リピートと口コミを生む人気セミナー講師になるには?〜必須コツ3〜

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「セミナー講師を仕事にしたい」「セミナーで本業の見込み客を集めたい」など、セミナーをビジネスの一環としたい人にとって、「一体どんなセミナーをすれば、来た人が満足し、次につながるのか」というのは、本命の課題ではないでしょうか。

弊社でも、年間100本を越えるセミナーを主催していますが、受講者の満足度が高いセミナーでは、会場に前向きな空気がみなぎるため、受講者は得るものが多く、もちろん講師もやりやすく、双方が好循環を生みだしています。そして、そうしたセミナーでは、結果として、商品の販売や契約にも多くつながっているのです。リピーターや紹介も生まれます。

では、そのようなセミナーに共通する要素とは何でしょうか。

結論からお伝えしますと、まず何よりも重要なコツとして、以下の3要素があります。

1) 受講者ありきのコンテンツ
2) 共感を呼ぶ講師としての魅力
3) 戦略的な集客

話術や構成といった細部のテクニックは、まずは問題ではありません。
それらは、上の3要素を満たした上での表面的なものであり、これらの要素を抜きにテクニックを気にしても、受講者の心をつかむことはできないのです。

この記事では、上記3要素について、一つずつ順に解説をしていきます。そして、あなたがこの3要素を自分のものとして内側に備えた時、あなたのセミナーは、好循環サイクルに乗り、ビジネスを加速させることでしょう。

0.はじめに 〜そもそも「良いセミナー」とは?〜

具体的に3要素を解説する前に、いきなりですが、もっとも根本的なことをお伝えします。そもそも「セミナー」とは何なのか、という話です。弊社では、それをこのように捉えています。

【セミナーとは・・・】
話を聞いた人が、そのノウハウを理解し、「自分にもできる」という気持ちになることで、実際に行動に移していくための、きっかけの場。

それでは、もう一歩踏み込んで、「良いセミナー」の定義とは一体何でしょうか?
上の定義をベースとすれば、簡単です。

「良いセミナー」 = 「受講者に行動を起こさせるセミナー」

だと言えます。

受講者がどれだけいい話を聞けたとしても、それだけで終わってしまえば、それ以上の広がりはありません。受講者が本当の意味で満足するには、「セミナーを受けたことで具体的な行動を起こすことができ、それがうまくいった、ためになった」という変化の経験が必要になります。その変化が感じられるからこそ、リピーターとなり、口コミも起こるのです。

つまり、セミナーを考えるということは、「どうすれば受講者に行動を起こさせることができるかを考える」ということなのです。
では、そのための切り口として、冒頭の3要素を順に見ていきましょう。

1.コツ①:受講者ありきのコンテンツ

1-1.ターゲットを明確に

セミナーの内容を作っていく際、まず考えるのは、「ターゲット」になります。なぜ、まず「ターゲット」なのか。それは、ターゲットが明確であればあるほど、セミナーの質が上がるからです。

多くの人は、セミナー講師をするにあたり、「1人でも多くの人に来てほしい」と考えるのではないでしょうか。初心者であるほど、その傾向を強く持っています。しかし、「1人でも多くの人に来てもらおう」と願ってしまうと、肝心のセミナー内容は、誰にでも当てはまるような一般的で浅い内容になってしまいます。それでは、受講者は物足りません。講師としても、手応えの薄いセミナーとなります。当然、セミナーを通じた商品の販売(教材や講座など)にもつながりにくいでしょう。

ですから、まず「1人でも多くの人に来てほしい」という考えは捨ててください。その代わりに「ターゲット」を明確にすることへ力を注ぎましょう。「誰に来てほしいのか?」、「どんな人の役に立つセミナーにしたいのか?」をできる限り細かく想定するのです。

例えば、コーチングの個人セッションを増やす目的で、「コーチング」を題材にしたセミナーを行うとします。通常、「コーチング=コミュニケーションスキル」でもあるため、誰にでも役立つと考えがちです。場合によっては、「どんな人にも役立ちます!」という告知をしているケースすらあります。しかし、それでは対象者があまりに幅広く、焦点のぼやけたセミナーとなり、結果的にはセッションへの成約率も低くなるでしょう。

重要なのは、性別や職業、肩書き、地域、性格など、様々な切り口でターゲットを絞り込んでいくことです。求める顧客は、ビジネスマンなのか、主婦なのか。同じビジネスマンでも、部下を持つ上司の立場にある人なのか、新規開拓を担当する営業マンなのか、職場のコミュニケーションに悩む女性社員なのか。上司は上司でも、部下を持ちたてのマネジメント初心者なのか、一定の経験のある部長クラスなのか、はたまた経営者層なのか・・・等々、しっかり絞り込んでみましょう。

そうすることで、そのターゲットが、何に悩み、何を求め、どうすれば行動してくれるのか、具体的に検討し、セミナー内容に反映することができます。その結果、受講者にとって「私のことだ」と響く内容になるため、セミナー後、商品への契約などもスムーズになるのです。
また、事前にきっちりターゲットが打ち出されていると、受講者側としても、そのセミナーの目的が具体的にイメージでき、意欲の高い状態で参加してくれます。ターゲットを絞り込むことは、双方にとって目的を明確化することでもあるのです。

1-2.強みや体験談による印象の強化

1-2-1.ノウハウの羅列ではつまらない

「ターゲット」が明確になったならば、次に注力するのは、ずばりセミナーの内容です。どうすればターゲットの悩みを解決できるかを示す必要があります。

ただ、その際、最も気を配るべきは、「ノウハウの羅列になっていないか」という点です。今の時代、インターネットで検索をすれば、大抵の情報が「手軽に」「無料で」しかもかなり「詳しく」手に入りますので、セミナーで一般的なことを聞かされても、受講者にとっては全く面白くありません。当然、印象にも残らないため、セミナー後、行動に移すこともないでしょう。

では、どうすればいいのでしょうか?
その対処法として非常に有力なのは、「ノウハウを、あなたの強みや体験談とセットで伝える」ということです。具体的な事例や体験談があることで初めて、ノウハウがいきいきとイメージできるものとなり、受講者にとって使える情報となります。また、その部分があるからこそ、他と差別化されたオリジナルのコンテンツとなるのです。一つ事例をご紹介しましょう。

例)動画コンサルタント岡本城一さんの場合岡本さんは、もともとセミナーや講座の撮影をするカメラマンでしたが、多くの撮影現場に関わっているうちに、「セミナーや講座へ大量に集客ができ商品への契約も多い人」と、反対に「集客に苦労して契約にも繋がらない人」との事例がどんどん貯まっていきました。そうした事例を、仲間に話しているうちに、「もっと詳しく教えてほしい」という声も多かったことから、セミナーを開催することを決意。本格的な動画撮影のノウハウだけでなく、豊富な事例をもとにした「動画コンサルタント」としての視点も学べる講座とし、希望者を募った結果、定員を超える申し込みがあり、その後も常に満席の状態が続いています。

このように、ノウハウに対してプラスαの価値を加え、受講者の心に響くのが、あなたの「強み」であり体験談なのです。

1-2-2.誰にでも「強み」はある

そこで、まずはあなたの「強み」を整理し、リストアップしてみましょう。その上で、どの強みであれば、ターゲットの悩みに響くか精査し、そこを明確に打ち出すことを意識してコンテンツ作りを進めるのです。

ただ、この話をすると、「自分の強みがわからない」「自分にはそんなに多くの強みなんてない」といった反応をされる方が多くいます。しかし、そもそも「強み」とは、「自分にとっては当たり前で、他人にはすごいと思ってもらえること」なので、ほとんどの場合、自分ではそれを「強み」だと認識してはいません。どんな方にも、必ず「強み」とできる特性や経験があります。ですから、初歩的な一歩として、まず周りの人に自分の強みをどんどん尋ねてみましょう(他己分析)。思いもよらぬ「強み」が出てくるはずです。
また、自分自身の棚卸しとして、「自分年表を作る」という手法もよく用いられます。自分が生まれてから毎年の出来事を、その時の思いや気付きとともに書き出していき、それを通じて、自分でも気づいていなかった自身の「スキル」や「コンテンツ」(=強み)を洗い出す、というものです。世の中には、そのためのフォーマットやワークシート、アプリなども多数存在しますので、一度しっかり取り組んでおくと、セミナーで活かせる「強み」やネタを蓄えられます。

なお、自分の「強み」の見つけ方について、「自分の強みがわからない」を卒業!強みの多角的分析法と表現法 もご参照ください。他己分析のより具体的な手法や、自己分析の客観的な視点もご紹介しています。

1-3.再現性にこだわる

1-3-1.ノウハウを細分化する

そして、もう一点、コンテンツとして特に気を配らねばならないのが「再現性」です。どんなに印象的な話ができたとしても、「それはあなただからできたのよ」と思われてしまうと、「受講者に行動を起こさせる」というセミナー最大の目的が果たされません。「再現性」とはつまり、ノウハウやメッセージを具体的な行動に落とし込むことを言います。

例えば、「情報発信」のやり方を伝えるセミナーにおいて、「見込み客との信頼関係を築くためにメルマガを毎日配信しましょう!」というメッセージを伝えたいとします。その際、講師が実際に体験したメリットなども交えれば、おそらく参加者は、メルマガを毎日配信することに興味を持つはずです。しかし、一口に「メルマガを毎日書く」と言っても、実際にはどんな作業がいるでしょうか?

  • 内容を考える
  • 件名を考える
  • 実際に本文を書く
  • メルマガの配信システムにセットする
  • 日頃からネタを集めておく

このように、細分化すれば、それに伴うステップはいくつもあるものです。そして、通常、受講者は、そのどこかでつまずき行動をやめてしまいます。そこに手を差し伸べるのが、「再現性」です。このメルマガの事例であれば、

    • 簡易なテーマ例を示し、内容へのハードルを下げる

例)「まずは日記や読んだ本の感想などでOK」等

  • 日頃、自分がどのようにネタを集めているかを紹介する
  • メルマガのテンプレートを渡す
  • 信システムを紹介する

等々、受講者の心理的な負担や不安を軽減し、再現性を高める工夫は、いくらでもできます。

1-3-2.最初の一歩を踏み出させる

また、傾向として、受講者がつまずくのは、大抵は「最初の一歩」です。セミナー直後には、やる気満々だったのに、少し時間が経っただけで急にモチベーションが落ちてしまう、という経験は誰もが持っているのではないでしょうか。

ですから、セミナー内で、その一歩を踏み出すキッカケを作っておくのも有効な手です。先ほどのメルマガの事例であれば、「今日のこのセミナーの感想を短いメルマガにしてみましょう」等と、その場でワークの時間を取り、実際の行動をスタートさせます。もしそこで書き上がれば、あとは配信セットをするだけですし、仮に書き上がらずとも、明確なテーマと書きかけの文章があれば、全くのゼロの状態で帰宅するよりも、何倍も行動への動機付けとなるでしょう。このように、特に最初の一歩に関しては、「自分にもできる!」と思わせる工夫をしっかり盛り込むことをおすすめします。

そもそもセミナーを開催するということは、得意分野をテーマとすることが多いため、自分では難なく自然にできる点も多く含まれがちだということを忘れてはなりません。コンテンツが形になり始めたら、あらためて注意深く受講者の目線に立ち、更に細分化できるノウハウがないか検証しましょう。また、ある程度仕上がった時点で、一度人に聞いてもらい、率直なフィードバックをもらえれば尚効果的です。

2.コツ②:共感を呼ぶ講師としての魅力

2-1.「専門家」でなく「先導家」であれ

続いて、この2章で焦点を当てるのは、講師自身の在り方・心構えについてです。セミナー講師とは、「先生」と呼ばれる立場にあります。それゆえ、いざ自分がセミナーを開催する立場になると、「立派であらねば」と力んでしまう人がいたり、より専門家らしく振舞おうとしたりする人がいます。例えば、自分の豊富な知識を一度に詰め込んでしまうケースや、専門用語を多用したりその解説に時間を費やしたりするケースなどです。

しかし、それはハッキリ言って逆効果です。人は、一度にたくさんの情報量が降ってくると、それだけで消化不良となり、思考が停止します。その道の初心者なら尚更です。もちろん面白くもありませんので、途中からは聞くのが苦痛にすらなります。これでは、講師の自己満足です。そして、残念ながら、受講者の視線を置き去りにして、こういう状況に陥っているセミナーは、非常に多いのです。

では、講師とは、どういった心構えでいればいいのでしょうか。それは「専門家」でなく「先導家」である、ということです。受講者の一歩だけ先に立ち、できる限りストレスなくその一歩を導くお手伝いができればよいのです。重要なのは、「わかりやすさ」であり、「専門性」ではありません。

ですので、もしあなたが、「私には十分な実績や肩書きがない」と不安を覚えているならば、その必要はありません。まさに初心者の一歩先の立場だからこそ、共感を得られることも多くあります。
そして、もしあなたが、その道の専門家と言われるほどに実績や肩書きがあるのであれば、ぜひセミナーの受講者がどのレベルにあり、その一歩先はどのレベルなのかを考え、そのギャップにフォーカスして伝えるようにしましょう。もしかするとあなたにとっては、「こんな内容でいいの?」と思うかもしれませんが、そのわかりやすさこそが大切なのです。

2-2.共感を集める講師になる

2-2-1.選ばれるのは、より共感できる講師

講師の在り方として、もう一点、重要なキーワードがあります。それは、「共感」です。共感してもらってこそ、理解につながり、心が動き、行動へ結びつきます。講師への共感があるからこそ、参加者はセミナーに満足するのです。

少々極端な言い方ですが、そもそもどんなセミナーであっても、得られる情報というのは、書籍やインターネットからでも手に入ります。更に言うと、ビジネスの原理原則は昔から変わりませんので、どのセミナーも根本は同じなのかもしれません。それでも、人がセミナーへ参加するのは、たとえ普遍の原理原則であっても、講師それぞれの切り口や実体験を通じて語られることで、わかりやすさや面白味が違ってくるからです。そして、人は、数あるセミナーの中で、より共感できる講師を選び、リピートしたり、商品やサービスを契約したりしているのです。ですから、セミナー講師には、「共感」を呼ぶ魅力が不可欠だと言えます。

2-2-2.人が共感するときとは?

では、人はどういうときに共感するでしょうか?

一番わかりやすいのは、「そうそう!」「あるある!」というように、講師と自分との共通点を感じた時に、共感が起こるパターンです。前章「1−2」で、「セミナー内容には、単なる知識やノウハウだけでなく、あなたの強みや体験談が必須」ということをお伝えしましたが、受講者が共感を感じるのも、当然ノウハウではなく、この強みや体験談の部分なのです。ですから、講師の心構えとしては、飾らず素直に自己開示をする、ということを押さえておいてください。

例えば、セミナーの告知(チラシやHP等)や、セミナー冒頭での自己紹介の際には、資格や経歴といった肩書きだけでなく、参加者の悩みに通じるようなエピソードを軽く交えると、セミナーの滑り出しから共感を寄せてもらえることになり、非常にやりやすくなるでしょう。プロフィールは、毎回同じものの使い回しではなく、セミナーテーマや参加者層に応じて、カスタマイズすることです。

また、過去、何らかの失敗や挫折を乗り越えた経験(これも「強み」の一つです)があれば、ぜひ事例として取り入れてみてください。失敗体験にはドラマがあり、それだけで単純に人を惹きつけます。また、人は、自分と共通した悩みを持つ人からの、現実に即した体験談(克服の過程やアドバイス)が聞きたいものなのです。

例)セラピスト 谷口祥子さんの場合もともと人付き合いが苦手だったことに加え、身内の事故によるショックから、一時期、対人恐怖症に陥った経験を持つ谷口さんは、その問題を自らの潜在意識を癒すことで改善したことを武器に、コミュニケーション講師としてデビュー。谷口さんのノウハウは、現実に彼女が悩みを克服したものとして即効性があったことから、参加者も回を追うごとに急増。その結果、テレビ・ラジオへの出演や新聞への連載など、メディアへの露出も増え、現在は多数の著作も出版されています。

このように、コンプレックスを赤裸々に公開し、堂々と立ち向かう姿に多くの共感が寄せられるケースはよくあります。

中には、「失敗の公表には抵抗がある」「わざわざ評価を落とすことはない」などと感じる方もいるかもしれませんが、前項でもお伝えした通り、講師は立派なエリートである必要はありません。また、講師の成功事例ばかりを聞いた場合、講師への敬意は高まるかもしれませんが、一方でそれが自慢めいて聞こえたり、「自分にはできない」という思いが強くなってしまったりと、「共感」や「行動に移す」という側面からは、逆効果にもなるのです。ぜひ思い切って失敗談をオープンにしてみてください。

3.コツ③:戦略的な集客

3-1.「自分が受講者を選ぶ」という発想を

最後に3つ目の要素として解説していくのが「戦略的な集客」です。「戦略的な」と付いているのには理由があります。それは、誰彼構わず集めるわけではないからです。第1章で最初にお伝えした通り、セミナーには明確な「ターゲット」を設定します。そして、その「ターゲット」に集中して、集客をすればいいのです。言い換えれば、「自分が受講者を選ぶ」ということになります。少々偉そうに聞こえるかもしれませんが、セミナーの場合、講師と受講者のミスマッチが起こると、双方にとって何もいいことはありません。ですから、講師は、自分の価値を提供して喜んでいただけるターゲットを明確に想定し、その層に届くような集客をすることが肝要なのです。

3-2.やれることはすべてやる!

では、ターゲット層を集めるためには、どうすれば良いでしょうか。答えは、「やれることはすべてやる!」です。実は、セミナー開催に関する悩みの8割は集客にあると言われています。これは興味深い数字です。なぜなら、悩みの8割は、セミナーが始まる前段階の話、ということだからです。つまり、集客さえできれば、あとは何とかなる、という考え方もできます。ですから、苦手意識で後回しにすることなく、しっかりと集客に取り組みましょう。

まず基本は、定めたターゲット層の1日の動きを想定することです。朝起きてから夜寝るまで、どんなことをし、どんな場所に行き、どんなものを見ているか。何が好きで、何に興味を持つ傾向にあるか。そういったことを考えていくと、いつ・どんな場所なら告知情報に触れてもらいやすいか、多くのヒントが得られます。

たとえば告知のメールを送る時間も、ビジネスマンであれば一般的に、火・水・木曜の午前11時頃が良い、と言われています。出社後、一通りのルーティン等を片付け、デスクで一息つくのがその頃と言われているからです。また、月・金曜は、週末前後で仕事のボリュームが大きくなりやすいため、告知などは避けられる傾向にあります。一方、主婦層であれば、平日午後2時頃が良いとされます。午前中は家事をこなし、お昼を済ませてから少しゆっくり時間を取る、という傾向が強いからです。

このように、メールひとつとっても、より開封してもらえる時間を戦略的に考え、実行するのです。その他、ターゲット層をしっかり見つめることで、チラシを置いてもらう場所、広告を打つ媒体、自分が顔を出すべき会合なども見えてくるでしょう。もちろん、ターゲット層によって、告知文も違ってきますし、先述のように、自分のプロフィールの打ち出し方も変える必要があります。すべてはターゲットありきであり、ターゲットを想定した「戦略」によるのです。

これらを踏まえた上で、具体的に取るべき集客策としては、『セミナー集客でやるべき31のノウハウ』を参照してください。

タイトルの通り、集客のための31もの“打ち手”を紹介していますので、あなたにできる方法が数多く見つかるはずです。見つかったら「すべてやる!」、この意識で取り組んでいただければと思います。

3-3.自ら動くことこそ実績

ただ、1点だけ気をつけてください。「31の打ち手」の31番目に、「集客代行会社、営業代行会社に依頼する」という手段を紹介していますが、これは、最後の最後の手段です。「苦手なら得意な人と組めばいい」という考え方もありますが、第2章でもお伝えした通り、セミナーの魅力は、講師自身にあります。いわば、自分自身が商品なのです。では、自分のことについて、一番情熱を持って伝えられるのは誰でしょうか。当然、自分自身に他なりません。ですから安易に代行を利用するのではなく、まず自分が精力的に動くことです。

また、「やらない停滞より、やった経験」という言葉もある通り、講師にとって、経験は何よりの糧となります。そして、その経験の積み重ねこそが、講師の実績になるのです。自分で積極的に動く意義は、そこにもあります。

もしかすると、思うように集客できないこともあるかもしれません。ですが、その時は、次回違った切り口でやってみればいいだけです。幸い、セミナー講師のメリットとして、コストが少なく済むという点があります。もちろん、会場費や広告費はかかりますが、それも自身で調整が可能です。つまり、たった一度で大成功させようと力まず、「うまくいかなければもう一度やるだけ」、と腹を括れば、気持ちもスッキリし、行動も加速するものです。仮にもう一度やることになったとしても、少なくともその分、開催回数という実績は1回上がるのですから、とにかく、不安を先走らせることなく行動を開始しましょう。

そして、思い描くターゲット層を十分に集めることができれば、セミナーは、その顧客層に支えられ、双方にとって有意義なものとなるはずです。

4.まとめ

以上、ここまで、満足度の高いセミナーの本質的な3要素について、一つ一つ解説してきました。いずれの要素においても、欠かせない共通のポイントは、「受講者のメリット」「受講者の視点」を徹底的に掘り下げるという点にあります。その結果、そこに共感する受講者が集まるのですから、もう怖いものはありません。受講者は深く満足し、口コミやリピートが起こります。また、商品やサービスの契約等、次のステージにもつながっていくことでしょう。
更に言えば、この「相手(顧客)のメリットを第一に考える」という癖が身につくことで、セミナーだけでなく、あなたの商品やサービスもますますブラッシュアップされます。そして、あなたのビジネスはどんどん好転していくはずです。ぜひ、この3要素をいつも念頭に置き、様々なビジネスの局面で意識されることをおすすめいたします。

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鈴木理美

鈴木理美

株式会社コンサルタントラボラトリー コピーライティング担当 旅行会社でのコンサルティング営業や、金融機関でのFPコンサルティング経験を経て、2012年より秘書兼カスタマーサポートとして(株)コンサルタントラボラトリーに参画。幼い頃より文章表現を得意としてきたが、現社における業務の中で、代表の北野にコピーライティングの才能を見出され、現在はライター業務をメインとしている

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