成果や成功が欲しくて具体的な目標を立てたとしても、そこまで必ず到達できるとは限りません。成功している自分、理想の自分を思い描くことは可能ですが、それがイメージのままで終わることもあるかもしれません。
成功は断言できませんが、目標や夢、そこまでのプロセスを導き出し、一つ一つ行動へと移していくことは可能です。もしその目標までのプロセスに問題がなければ、それらをクリアしていくことで目標まで到達することができるでしょう。少なくとも近づくことはできるはずです。
自分自身に対してセルフコーチングを行う際には、行動のストレッチを取り入れることを試してみてください。
ストレッチとは、言うまでもなく“引き伸ばすこと”を意味した言葉です。筋肉を引き伸ばすストレッチ行為は、多くの人に馴染みがあるのではないでしょうか。
行動のストレッチとは、新たな行動にトライすることです。つまり、これまでやらなかったことや日常的にはやっていないことを、敢えてやってみるのです。
人は習慣化する生き物です。一度習慣化するとそれから逃げ出せなくなる、あるいはやめられなくなる習性を持っています。行動のストレッチを取り入れることで、その習慣から抜け出すことができます。頭の中をリセットしたり新たな価値観を生み出したりするきっかけになるのです。
これはワクワクとした感情や、新たな行動力を生み出すことにも貢献してくれるでしょう。
たわいもないことでも構いません。ただ、“引き伸ばす”という意味を考えた時には、努力や工夫を必要とする行動を取り入れた方が、より効果が期待できるはずです。
例えば、営業職に就いている人がおり、現状1日に10件営業をかけているとしましょう。今週は、その件数を15件に増やすという行動のストレッチを取り入れたとします。
これを実現するためには、いつもよりも早く起きなければならないかもしれません。効率よく回れるよう訪問先へのルートや順番などを工夫する必要にも迫られるでしょう。会社には寄らずに直行直帰が可能か上司に掛け合う必要も出てくるかもしれません。毎日ゆっくりととっているランチの時間を削るなど、時間の短縮を考える人も出てくるはずです。移動手段も電車からタクシーへと変えると、さらに効率が上がるかもしれません。1件1件の訪問時間の短縮も考えるべきかもしれませんし、商品の説明の仕方や売り込み方にも影響が出てくるでしょう。
このように、行動のストレッチを取り入れることで、いつもとは異なる思考へと至ります。これまでの習慣の無駄さえ発見できるかもしれません。
行動のストレッチは、何も無理難題を自らに押し付けるという意味ではないので、その点は勘違いしないようにしましょう。あくまでも自らのポテンシャルを引き出す、あるいは能力をアップさせるための行為であり考え方です。無理をしてキャパシティーを超えてしまっては意味がありません。
重要なのは、イメージを膨らませること。そして、そこから新しいアイデアや発想を引き出すことです。時には勇気も必要となるでしょう。しかしそれこそが習慣から抜け出し、さらに高い意識へと自らを押し上げてくれるきっかけとなるのです。
行動のストレッチを意識しすぎて、少々無理な課題を自分に課してしまうこともあるかもしれません。「1日30件訪問する!」と意気込んでも、これまで1日に10件しか回れなかった人に、これを実現するのはなかなか簡単なことではないはずです。
しかし、もし15件回ることができたら、それは大成功と言えるのではないでしょうか。通常の1.5倍の訪問数を達成できたわけですから。
もちろん成果が伴わなければ意味はありません。しかし、まずは行動のストレッチによって「こうやればできるんだ」「自分でもできるんだ」と知ることが重要です。
新しい自分に出会えた気にすらなるでしょう。この感覚こそ、大切にすべきです。
成長するためには新しい自分に出会わなければいけません。そしてそれは新しい扉を開くことであり、新しい挑戦をすることでもあります。そのためのきっかけとして、この行動のストレッチが大きな意味を持ってくることは間違い無いでしょう。掲げた目標を達成する可能性が、格段にアップするのではないでしょうか。
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