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  • 管理職がコーチングを始めるときに必要な意識改革とは?

    2018/12/19
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    コーチングを職場での部下育成に活かしたいと思っているけれど、これまでの自分のコミュニケーションスタイルとあまりに違うので実際にはなかなか使えていない、という話をよく聞きます。

    確かに、これまで「指示・命令を出すこと」「部下に答えを与えること」が自分の仕事だと思ってきた人は、対話を通して「部下の中にある答えを引き出す」というコーチングのアプローチには戸惑いを感じることが多いかもしれません。

    そんな管理職の方のために、この記事では、コーチングスキルを仕事に活かしていくうえでまず変える必要があるマインドセットについてお伝えしていきます。

    知らず知らずのうちにこのような前提を持っていないか、ご自身のマインドをチェックして、コミュニケーションスタイル改善のための手がかりとしてみてください。

    自分の役割は「指示・命令」だと思っている

    「部下に指示や命令をしていないと、自分が仕事を放棄しているように思えてくる」といういう人がいます。確かに部下に何かしらの「答え」を与えることを自分の仕事だと思っていた人にとっては、責務を果たしている気になれないかもしれません

    こういった方は「部下に舐められたくない」「上司としての有能さを証明したい」「伝えておかないと不安だ」という考えを持っています。この考えが、部下に指示や命令を出したくなる原因です。

    自分の仕事は「部下に指示や命令を出すこと」ではなく、「部下が答えを出すためのサポートをすること」と認識すること…それがコーチングで成果を出せるようになるための大きな第一歩です

    対等な立場に立てない

    これまで指示や命令をしてきた人は、相手に対して「上か下か」という意識を持っているケースが多く見受けられます。そして、部下との関係においては「上司が上」、「上司が正しくなければいけない」という思い込みがあり、その結果として、本質とは違うところに話をスライドさせてしまう「パワーゲーム」が起きてしまいます。

    コーチングでは、コーチとクライアントは「対等」の立場で率直にコミュニケーションをとっていきます。コーチ側が「自分が上」という前提を持っていると、それが伝わって、クライアントは安心して自由に話したり、思考を深めることができません。結果的にこれまでの「指示・命令」と大差のないコミュニケーションとなってしまいます。

    管理職と言う立場にある人がコーチングを行うには、「上か下か」という前提を一度捨て、部下と対等な立場に立つ、という風に意識を変えていく必要があります

    プライドが邪魔をして部下と信頼関係が築けていない

    「管理職」と聞くと、どのようなイメージが浮かびますか?多くの人は「仕事のできる人」「完璧な人」といったようなイメージを持っているのではないでしょうか。

    ことビジネスシーンにおいては「完璧な管理職像」という幻想に捉われがちです。そしてそんな幻想に捉われた管理職は、「強くあらねば」「部下に馬鹿にされてはいけない」という意識が高じて、虚勢を張ったり部下とのコミュニケーションを避けたりしてしまいがちです。

    けれども、コーチングが機能するためには「完璧な管理職像」はむしろマイナスです。クライアントがどれだけ素直に本音を話せるかがコーチング成功のカギといっても過言ではありません

    強がったり虚勢を張ったりするよりも、分からないことは分からないと素直に言える人の方が、クライアントも安心して自分の考えや本音を話すことができます。 

    コーチに求められるのは、クライアントに対して自分の弱点もさらけ出せるような率直さです。それがあってこそ安心してなんでも話せる信頼関係が築かれていくのです。

    良好なコミュニケーションを取ろうとしていない

    これまでの部下との会話を思い出してみてください。会話は指示や命令だけで終わっていませんでしたか?要点だけを話すように伝えていませんでしたか?

    もし当てはまる点があったなら、 コーチング以前に部下とのコミュニケーションのあり方を改善する必要があります。指示・命令のみや要点だけのコミュニケーションでは、関係性や得られる情報の質が非常に限られてしまうからです。

    これまで部下が挨拶してくるまで自分からは声を出さないと決めていた人が、ある時から急に率先して挨拶を始めるというのは勇気がいることでしょう。合理的でない、と感じるかもしれません。

    しかし合理的でないコミュニケーションは、時として強いエネルギーを生み出します。あなたが「コミュニケーションを良好にする」という強い意志を持ち行動で示せば、部下はあなたのことを変わったなと感じ、信頼を寄せてこれまでは話さなかったようなことも話してくれるようになるでしょう

    部下が答えを持っていると信じることができない

    コーチングでは、対話を通してクライアントの中にある答えをコーチが引き出していきます。そのためには、「クライアントの中に答えがあると信じていること」が前提となりますが、それがなかなか難しい、という管理職の方が多いようです。

    そもそも、これまで指示命令ばかりで部下の話をあまりよく聞いてこなかった人は、部下がどんな考えやアイディアを持っているかを知りません。最初は「つまらない考え方だ」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、まずは否定することなく部下の話を聴いてみることをおすすめします。

    人は、否定されることなく話を聴いてもらえると、安心して発想を広げることができ、素晴らしいアイディアを生み出せる可能性が高まります。そういうコミュニケーションを重ねることで、管理職側も部下の中に答えがあることを実感する経験を積むことができます。

    くれぐれも、否定的な言葉や評価で、部下が持っている潜在的な力をつぶさないようにしてください。

    じっくりと部下の話を聴けない

    コーチングにおける「相手の中にある答え」とは、すぐに出てくるものではありません。潜在意識の中に眠っていて、コーチのサポートによって徐々に表に出てくるものなのです。「答えがすぐに見つからない」からといってすぐに諦めていては、良いコーチとは言えません。

    部下は上司に対して、「否定や評価をせず、自分の思いを受け入れて欲しい」と思っています。ですからまずは、じっくりと部下の話を聴いて受け入れましょう。決してひとつやふたつの答えを聴いて判断することのないよう、気を付けてください。

    まとめ

    いかがでしたか。
    これまでの仕事のやり方と意識を変えるのは、勇気のいることです。これまでいわゆる「上司と部下」といったスタイルでコミュニケーションをとってきた方が、急にそれを変えるのも大変でしょう。しかし今の時代に求められているのは、「時代が求めているコミュニケーションスタイルに適応できる能力」です。

    表面的な言い回しや振る舞いだけでなく、コーチングマインドを身につければ、効果的なコーチングコミュニケーションができるようになり、結果的に自分も部下も楽になります。

    チームのパフォーマンス向上のためにも、ぜひ取り組んでみてください。

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    この記事を書いた人
    日野 茜
    日野 茜

    ブレイクスルー英語コーチ  津田塾大学卒業後、証券会社、PR会社、留学等を経て外資系銀行の広報部にて広報業務全般に従事。東日本大震災をきっかけに、震災復興支援業務に携わるとともにコーチングを学び、現在は【一目置かれる英語を話すための発話・発音コーチング】を提供している。仙台在住。二児の母。コンラボには2016年よりライターとして参画。また、ストレスクリア®コーチとしても活動中。

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