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  • 質問と詰問はまったく別の物
  • 質問と詰問はまったく別の物

    2018/10/04
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    上司という立場にあるみなさん、部下に対して

    「どうしてこんなミスをしたんだ?」
    「なぜ目標を達成できないんだ?」

    などという反語表現を多用していませんか?

    一見、こういった表現は質問文のように思えますが、実際には伝えたいメッセージが隠れています。期待を裏切られた気持ちを込めつつ、相手を非難しているのです。上記の例では「こんなミスをする君にがっかりしている」「目標を達成できないことを残念に思っている」というメッセージが込められているはずです。この反語表現はよく会社組織の中で使われています。

    上司「なぜミスが起こりそうだと思った時点で報告しなかったんだ?」
    部下「申し訳ございません……」

    こんな会話をしたことがある人もいると思います。これは「もっと早く報告すべきだった」という上司からの批判のメッセージが込められているので、部下は謝罪、釈明、言い訳をしてしまうのです。沈黙してしまう部下もいるでしょう。

    本当に上司が部下から聞きたいことは謝罪ではありません。状況を改善するためには、「なぜ報告しなかったか」という説明が必要です。しかし詰問されると人は「自分が責められている」と感じ、自分を正当化したいと思ってしまいます。このような後ろ向きな発言を引き出してしまうのであれば、まったく意味がありません。

    上司は詰問ではなく、部下に「然るべきビジョン」を具体的に示さなければいけません。相手のミスを責めるのは簡単ですが、ミスを責めても部下の行動を改善することはできません。納得しなければ結果につながらないからです。

    大切なのは上司が指示を出すのではなく、部下に考えさせ、部下自身に改善の方向性を見つけてもらうこと。これはコーチングの基本の考え方です。これを実践するためには、まず状況を分析しなければいけません。ひとつの方法を提示しましょう。

    上司「なぜこんなミスを起こしてしまったか、原因のリストを作ってみよう」

    こう上司に言われたら、部下は自分が批判の矢面に立たされているとは思いません。すると自己を守ろうとするのではなく、自分自身を冷静に見直すことができます。

    企業の管理職研修の追跡調査においても、このような問いかけをすると効果があるという結果が出ています。「原因のリストを作ろう」という呼びかけには、上司と部下が協力して事態を改善しようという、前向きさがあるからです。人は責めても変わりません。責めるのではなく、“考えて変われる”ように導いてあげるのが上司の役割です。

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    コーチングラボ編集部

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