり、何を消費者に提供するのか、その商品やサービスを具体的に考えていきます。その後に「Where? Whom?」を考えることで顧客層や市場などの絞り込みに繋がり、商品・サービス、あるいはその展開方法などが見出しやすくなるはずです。

この流れは特に「動機先行型」と呼ばれ、その逆に、最初に顧客層や市場を絞り込み、その後で商品やサービスを見出していく流れを「根拠先行型」と呼ぶことがあります。どちらでも構いませんが、いずれにしても、これらの要素を無視して事業を進めていくことはできません。

事業計画は、もし途中で悩みや問題が生じても、再び「Why?」の部分へ戻ることで、ある程度のことは解決可能です。逆に、それがしっかりとしていなければ、いくら計画を進めていっても途中で頓挫しかねないと言えるでしょう。
事業を進めていく時には、この「なぜ、その事業を行おうと思ったのか」について、とことん考えるようにしてください。それがすべての基本となり、時に指針となってくれるはずです。

最も重要なのは「How to？」

「6W2H」の中で根幹を成すのは、「How to?」の部分。もちろん「Why?」があってこそですが、「どうやって？どのように事業を展開していくのか？」という点は事業の成否を左右する非常に重要な部分となります。
「Why?」や「What?」、「Where? Whom?」も「How to?」へと繋がり、そして、そこから「When?」、「Who?」、「How much?」へと繋がっていくからです。

「How to?」は、まさにオリジナリティの部分。取り扱う商品やサービスの特徴を消費者に提供するために考えるべき要素となるため、この点が疎かになれば、事業の成功は見えてこないでしょう。

商品やサービスが同じであっても、あるいは既存のものと似通っていても、「How to?」が他と差別化されていれば、注目を集めることができます。
店舗を持つのか、それとも無店舗型の通販形態で販売するのか、移動型店舗という選択肢もあるかもしれません。ネーミングも重要でしょう。これまでとは異なる使い方の提案も商品の売り上げに関わる一つの工夫となるはずです。
これらが「How to?」に該当し、個性ある事業へと発展するきっかけとなるのです。

最後に考えるべきは、いつ動き出すのか、いつ資金を投入するのかなどの「When?」、その資金をどうやって調達するのか、また、売上や収支などの目処を考える「How much?」、そして、それらを誰が行うのかの「Who?」の3つ。

お金は事業を行うときに必ず必要になるもの。ここの見通しをしっかりと立てておくことで、事業に継続性が生まれます。できるだけ具体的に、そして現実的に考えておく必要があるでしょう。また、1人で行うのか、それとも誰かを雇うのか、この点も事業を進めていく上で重要な点となりますから、計画にマッチした人材を確保しておかなければいけません。

そしてそれらは、やはり、「How to?」が明確になっていることで導き出されるものなのです。

事業は、このような流れで進められていくもの。どれか1つでも欠けていれば失敗しますし、仮に上手くスタートさせることができたとしても、継続性はありません。
厄介なのは、実際に始めてみないと、上で挙げたいくつもの要素のどこに問題があったのか、あるいはなかったのかが見えにくいこと。トラブルが起こった時に振り返ることができるよう、すべての要素を具体的に書き留め、事業計画を立てておくことをおすすめします。