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  • 「フィードバック」により問題の解決を図る
  • 「フィードバック」により問題の解決を図る

    2018/10/21
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    優秀なコーチの元に、優秀な人材が集まるとは限りません。コーチングにより優秀な人材へと育てることは可能かもしれませんが、その過程で部下やクライアントが問題のある言動をとることは、往々にしてあるでしょう。
    上司やコーチとしては、部下のその問題のある言動に対して、適切な措置をとらなければなりません。

    その際に意識したいのが『フィードバック』です。

    自身の言動がどのような結果へと繋がり、その言動が周囲にどう判断されているのかを改めて認識すること、これがここで言うフィードバックであると理解しておいてください。これにより、当然ながら問題の解決へと繋げることが可能となります。

    部下が自発的にフィードバックを行うことはほぼ不可能と思っておきましょう。それができるのであれば、そもそも問題のある言動などとるはずがありません。部下がそれに気づいていないからこそ、コーチである上司が部下の言動が招いた結果や周囲の反応などを、的確に伝える必要性が生じるのです。
    もちろん、伝え方には注意しなければなりません。頭ごなしに伝えても部下は不快になるだけで、自らの言動を改めようとは思わないでしょう。

    ここからは、コーチングにおけるフィードバックの手法を効果的に行う方法と、それを応用したサンプルを紹介していきます。
    自らの現場や部下などをイメージしながら読み進めていってください。

    フィードバックの効果をアップさせる手法

    1.関係性の構築及び維持

    フィードバックの効果を高めるためには、コーチングと同様に適正な環境が必要となります。部下が聞く耳を持たない環境下で、いくら情報を与えても意味はありません。
    部下が上司を信頼していなければ、上司が部下のことを思って的確なフィードバックを行ったとしても、全くと言っていいほど効果は期待できないでしょう。

    そうならないためには、育成の過程でしっかりと信頼関係を築いておく必要があります。もしそれが築けていないようであれば、フィードバックを行う前に関係を良好なものにしておかなければいけません。

    2.正確な情報を伝達

    部下が起こした問題の言動と、それによりもたらされた結果などを、正確に伝える必要があります。
    その際、感情的になることは避けなければいけません。感情が上乗せされると、余計な情報(怒り、事実とは異なる情報)が加わる可能性が出てきます。それではフィードバックにはなりません。

    もし怒りや責める気持ちが伝わってしまえば、相手は心の中で反発心を抱いてしまうでしょう。もしかしたらそれを表に出す部下も出てくる可能性があります。いずれにしても、コーチングをそれ以上継続することが不可能になってしまうでしょう。

    そのような感情等を上乗せすることなく、正確な情報を冷静に伝達することを意識しなければいけません。

    3.結果による周囲への影響を伝達

    正確な情報の伝達からの流れで、その人の問題のある言動が周囲へどのような影響を与えたのか、これに関しても冷静かつ丁寧に事実を伝えていきます。
    その言動に問題があるのであれば、おそらく悪い影響が周囲へと及んでいるはずです。これを伝えることで、自らの言動が起こしたことと、自らの影響力を部下は知ることになるでしょう。

    もちろん、ここでも責めるような口調はいけません。自分の周りの人が全て敵であると思ってしまったら、その時点で全てが終わってしまいます。あくまでも、その言動により波及した影響に関して淡々と説明する姿勢を貫くべきです。

    4.上司やコーチの考えを伝達

    問題のある言動の結果と影響を伝えた後で、上司やコーチが自らの考えについて伝えていきます。
    事実を伝えた上で、それについてどう感じたのかを伝えれば、部下は徐々に自らの言動への反省を感じるようになるでしょう。

    重要なのは、上司個人の考え方としてそれを伝えることです。周囲の全ての人がどう思っているのかを伝える必要はありません。それをしてしまうと、上でも触れたように、「自分の周りは敵だらけ」といった感情を抱かせる恐れが出てきます。
    あくまでも上司個人がどう考えているのかを伝えます。もし信頼関係がそこにあれば、客観的に問題を捉えることができるようになるはずです。

    5.考えや解決策等の確認

    最終段階として、問題のある言動に関しての考えや、今後についての意見等を部下に求めます。上司が一方的にそれを押し付けてはいけませんし、全てを相手任せにするのも危険でしょう。
    部下から考えや解決策等を聞き出す方向へと持っていき、自分自身でそれを導き出すことが何よりも重要になってきます。

    相手の口からそれらをしっかりと聞き出すことができれば、フィードバックは正しく行われたと認識して問題ないでしょう。

    フィードバックの具体例

    上司「少し時間ある?話したいことがあるんだけど」
    部下「はい」

    上司「何度か遅刻をしていると思うんだけど、今月だけで3回かな?」
    部下「はい、すみません」

    上司「ちなみに遅刻してしまってる理由は何かな?」
    部下「少し疲れが溜まってるみたいで、起きられない時があるんです」

    上司「なるほど。まあ確かに残業もしてもらってるし、気候も落ち着かないからね。ただね、うちの部署は毎朝ミーティングをしてるでしょ。遅刻した人はそれに参加できないから、重要事項なども他の人と同じように正確に伝えるのが難しくなっちゃうんだよね」
    部下「はい、すみません。気をつけます」

    上司「うん、頼むね。そうだね、遅刻をできるだけ防ぐために、どんな方法が考えられるかな。何か普段からやってることはある?」

    一連の流れを上司と部下との会話として表現してみました。
    怒ることはしなくても、問題のある言動を改善させることはできます。フィードバックを活用すれば、それを部下などに考えさせることが可能となるのです。

    あくまでも、相手の自発性やアイデア等を含む思考を優先させましょう。これは通常のコーチングと考え方は変わりません。コーチが上手に接することができ、相手との間に信頼関係があれば、これは十分可能となるはずです。

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