コンサル型ビジネスで起業する人が特に陥りやすい3つの失敗
起業の失敗には様々な理由があります。中でも、大きな初期投資や、人件費・家賃等による経営の圧迫、ブームに乗って拡大した事業の落ち込み等、見通しの甘さや資金繰りが原因での失敗は、ダメージが大きいのではないでしょうか。
一方で、自分の知識やスキルをもとに起業する「コンサル型ビジネス」(各種コンサルタント・セラピスト・コーチ・士業等)であれば、
=まとまった開業・経営資金が不要(大きなリスクとは無縁)
=経費がほぼ発生しないため、利益率も高い
=身軽さゆえ、状況に応じた柔軟なビジネス展開ができる
といったメリットがあり、この分野の起業を考える人も多いはずです。弊社も、まさにその「コンサル型ビジネス」における独立起業支援をビジネスの中心とし、多数の実績を上げてきました。
しかし、当然のことですが、借金地獄のような大失敗の可能性が低いからと言って、成功するとは限りません。地道に小さく始める分、ある程度の売上が立つには時間がかかりますし、小規模特有の様々な戦略も必要となります。結果、軌道に乗るまでの間に、生活に支障が出たり、モチベーションが萎えてしまったりと、撤退する人も多くいるのが現状です。
そこで、この記事では、失敗するコンサル型ビジネスの経営者が、特に抜け落ちやすい3つの視点をお伝えしていきます。せっかくリスクの低いコンサル型ビジネスなのですから、よくある失敗に陥ることなく、ビジネスを上手に軌道に乗せませんか?それでは、早速ご覧ください。
目次
1、失敗パターン①:「やりたいこと」と「できること」の乖離
1−1、「やりたいこと」と「できること」の重なりを探れ!
まず、あなたに確認したい最初の視点は、
というものです。
実際、このような相談がよくあります。
「コーチングの資格を取ったので、これをきっかけにコーチとして独立したいと思います。どうしたら良いでしょうか?」
といった内容です。そして、このような場合、よくよく話を伺っていくと、夢や理想、熱意に押され、これまでの経歴や経験とは、まったくかけ離れたビジネスを始めようとしているケースが多くあります。
確かに、新しいスキルやアイディアと出会い、感動や衝撃を受け、それをビジネスにしたい、世にもっと広めたいという想いは、起業にとって大切な原動力です。しかし、いくら資格を取ったり、勉強をしたりしたとはいえ、それだけで成功するほど、世の中は甘くありません。
これまでの経験や履歴を全て脇に置き、新たなスキルやアイディアだけを元に勝負することになると、説得力も乏しい上、ビジネスの深みや広がりも薄くなります。また、過去の経験則や勘も活かしにくいため、心許ない手探りの運営になるでしょう。それでは、成功への道はますます厳しくなります。しかも、コーチングのように、その資格を持っている人が他にも多数いるとしたら、その中で独立して生き残るのは、考える以上に至難の技なのです。
そこで、おすすめしているのは、
ということです。
これだけでは、抽象的で分かりづらいと思いますので、このやり方で堅実に夢を実現した一つの事例をご紹介しましょう。
1−2、弊社クライアント:Nさんの場合
Nさんは、元々、IT企業でエンジニアとして勤めていましたが、もっとクライアントと直にやり取りができ、その成功をサポートできる「コンサルタント」としての独立に夢を持ちました。
Nさんの強みは、もちろん、技術者レベルでITに詳しいこと。そして、物事を論理立ててわかりやすく説明できる誠実な印象も強みでした。しかし、それまでは、打合せに同席する程度で、直接的なコンサルティングの経験はありません。
そこで、まずNさんは、自分自身のITスキルを存分に活かし、過去の人脈を辿って、WEBサイト制作を請け負うビジネスを始めます。ボチボチ入る仕事に、真摯に打ち込んだ結果、制作したサイトの好評が続き、自信が付いてきたNさん。そこで、少し手を広げて、自身のWEBサイト構築法を紹介するセミナーを開き始めました。そして、セミナーの回数を重ねる中で、お客様から上がった質問や意見を地道に取り入れたり、不足部分は自身で勉強したりする等、内容をブラッシュアップしたところ、単なるWEB制作ではなく、「集客ができるWEBサイトの作り方」というスキルが身についていったのです。
その結果、最終的にNさんは、セミナーの参加者やその紹介先から、WEB全般や集客についての相談を受けるようになり、それに応える形で「コンサルタント」としての仕事を増やしていったのでした。
このNさんのWEBサイト制作ように、まずはあなたも、自分の「できること」を有効活用しつつ、「やりたいこと」に近づくポイントがないか探してみましょう。そして、そこから堅実にビジネスをスタートさせてみてください。もちろん、当初の段階では、いきなり独立ではなく、勤めながらでも構いません。少しずつ、「できること」から段階を踏むのです。
1−3、冷静な事業判断の訓練
ただ、今お伝えしたやり方の場合、もしかすると当初は、もどかしい思いを抱くかもしれません。なぜなら、「やりたいこと」のストライクゾーンとは、少しズレることがあるためです。
しかし、起業したての未熟な状態で、一気に本命へ飛び込むことで、いきなり夢破れてしまったり、上手くいかずにせっかくのモチベーションが沈んだりするよりは、堅実な一歩の方が遥かに価値があります。
また、まずは外堀から着実に埋め始めれば、仮にその過程で少し失敗があっても、「やりたいこと」というゴールがまだ先にあるため、「今度は別の切り口でトライしてみよう」と、次へのモチベーションにも繋がるものです。
おそらく、多くの人は、起業というと、“多少リスクを取ってもドカンと一気に成功する”といった、ある種、派手なイメージを無意識に抱いています。しかし、現実は、コツコツと地道に、できる限り長くビジネスを続けていくことこそが、何より重要なことです。このメンタル面での地道さと冷静さは、ビジネスが軌道に乗った後にも、更に重要になる部分となります。
ですので、仮に当初は「やりたいこと」のストライクでなくても、着実に理想を実現させる“経営者脳”を訓練していると考え、まずは、「できること(経験や強み)」に近いゾーンから堅実な一歩を踏み出すことをお勧めします。
そして、ビジネスを進める中で、Nさんのように経験を積み、お客様のニーズを汲み取りながら、徐々に「やりたいこと(夢や理想)」の割合を多くしていけば良いのです。
2、失敗パターン②:お客様目線から外れた表現
2−1、ベネフィットを明確に打ち出せ!
では次に、あなたへ確認したい視点がこちらになります。
これも、コンサル型ビジネスをされている方に、かなり多く見受けられる弱点です。せっかく良いスキルやアイディアを持っていても、自分の強みや主張ばかりを表に出し、相手の心に響かない打ち出し方になっているケースが多くあります。
では、一体どうすれば響くのでしょうか?
その最もストレートなやり方は、
です。
ではここで、よりわかりやすくするために、2つの事例をご覧いただきたいと思います。
(※実際に弊社に寄せられた相談を、少しわかりやすくアレンジしたものです。)
2−2、相談事例1:セラピストHさんの場合
セラピストHさんからの相談内容は、以下のようなものでした。
「呼吸瞑想」というのは、せっかくHさんの提供できるユニークなスキルであり、「何だろう?」と興味を引くメニューではあるのですが、単に「呼吸瞑想をしませんか?」という方向で打ち出すだけでは、何ができるのか、どうなれるのか、非常にわかりにくい状況にあります。そもそも人は、わからないものに、不安を抱き、距離を置くものです。
つまり、もともと呼吸瞑想を知っていて、「私は呼吸瞑想をやりたい!」と具体的に思っている人は稀であるのに、主にそういう人にしか響かないメニューになっている、ということなのです。
そこで、呼吸瞑想によるベネフィットを加えた上で、打ち出すことを考えます。
瞑想のメリットとしては、「集中力が高まる」「プラスのイメージを持てる」「精神が落ち着く」「ストレス解消」等がありますので、以下のような打ち出し方が考えられるでしょう。
●朝一番から、自分の状態を最高に持っていくための呼吸瞑想メソッド
●望む未来を明確にし、高いモチベーションをいつでも自在に湧き起こすための呼吸瞑想メソッド
例2)仕事や人間関係のストレスに悩むOL向け
●1日のストレスを全てリセットし、心穏やかに心地よく眠れるようになる呼吸瞑想メソッド
●目覚めとともに、頭と心を整え、晴れやかな気持ちで1日をスタートさせる呼吸瞑想メソッド
いかがでしょうか。ちょっとしたことですが、単に「呼吸瞑想」と言われるよりも、随分ハードルが下がったかと思います。
このようにベネフィットを打ち出すことで、「呼吸瞑想」によってどうなれるのかという未来への明るい姿が描けますので、相手の興味も高まりますし、「呼吸瞑想」をはっきりと知らない人(=世の多くの人)にも、好印象とともに伝えることができるのです。
2−3、相談事例2:マーケティングコンサルタントMさんの場合
続いて、ITマーケティングコンサルタントMさんからの相談がこちらです。
一般的に、事業の売り上げというのは、2割の顧客が8割の売り上げを作り、残り8割の顧客は2割の売り上げにしか繋がっていません。つまり、この8割顧客をいかに2割の顧客化するか、を肝として、それを具体的に実現出来るノウハウやツールを提供しているのですが、この価値を伝えることが難しく、伸び悩んでいます。どうすれば伝わりますか。
おそらく、今お読みの方もそうだと思いますが、この相談から受ける率直な感想は、「わかりづらい」というものです。
確かに、一部の上顧客が主な売り上げを作っていて、大半の顧客は大した売り上げになっていない、というのは、どの業界でも言えることですし、できれば多くの上顧客を持ちたいというのは、間違いなく存在するニーズでしょう。
しかし、【事例1】でもお伝えした通り、わかりづらいということは、購入にはつながりません。問題は、「8割の顧客をいかに2割の顧客化するか」という表現が、完全な自分目線になっていて、お客様目線(=お客様の言葉)になっていない点です。つまり、相手にとって「これは自分のことだ」とピンと来ないところに問題があります。
Mさんは、沢山のデータやマーケティングの知識があるからこそ、8割・2割…という言葉を使い、知識の確かさを打ち出したい意図もあるかもしれませんが、事業や店舗のオーナーがこの悩みを抱えていたとしても、なかなかこの表現は使わないはずです。
そこで、お客様の脳にあるであろう言葉に変換し、そこを突くことを考えてください。
●あまり売り上げに繋がらない8割の顧客
→たまたま単発で何かを購入するある種の「冷やかし客」
●2割の上顧客
→リピーター、VIP客
●上記を組み合わせた表現の一例として・・・
「単なる冷やかし客を、すぐ買う、何度も買う、ホットなリピーター客に変えていくエスカレーターメソッド」
例えば、このように表現してみるとどうでしょうか。「8割・2割が云々…」と言われるよりも、ぐっと身近になり、我が事として感じやすくなると思います。そして、Mさんが持っている、8割・2割の説明は、相手を惹きつけた後で行えばいいのです。
2−4、あなたのスキルやアイディアは単なる「手段」
これら2つの事例からも分かる通り、あなたの商品やサービスを打ち出す際、あなたができること、あなたがやりたいことを、そのままストレートに打ち出しても、それは一種の自己満足であり、お客様のニーズやお客様の目線から離れてしまっている、ということです。専門用語の羅列などは、まさに論外となります。
あなたの持っているスキルやアイディアは、あくまでも相手の悩みを解決したり、願望を満たしたりするための「手段」。つまり、人は、呼吸瞑想そのものや、コンサルティングの時間そのものが欲しいのではなく、何らかの「手段」によって「悩みが解決される状態」を欲しているので、そのベネフィットを打ち出し、お客様目線の言葉にすることを、常に意識するようにしましょう。
3、失敗パターン③:競争加熱ゾーンへの突入
3−1、ニッチな市場でNo.1を目指せ!
3つ目の視点として、あなたに投げかけたいのは、こちらの視点になります。
例えば、コーチングのコーチとして独立を考える際、ビジネスマンを対象とした研修やセッションを行うビジネスコーチとしての独立を、多くの人が考えます。先駆者も多くイメージしやすいですし、実際自分がビジネスマンとして、その効果を実感している、という人が多いからです。
確かに、独立してうまくいっている多くの先駆者がいるということは、それだけニーズがある証拠です。しかし、その成功者たちと、同じ立ち位置で乗り込んでいっても、経験や実績で圧倒的に劣るあなたが、継続的に選ばれていくのは難しく、苦戦を強いられるでしょう。
士業の世界でも、勇んで独立したものの、成功者の下請けのような仕事ばかりで、そこを打開できない人が多数存在します。また、どのコンサル型ビジネスも、当初モニター等で金額を低くしている間は、相応の顧客を取れるかもしれませんが、結局、立ち位置に特色がなければ、金額を上げるにも、顧客を取り続けるにも、苦しい状況が続くのです。
そこで、大切なのは、
になります。その方が間違いなく選ばれ、成功していくのです。
では、それが具体的にどういうことなのか、ここでも事例を見ていきましょう。
3−2、行政書士・遠藤祐二さんの場合
行政書士の遠藤さんは、独立当初、やはり一般的な行政書士として、マルチなカバー範囲を謳い、手広く幅広く仕事を手がけ、その結果、多くの行政書士同様、集客に苦労していました。紹介で何とか仕事を繋いでいるものの、状況は厳しかったと言います。
弊社の代表が、遠藤さんとコンサルの場を持ったのはその頃です。その中で、遠藤さんは独立前、上場企業4社において、各種事業のライセンス交渉や海外とのライセンス契約をまとめる業務などを、継続的に担当してきたことがわかりました。
そこで、遠藤さんに提案したのが「業務提携やライセンス契約、海外事業契約専門の行政書士」という立ち位置です。
遠藤さんは当初、「他の仕事が入ってこなくなると困るのでは…」と不安を隠せずにいましたが、思い切ってその立ち位置を打ち出したところ、その専門性でやっている行政書士が他にいなかったため、「業務提携」の依頼が全国から入るようになり、後々には、国内のみならず海外からの依頼も入るようになったそうです。
また、現在でも遠藤さんのHPは、有名なブログサービスを使った簡易なものであり、SEO対策も全くしていないそうですが、それでも毎日10分ほど、業務提携に関わる記事を更新しているだけで、Googleでは上位表示され、HPからの問い合わせがない日はないと言います。しかも、そもそも業務提携の件で問い合わせをしてくる人というのは、最初から契約を視野に入れていることがほとんどなので、問い合わせしてきた方の4〜5割が成約に至るとのこと。
また、お付き合いが始まった会社からの依頼で、業務提携以外の内容を手がけることもあり、専門性を打ち出したことで、結果的に仕事の量も幅も広がったと、遠藤さんは話していました。
3−3、絞り込みは怖くない
この遠藤さんのように、「絞る」難しさは、主にメンタル面にあります。色々な可能性を切ってしまうので、反応の数や売り上げが落ち込むのでは、という不安が先立つからです。
確かに、絞らずにいれば、可能性と市場は大きくなるかもしれません。しかし、それは同時に、大きな市場の中で埋もれてしまうことと、ほぼ同義になります。どんな分野であれ、ライバルは存在しますから、その中で、あなたという人を選んでもらうには、ビジネスを絞り込んで、特徴を打ち出し、あなた独自の旗を立てねば、そもそも振り向いてすらもらえないのです。
一方、思い切って絞り込んでみれば、そのことであなたの特徴が際立ち、選ばれ、結果として、絞り込んだ以外の仕事や人脈にもつながっていきます。それが、また次のビジネスを呼び込むのです。
いかがでしょうか。絞ることは、決して怖くありません。むしろ、コンサル型ビジネスの成功にとっては必須条件だと言えるのです。
3−3、絞り込みは怖くない
では、ここで、「絞り込む」際に必要な、具体的な切り口の例をいくつかご紹介しておきます。
●エリア :東海地区専門の、九州限定の、海外在住者向けのetc.
●性別 :男性、女性etc.
●年齢 :アラフォー専門の、シニア世代専門、子育て世代向けのetc.
●業界 :飲食店業界専門、医者専門、コンサルタントのためのetc.
●職種 :営業マン専門の、人事担当者のための、研究職専門のetc.
●レベル :初心者向け・ハイレベル向け、新入社員専門・管理職専門etc.
●性格 :3日坊主専門、あがり症の人のための、優柔不断なあなたにetc.
●特性 :母子家庭限定、バツイチの方専門、障害者のためのetc.
●目的 :起業したい方専門、集客に悩む方専門etc.
etc.
いかがでしょうか。上記の切り口はほんの一例となります。これ以外にも、あなたの業界に応じて、様々な切り口が考えられるはずです。ぜひ、色々な組合せでの絞込みを試してみてください。
4、まとめ
以上、ここまで、コンサル型ビジネスで起業する人が特に陥りやすい3つの失敗パターンについて、お伝えしてきました。お心当たりはありませんか?もし、少しでも心当たりがあれば、ぜひ改善を試みてくださいね。高額な費用がかかるわけでもありませんし、高度な知識や上級スキルが必要なわけでもありません。必要なのは、「ちょっと視点を変えて工夫すること」と「絞り込む勇気」、それだけなのです。そのことで、ビジネスをグッと上向きにできる大きなチャンスですので、ぜひ今すぐに取り組んでいただき、成功へのステップを駆け上がっていただければと思います。
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鈴木理美

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