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  • コーチングに活かすべき「直感」とその理由
  • コーチングに活かすべき「直感」とその理由

    2018/10/23
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    コーチングを行う際、部下やクライアントといった対象者とのコミュニケーションが重要な鍵を握ります。相手の話をよく聞かなければいけませんし、相手の状況を理解した上で、必要であれば分析や情報収集なども行わなければいけません。
    このコミュニケーションにおいて、論理的思考に基づき話を聞き、理屈により理解していく聞き方を、コーチは心がけるべきでしょう。しかし、それとは別に、コーチや上司の経験則に基づく“直感”により相手の感情や感覚等を把握する方法も必要になってきます。

    コーチングを行う立場にある人は、おそらく人生の中で多くの人と出会ってきたことでしょう。その人たちとコミュニケーションを図る中で、相手を丁寧に観察してきているはずです。その観察した結果が自らの中に積み上げられていくと、徐々に直感が働くようになり、人と相対した時に、ちょっとしたコミュニケーションを交わすだけで相手がどのような人物かわかるようになるのです。

    何でも言い当てるような占い師は、まさにこの手法を用いています。筮竹(ぜいちく)と呼ばれる棒やタロットカードは、その信憑性を増すための道具に過ぎません。中には統計的な根拠から占っているものもありますが、多くの占い師は経験による直感と説得力を感じさせる話術により、あたかも真実や未来を言い当てているように装っているだけなのです。

    しかし、コーチの立場にある人は、この手法を積極的に活用すべきでしょう。
    論理や理屈で部下の話を理解・分析し相手のことを把握するだけではなく、これまで積み重ねてきた経験により直感として浮かんできたその感覚に従いコーチングに活かすことは、十分意味のあることと考えるべきです。

    直感とは、決してスピリチュアルなものではありません。そこには確かに根拠があります。それを上手に説明するのが難しいため、怪しいと感じる人がいるだけなのです。
    泣いている赤ちゃんを見た時、母親が「お腹が空いてるのか」と判断することもあれば、「おしめを替えて欲しいのかな」と感じることもあるでしょう。これはまさに母親の経験から生み出される直感です。よくよく考えれば、泣き方や時間帯、その直前にどのような仕草や表情を見せていたのかにより判断しているわけですが、そうした理屈や理論に先立って判断が働くこと、これが直感の正体なのです。
    もちろん、あとでよく考えても理屈や論理が言葉で説明できないケースもあるでしょう。しかし、それも経験則によるものがほとんどなのです。

    コーチは、この直感を大事にしなければいけません。部下などと向き合った時、そこで感じる直感は正しいことが多いはずです。その感覚が、部下に対してどのように接するべきかを導いてくれることでしょう。
    この直感を働かせるためには、相手と素直な気持ちで向き合うことがポイントです。頭でごちゃごちゃと考えたり、先入観や固定観念を過剰に持ったまま向き合ったりするのでは直感は働きません。
    すでに部下のことを理解し、相互に信頼関係が築き上げられている状態であれば、部下の雰囲気などから何を感じているのか、直感的に察することができるでしょう。

    もちろん、部下など相対する人の話は丁寧に聞かなければいけません。その上で、あまり複雑なものではなく、部下が自分の頭で考えられるような質問を投げかけるよう心がけます。
    もし部下の発言の真相を知りたいと感じ、それを部下の口から発してもらいたいと考えれば、相手の言ったことに反応する形で、「……と言うと?」と質問をすれば、より深く掘り下げた形で意見を述べてくれるようになるでしょう。
    部下が何を基準に物事を判断したのかを聞き出したければ「なぜそう思ったの?」と尋ねれば、相手は考えながら、その答えの詳細を伝えてくれるはずです。

    コーチや上司が質問に工夫をし過ぎると、部下などは自分の言葉で話さなくなります。その機会をコーチや上司が投げかける“情報量の多い質問”に奪われてしまうためです。質問が詳細であればあるほど、部下の回答はその質問に誘導されてしまうので注意しなければいけません。
    また、具体的な表現を使った質問を部下に投げかけることは、上司の頭の中を論理で満たすことにつながります。これでは直感は働きません。相対している人物から自発的に話してもらうきっかけを与えることで、上司もできるだけ直感を感じやすい状態を作ることに繋げられるのです。

    もう少し自分の直感を信頼してあげましょう。それは自らが経験したことが礎となっています。それを否定することは、これまでの経験を否定することと同じです。
    頭の良い人ほど論理で展開してしまうため、この直感を軽視する傾向がありますが、優秀なコーチは無意識から生まれる自らの感覚を疑うことをしません。

    コーチや上司は、クライアントや部下のポテンシャルを信じ、それを引き出すことが求められます。それがコーチングのゴールなわけですが、コーチや上司もまた、自らのポテンシャルを信じることが求められるのです。
    それができた時、コーチングのレベルは格段とアップします。当然、コーチングを受けた部下やクライアントのレベルアップにも繋がるはずです。

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    コーチングラボ編集部

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