コーチングは通常、コーチからクライアント、コーチとしての立場を取る上司から部下へと行うものです。しかし時に、コーチがコーチ自身へと行うことがあります。これを『セフルコーチング』と表現します。
Aコーチが別のBコーチに対して行うコーチングではなく、AコーチがAコーチ自身に対して行うコーチングのことと理解してください。
このセルフコーチングは、決して特異的な行為ではありません。成功者をはじめ、常に高い意識を持っている人たちは、当たり前のようにこの手法を取り入れているのです。
世の中を見回してみれば、“恵まれている人”がいると感じることがあるのではないでしょうか。仕事で成果を上げており、健康にも特に問題がなく、性格や感情も穏やかで、経済的にも困った様子はなく、交友関係も充実し、誰もが憧れるような存在が身近にいませんか。あるいはそうした人を、メディアを通して見たことがあるかもしれません。
しかし、こうした人たちは“恵まれている人”というよりも、そう見えていると表現した方が正確でしょう。つまり、生まれた瞬間にそのような人生が約束されていたわけではなく、セルフコーチングによって自らそのような人生を作り上げた人たちなのです。
セフルコーチングにはそのような力や効果があると、まずはコーチ自身が認識しなければなりません。
人は、強い生き物でもあり弱い生き物でもあります。チャレンジ精神やポジティブな思考を持っていると同時に、その裏には常に「無理だよ」と呟くネガティブな思考も存在しているのです。
コーチは、こうしたネガティブな思考に負けることなく、ポジティブな思考を伸ばす、あるいは開花させるために尽力しなければなりません。
セルフコーチングは、このようなサポートを自分自身に対して行うことであり、自分自身のポテンシャルを引き出すことを目的としています。自分自身の能力を疑うことなく、また、チャレンジ精神をさらに大きくするための働きかけやサポートを自分に対して行うのです。
もしセルフコーチングが的確に成されたのであれば、必ずそこには成果が生まれるでしょう。仮に理想としていたような成果が得られなかったとしても、成長できることは約束されています。失敗することにより他者のせいにすることもなければ、過剰に自身を責めることもしないのではないでしょうか。
何か壁にぶつかれば、その解決策も見出しやすくなります。また、別の方法や道を探すことにも積極的になれるでしょう。自分自身を信頼するとは、そうした効果ももたらします。
何よりも行動を起こすこと、これに繋がるのが自信であり、それを自分で作り出すことに、このセルフコーチングの意義があるのです。
他者へのコーチングと自身へのコーチングに、特別な違いはありません。対象者が変わるだけのことであり、概念や考え方、手法は同様のものを活用することができます。
・自分は大きなポテンシャルを持っており、必ず成果を挙げることができる
・自分は成果を出すことを望んでおり、成功することに渇望している
・自分はその成果が出るまで行動を怠らず、努力し続けることができる
本来はクライアントや部下に対してコーチが持たなければならない感覚や信念を、自分自身に持つことが重要です。
まずはこの意識から始めてください。自分とのコミュニケーションが図りやすくなり、自身の中にポジティブな感覚を常に宿すことができるようになるはずです。
もし自分に自信が持てないようであれば「口に出す」「紙に書く」などを試してみましょう。
「私ならできる」「私は幸せになる」「必ず成し遂げる」「努力をし続ける」こうしたポジティブな言葉を呪文のようにアウトプットすることで、自身のマインドを変えていくことが重要なのです。
「このような行為にどれだけの効果があるのか」と疑う人もいるかもしれませんが、間違いなく言えることがあります。それは、『自分に対してポジティブになれない人間が、他者をコーチングすることなど無理だ』ということです。
自分に優しくない人間、自分を認められない人間が、他者に優しくしたり他者を認めたりなどできるはずがありません。
コーチとしてのスキルを伸ばし、部下やクライアントのポテンシャルを発揮させたいのであれば、まずは自分自身のスキルを伸ばし、ポテンシャルを発揮させることを意識した取り組みを積極的に行いましょう。
このマインドがあれば、もし迷ったり落ち込んでしまったりしたとしても、すぐに次の思考や行動へと移せるはずです。
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