人を魅了するプレゼン9のコツ|相手がつい前のめりになる構成と話し方
人を魅了するプレゼン、説得力のあるプレゼン、「その企画、採用したい!」と思わず言ってもらえるプレゼン、あなたの取り扱う商品やサービスにどんどん注文が入ってくるプレゼン、上司や同僚が思わず「凄い!」とあなたを賞賛してしまうプレゼンetc・・・。そんな“成果の出る最高のプレゼン”を行うためのコツを、構成や話し方も含めご紹介していきます。
では、その“成果の出る最高のプレゼン”を行うためのコツとは?一般的に言われているのは、
- 見栄えのよいインパクトのあるプレゼン資料を作る
- 説得力のある「○○法」とか「××法」といった構成の仕方を身に付ける
- 人を引きつけるキャッチコピー
- 人を引きつける話術や聞き手を巻き込むコミュニケーション力etc・・・
もちろん、それらは全て重要ですし、そのためのコツも存在します。ですが、それらは実は“枝葉”の部分。“成果の出る最高のプレゼン”を行うためには「幹」となる重要な“コツ”があります。それは・・・・
「受け手側の感情を動かすこと!」
これに尽きます。プレゼンを上手く行うためには様々なコツがありますが、最強にして最重要のコツは、この「感情を動かすこと!」なのです。
“感情を動かすことの具体例”
- 「わくわくする」とか「えっ?何、それ???早く教えて!」という期待感
- 理屈抜きに「“それ、欲しい!”」という欲求の喚起
- 「そうそうそう、そうなんだよね・・・」という共感と納得
- 「簡単そう!楽そう!私にも出来そう!」というイメージ
プレゼンの受け手は「説得されたい」とは思っていません。退屈な説明は聞きたくありません。
プレゼンには受け手側はある種の期待を持って臨んでいます。その期待に応えるためにも、是非、受け手の感情を動かし、最後まであなたが導く方向へ導いてください。では、ここからは、私の経験を元にした「聞き手の感情を動かすプレゼンの9のコツ」をご紹介していきます。
目次
コツその①.期待感を高める。
プレゼンは最初の導入部分で“ほぼ”決まります。最初の段階で「このプレゼンは聞く価値がある!これは聞かねば!」と身を乗り出して聞くのと、「またいつものプレゼンが始まるのか、退屈だな・・・」と思って聞くのでは雲泥の差があります。
プレゼンの成功とは、「最後の結論までいかに興味を持って(持ち続けて)聞いてもらうか?」と言い換えてもいいでしょう。そのためには、最初の段階で「このプレゼンに対する期待感を高めておく」ことが非常に重要です。この期待感を高めるということが、まさに感情を動かす、ということなのです。
1-1:WHY?を語る
期待感を高める具体的な方法としては「WHY?(なぜ?)を語る」が最も有効です。「何故、あなた(受け手)はこのプレゼンを聞く必要があるのか?」それを語るのです。
・今、このプレゼンを聞かないと、あなたは・・・
⇒ 大きなチャンスを失うことになる
・今、このプレゼンを聞かないと、あなたは・・・
⇒ 大きな損失を被ることになる
・今、このプレゼンを聞かないと、あなたは・・・
⇒ 2度と手に入れることができなくなる
このように、「このプレゼンを聞かずにはいられなく理由」をプレゼンの冒頭部で語ることで、「このプレゼンは真剣に聞かねば・・・!」というように感情を動かしいきます。
【事例】「スマホコンサルタント養成講座」|プレゼンの冒頭部のスライド資料内容
- スマホ普及率 : 2014年7000万台突破!
- 2人1人以上はスマホを利用
- 検索数がスマホがPCを超える
- 店舗系はスマホ集客がメインに
- だが、スマホ集客を教えられるコンサルが圧倒的に少ない
- 需要は多い but 供給が少ない
- スマホコンサル : 先行者利益が得られる最大のチャンス
合わせて、以下のようなメッセージを付け加えました。
「なぜ、このプレゼンを聞く必要があるのか?」という「WHY」を「大きなビジネスチャンスであり先行者利益が得られる最後のチャンス!」というメッセージにし、「このプレゼンを聞かねばまずい!」という感情に持っていきました。
コツその②:ベネフィットを伝える
プレゼンの究極の役割は、この「ベネフィット=受け手側にとってのメリット」を伝えること!と言っても過言ではありません。
人が最も関心があるのは「自分」です。
「自分にとってどんなメリットがあるか?」「それによって私がどうなるの?」ということを受け手側は一番知りたいのです。そのベネフィットを出来る限り早い段階で伝えます。
2-1:「ベネフィット」と「特徴」の違い
多くの方が「ベネフィット」と「特徴」を混在しています。
「特徴」は多くの場合、「発信側が言いたいこと」であったりします。「特徴」では感情は動きません。天才的なプレゼンテイター、スティーブ・ジョブスのipodのプレゼンを例に「ベネフィット」と「特徴」の違いを解説します。
【ベネフィット】
ポケットに1000曲!!!
(ポケットに入れて1000曲・・・あなたの音楽ライブラリーの全てを持ち歩ける!)
【特徴】
容量5ギガバイトの携帯型音楽プレイヤー
「特徴」では感情が動かない。自分にとっての使用感がありありとイメージでき、ワクワクできることが大切なのです。
2−2:「特徴」を「ベネフィット」に変える魔法の言葉
とはいえ、「特徴ではなく、ベネフィットを伝える」と言っても、慣れない間は簡単に出来ることではありません。そこで、私が使っている「特徴をベネフィットに変えていく超簡単なやり方」をご紹介します。
それは・・・・・・「だから」という3文字に徹底的に答えていくことです。
■ipodの場合
「容量が5ギガバイト」⇒ だから「たくさんの音楽(1000曲)を入れられる、携帯できる」⇒だから「持ち運びが簡単!」⇒だから「ポケットに1000曲!」
こんな風に発想を顧客視点で広げていくのです。
「強力なベネフィットの発見」はマーケティングやセールスを行う上でも最重要事項です。この手法・発想法をマスターできれば、あなたのビジネスに大きなメリットをもたらすはずです。
「スマホコンサルタント養成講座」|「特徴」を「ベネフィット」に変えていく
スマホコンサルタント養成講座の大きな特徴として、協会のバックアップ体制があります。スマホコンサルタントとして活動するためには、
「反応率の高いスマホサイト」
「アクセスアップのためのPPC広告の運用」
という提案をクライアントに行います。ですが、これは経験のない方には難易度の高い提案です。そこで、協会では、代行&外注パートナーとして「スマホサイトの制作会社」「PPC広告の運用会社」を用意しました。協会のスマホコンサルタントは、仕事を受注をするだけ。後のサイト制作やPPC広告の運用は、外部のパートナーに「丸投げ」できるのです。(これを「丸投げシステム」と呼んでいます)
・サイト制作や広告運営の代行&外注パートナーがいる(これは特徴)
⇒だから?面倒な作業を丸投げできる
⇒だから??営業活動やコンサル活動に集中できる
⇒だから???基礎知識だけで簡単にコンサルタントになって活動することが出来る!(これがベネフィット!)
※注意点:あなたがプレゼンをする商品なり、サービスなり、企画なりのそもそものベネフィットが弱い場合は、プレゼンそのものが弱くならざるを得ません。「魅力的なベネフィットがない商品やサービスをプレゼンでカバーする」というのは限界があります。プレゼンの目的は、あくまでも魅力的なベネフィットをさらに魅力的に見せ、的確に伝えることです。そこは誤解のないようにしてください。
コツその③:パワーワード
人は強い言葉、記憶に残る言葉、何度も口ずさんでしまう言葉に惹かれます。
プレゼンというとインパクトのあるビジュアルを・・・というイメージがあるかもしれませんが、私はビジュアルはあくまもで補足であり、あくまでも「言葉」で勝負するものだと思っています。
3-1:パワーワードへ変換する。
プレゼンの際は、要所要所で使う決め言葉、重要フレーズ、重要単語というものを決め、その言葉を出来る限り強い言葉(パワーワード)に変えていきましょう。
・ある人を見た ⇒ ある人を「目撃」した
・ビジネスが失敗する ⇒ ビジネスが「破滅」する
・短時間で劇的な変化が ⇒ 「秒速」で劇的な変化が
・スマホマーケティングで成功する ⇒ スマホマーケティングで「歴史」を作る
・必ずやり遂げると決意する ⇒ 必ずやり遂げると「覚悟」を決める常に、「より強い言葉に出来ないか?」を考えていきます。
3-2:切れのある印象に残る「ヘッドライン」を入れる。
人を魅了するプレゼンには必ず印象に残る「ヘッドライン」があります。
ヘッドラインとは、新聞や雑誌の見出しのことで、広告用語で言えば、キャッチコピーに当たるものです。
スティーブ・ジョブスのプレゼンの中には、歴史的名ヘッドラインが登場します。
ipod:1000曲をポケットに
iPhone:アップルが電話を再発明する
MacBookAir:世界で最も薄いノートパソコン
こうした魅力的なヘッドラインは受け手の記憶に残り、プレゼン自体の印象を決めてしまう力を持っています。
私のヘッドラインの事例の中で、反応の高かったヘッドラインをご紹介します。
「コピーライティングの極意は、それは、
Create(創る)ではなく、Connect(つなぐ)だ。」
コピーライティングというと何かクリエイティブで全くのゼロから作り上げる、というイメージを持っている人が多いです。
しかし、そうではなく、まずは素材を集めて、それをレシピ(テンプレート)に沿ってつなぎ合わせていく簡単な作業なのだ、ということを説明するために使ったヘッドラインです。
「Create」と「Connect」という英語で「C」の韻を踏ませて、視覚的な効果も狙ったのですが、多くの反応を得ました。
コツその④:イメージさせる(「明るい未来」を見せる)
魅力的なプレゼンを行う上で私が必ず盛り込むコツは、“受け手に「明るい未来」をイメージさせる”ということです。
例えば「受け手がその商品を使うことで、今の悩みが解消され、いかに快適になっているか?」であったり、「その企画を採用することでどれだけ売上げがあがって満足できる状況になっているか?」をイメージさせることです。
さらに言えば、「明るい未来を体感させる(自分が既にその未来を手に入れているように感じさせれば)」ことが可能であれば、そのプレゼンは、あなたの「勝ち!」ということになります。
4-1:「ステップ・バイ・ステップ」で具体的ノウハウを説明する
できれば3ステップで具体的にノウハウを説明できればとても良いです。
もちろん5ステップや7ステップなどでもOKです。(経験上、「奇数」が印象に残ります)「まず最初に・・・をやってください。それによって、あなたは・・・な状態になります。次のステップでは・・・・そして、最後に・・・。」
このように説明することで、受け手側は“自分が実際に実現出来ているイメージ”を持つことが出来、ワクワクしてくるのです。
4-2:「事例」や「お客様の声」を入れる
明るい未来を感じてもらう最も簡単な方法は、「事例」や「お客様の声」(体験談)を見せることです。
あなたが商品のプレゼンを行うのであれば、その商品を使って効果・成果が出たお客様に登場して頂きます。「少し先の未来を行っているお客様」の事例を見せることで明るい未来を追体験してもらいます。
4-3:「もし仮に」というフレーズを組み込む
「もし仮に」・・・この言葉は実にパワフルです。
「もし仮に、あなたがこの商品を購入するとしたら・・・」「もし仮に、あなたがこの企画を採用するとしたら・・・」「もし仮に」という言葉を使って明るい未来を語っていきます。
コツその⑤:ストーリーテリング
感情を動かす上で最もパワフルな手法があるとすれば、それは、この「ストーリーを語る=ストーリーテリング」です。
これは「5.イメージさせる」でも使える手法です。ストーリーテリングとは「体験談・事例・比喩(ひゆ:メタファー)」を語る手法です。
自分の体験談に限らず、他人、著名人、偉人のものでも大丈夫です。ではストーリーテリングを具体的に見ていきましょう。
5-1:プロフィールでストーリーを語る
あなたのプロフィールを語る場面でストーリーテリングを使ってください。
「何故、あなたがこのプレゼンをするに至ったか?(商品をプレゼンするのではあれば、何故、その商品を開発するに至ったか?など)」を語ることで、単なるビジネスを超えたあなたの情熱やミッション、思いを伝えることができます。
あなたがここに至った経歴をストーリーとして語るのも有効です。例えば、私の場合であれば、起業セミナーを開催する際は「自分の起業ストーリー」を語っています。
5-2:「ノウハウ」と「ストーリー」をセットで語る
ノウハウとセットでストーリーを語る。これもパワフルな感情を動かすプレゼンのコツです。
つまらないプレゼンは、ノウハウを語ることに終始しています。
ですが、今、ネット上にはありとあらゆるノウハウが転がっています。私がこうしてご提供しているプレゼンのノウハウも無料で手に入ります。ですので、ノウハウ自体の価値は相対的に下がっており、「どこかで聞いたようなノウハウだらけ」というのが現状です。
では、どこで差別化するのか?それが「ストーリー」です。ノウハウをストーリーとセットで語ることで、そのノウハウの価値が高まるのです。
【事例】「マーケティングコーチ養成講座」|傾聴のスキルのプレゼン
マーケティングコーチ養成講座の中で、コーチングの「傾聴」のノウハウをプレゼンする際に、自分の体験談(ストーリー)をセットで話しています。私自身が「話を聞かない上司」であったことが原因でスタッフが辞めていった体験談を話しています。それによって聞き手側は「傾聴のスキルって、そんなに重要なんだ・・・」と体感してくれるのです。
コツその⑥:悩み(願望)を知り、共感し、表現する
プレゼンの受け手側の「悩み(あるいは願望)」を知る。これはコツというよりも、プレゼンを行う際に一番最初に知っておくべき前提条件となります。いわゆる「ニーズ」と呼ばれるものです。そのニーズ(悩みや願望)を満たすことがプレゼンの究極の目的と言っても過言ではありません。ニーズを的確に掴めれば「どんなことを提案すればいいか?」というプレゼンの方向性が明確になります。
6-1:悩みや願望を的確につかむ方法
ニーズを的確につかむにはどうすればいいのか?それはプレゼンの依頼側、受け手側へのヒアリング、これが最も有効です。“よい答え”を引き出すためには“よい質問”が必要です。ヒアリングの際に是非、抑えておきたい質問は以下の通りです。
・なぜ、このプレゼンを行う必要があるのか?(どんな課題があるのか?)
・その課題が実際に起こっている状況について(出来る限り具体的に)
・今までで一番その課題を感じた時はいつか?
・これまでその課題を解決するために具体的などんな施策を行ったか?
・その結果は?成果が出たこと、出ていないこと
・課題が解決されたときの理想的な状態
ヒアリングのポイントは、「抽象的ではなく、具体的な事象を聞いていく」ということです。とにかく「具体的な情報」を集めていくことが大切です。
6-2:悩みや願望をいかにプレゼンで表現するか?
プレゼンでは「私はあなたの状況をきちんと理解している。あなたの苦労や悩みを分かっている。」という姿勢を相手に示すことが大切です。受け手側への「共感」を示すということです。「共感」はプレゼンをする際の最重要キーワードのひとつです。人は「共感して欲しい。自分のことを分かって欲しい。理解して欲しい。」という潜在的なニーズがあります。
「悩み」の共感&表現例
・「あなたはこんなことで悩んでいませんか?・・・(悩みを列挙する)」
⇒ 私には、その悩み、気持ちがよく分かります。
⇒ それは、私自身が、今のあなたと同じような悩みを抱え、苦しんでいたからです。
⇒ それは、私は、あなたと同じような悩みを抱えている方と何人も接してきたからです。
コツその⑦:仮想敵をつくる
「仮想敵をつくる」という手法は、日本人には特に受ける方法です。プレゼンにもこのやり方を取り入れていきましょう。政治家はこの「仮想敵をつくる」という手法をよく使っています。例えば、小泉元総理。彼が自民党総裁になった時のスローガンは「自民党をぶっつぶせ!!!」
「現状の自民党」(と言っても小泉さん自身も所属しているわけですが)を仮想敵にしたのです。悪いのは「古い体質の自民党」。それを仮想敵にして「あいつが悪い!みんなで戦おう!」という図式を作り上げたわけです。「あなたは悪くない。悪いのはあの敵だ。一緒に倒そう!!!」この図式は感情が動きます。小泉さんが歴史的大勝を果たした際の衆議議員選挙でも同様に仮想敵を立てています。そうです、「郵政民営化」ですね。
【事例】スマートフォンコンサルタント養成講座
スマートフォンコンサルタント養成講座は起業・副業を目指す方に対して、「スマートフォンコンサルタントになって起業しよう、収入を得よう。」という提案をする講座でした。この時は私が仮想敵にしたのは「他の起業・副業方法」です。「仮想敵」・・・他のインターネットを使った起業方法
例えば、アフィリエイト。アフィリエイトはライバルが多い。そもそもライバルが多い市場で戦うこと自体が厳しい選択。右肩あがりでライバルが少ない市場。それがスマホコンサルタントである。あなた自身には何の問題もない。スキルや能力が足りないわけではない。ただ単に、選んだ分野が間違っていただけ。あなたに責任はない。アフィリエイトというビジネスが悪い。
※注意:アフィリエイト自体は有効なビジネスです。プレゼン上で「仮想敵」としました。
コツその⑧:感情を動かすテンプレート(構成の11ステップ)
プレゼンのコツを知りたい方の多くが「プレゼンのテンプレート」を求める傾向にあります。テンプレートは私が思うにあまり役立つものではありません。ケースバイケース、相手の状況や関係性、プレゼンする内容によってベストのやり方は異なるからです。ここでは一般的なテンプレートではなく、私が実際のプレゼンでよく使っているオリジナルの「感情を動かすプレゼンテーションのテンプレート(11ステップ)」をご紹介します。事例として「スマートフォンコンサルタント養成講座」(以下「スマホ講座」と表記)のプレゼン資料(スライド)を掲載いたします。
ステップ1.タイトル
タイトルは非常に重要。タイトルの付け方についてはこれだけでひとつの記事が書けるほどです。タイトルの付け方には様々なパターンがありますが、最も王道なのが「ベネフィット」を打ち出すことです。パワーワードを使って「強い言葉」にすることも有効です。
ステップ2.期待感を高める
プレゼンの冒頭で「何故、あなた(受け手側)はこのプレゼンを聞く必要があるのか?」を説明します。期待感を高め、「このプレゼンは聞かねばまずい。チャンスを逃してしまう。楽しみだ!」と感情を動かします。
ステップ3.プロフィール(自己紹介:ストーリーと共に)
期待感が高まったこの段階であなたの自己紹介を行います。
・自分はなぜ、このプレゼンを行う資格があるのか?
(こういった経歴や実績があるからこのプレゼンを行っているのだ)
・どんな思いや信念、ミッションを持ってこのプレゼンを行っているのか?
・なぜ、自分はこのプレゼンを行っているのか?
(何か商品をプレゼンテーションするのであれば、
その商品を開発した理由や経緯)etc・・・
これらをストーリーとして語って行きます。「神話の法則」「ヒーローズジャーニー(ヒーローの旅)」と言われる多くの人が共感するストーリーテリングの手法があります。いわゆる「逆転ストーリー」と言われるもので、ハリウッド映画などには必ずと言っていいほど、この手法が取り入れられています。
「平凡(あるいはそれ以下)な主人公が、様々な試練を体験し、時に大きな失敗や挫折を繰り返し、メンターと出会い、ライバルに打ち勝ち、最終的に大きな成功を収める。」というストーリーです。大なり小なり、大抵の方がこうしたストーリーを持っているので、これをプロフィールを語る際に取り入れていきましょう。
「スマホ講座」でメイン講師を勤めた、ある男のプロフィール
- 慶応義塾大学総合政策学部を卒業し、富士通(株)入社。その後、(株)DeNAへ転職。(ここまではエリート街道を歩む)
- ある起業セミナーへ参加し、起業を決意。しかし、敢えなく挫折。食べていくためにコンビニの深夜アルバイトや日給制の日雇い労働に従事。所持金も尽きる。(最初の挫折)
- その後、メンターに出会い、彼の会社に入社。そこで様々な経験と失敗を積み重ね、メンターの支援を受けながら、「スマホマーケティング」というジャンルを見付ける。(最初の成功)
- 再び起業。その過程で失敗や挫折(一時期、社員が全員いなくなる、ということも経験)を繰り返しながらも「スマホコンサルタント」の第一人者になり、今回、後進の育成のために「スマホ講座」を開催することを決意。(次なる挫折とその後の大きな成功)
こうしたストーリー仕立てのプロフィールを語ることで、受け手側の講師への共感性が高まります。また、「講師も今まで挫折があったんだ。私と変わらない。私にも出来るはず!」という気持ちになってもらえます。
ステップ4. 悩み(願望)の明確化と共感
「あなたは恐らくこんなことに悩んでいると思います。」と切りだし受け手側の悩み(あるいは願望)を明確化します。この時は、悩みを箇条書きで列挙しましょう。その上で、受け手側に対して「共感」を示してください。(コツその⑥:悩み(願望)を知る を参照)
ステップ5.なぜ、その問題(悩み)が起こっているのか?⇒仮想敵に原因あり
あなたが抱えている現在の「悩み」の原因を明確にします。そして、その原因が「仮想敵」にあることを説明します。(※悩みの原因の大半は「本人」にあるケースが多いのですが、「仮想敵」に原因を求めた方が感情が動き、プレゼンへの興味がわきます。)
「あなた」に原因を求めるのではなく、「スマホ講座」では、他の起業塾やビジネス講座を「仮想敵」にして、「これまでの講座や塾に問題がある。あなたに原因はない。」というスタンスを取りました。
ステップ6.ベネフィットを明確に伝える
この「ベネフィット」のパートが、プレゼンの中での最重要ポイントです。プレゼンの成否は、このベネフィットをいかに魅力的に伝えるか?に掛かっています。
「スマホ講座」では、「2014年がスマートフォンコンサルタントとして先行者利益が得られる最後のチャンス!」という最大のベネフィットをアピールし、さらに具体的に「スマートフォン集客はニーズが高い」「顧客を獲得しやすい」「“7つの収益の柱”を持つことで経営が安定する」といったベネフィットを伝えていきました。
ステップ7.解決策の提示
「6.ベネフィット」が具体的にどのようにして得られるのか?その具体的な方法(解決策)を提示します。この解決策が具体的で、真実味があり、ベネフィットが実際に得られることを受け手側にイメージさせることが出来ればプレゼンの成功確率はグンっと高まります。「スマホ講座」の場合であれば、「解決策=いかに確実にこの講座でスマートフォンコンサルタントになって収入を上げていくことができるか?」ということを説明していきました。
ステップ8.さらなる解決先の提示
「7.解決先の提示」をさらに後押しするような「特典」「付録」「周辺情報」を提示します。受け手側が予想していなかったような内容を用意できればより効果的です。
ステップ9.「明るい未来」をイメージさせる
「明るい未来」をイメージさせるポイントは「コツその④:イメージさせる」を参照してください。ここでは「スマホ講座」の中で「お客様の声」を掲載したパターンをご紹介します。
ステップ10.とって欲しいアクション
とって欲しいアクションをしっかりと伝えます。ノウハウを伝えるプレゼンであれば、「まずは◎◎から始めましょう!」というファーストステップを伝えます。商品プレゼンや企画プレゼンであれば、「無料相談にお申し込みください。」「担当者へお問い合わせください。」「●月○日までにお申し込みください。」と言ったことを伝えます。
ステップ11. エンディングストーリー
最後は、このプレゼンや企画に対する自身の思いやミッション、夢などを語ります。プレゼンは「売り込み」ではありますが、売り込みで終わるのではなく、「余韻」や「感動」を残していくことも大切です。「スマホ講座」の場合は、「共にスマートフォンマーケティングの歴史を作っていく仲間である」というメッセージを語りました。
コツその⑨:パッション(話し方のツボ)
人を魅了するプレゼンのコツの最後ですが、それは・・・・・・「パッション」です。
「この人は本気で情熱を持ってこのプレゼンを行っている。
商品に惚れ込んでいる。自信を持っている。」
そのパッションが、最終的には受け手の感情を動かすのです。
9-1:自らのミッションや理念、思いを語る!
「2.ベネフィット」は、プレゼンの成否を左右するコツの最たるものですが、ベネフィットだけで人が動くわけではありません。あなたのミッションやビジョンに共鳴・共感して感情が動くこともあるのです。是非、プレゼンの中であなたの「思い」や「信念」を語ってください。
9-2:情熱を持って語る!
受け手の感情を動かすためには、情熱を持って語るプレゼンに勝るものはありません。特に、最も重要な部分や自分の思いを語るパートでは情熱的に語りかけていきましょう。そのための具体的なテクニックとしては、「声のトーン・大きさを上げる。」「メリハリを付ける。」「緩急・間を意識する。」「ボディランゲージを交える。」などがありますが、最終的にはやはり「思い」の部分です。是非、情熱を持ってプレゼンを進めていきましょう。
まとめ
プレゼンで重要なのは、説得をしたり、上手く説明することに意識を向けるのではなく、「感情を動かす!」ことにフォーカスすること。
これが成果の出る最高のプレゼンを行う最大のコツです。資料の作り方とか、構成の仕方とか、話し方などは、それをより魅力的にし、完成度を高めるための“枝葉”のコツに過ぎません。
是非、聞き手の感情を動かし、相手を魅了し、思い通りの結果を得ることのできるプレゼンのコツを身につけていきましょう。
著者より
9のコツの全てを取り入れずとも、どれかひとつのコツを取り入れるだけで、受け手の反応が変わってくるはず。まずは簡単にできるものから取り入れてみてください。
そして、是非、この記事を読んでの感想等お寄せください。「こんなノウハウを聞きたい!」「こんな情報を知りたい!」ということがあれば、是非、コメントしてくださいね。今後も役立つ「プレゼン」関係の記事をアップしていきますので期待していただければと思います。
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