コーチングをしていると、ビジョンを膨らませたいとか、新企画・新商品を考えるのに、アイディアを出したいという場面はよく出てきます。ワクワクするアイディアがあれば、クライアントは気分良くどんどん行動ができるものです。
また、初めは順調に進んでいたクライアントでも、モチベーションが下がったり、行動が止まってしまったり、思うように前に進まない・・・そんな状況になるときがあります。その原因のひとつとして考えられるのが、「クライアントが選択肢を広く考えられていないこと」です。選択肢が見えないと、行き詰まり感、閉塞感、自己嫌悪・・・などという悪循環になりがちです。
そのような場面で、アイディア出しや選択肢を広げるのに有効なのが、「ブレインストーミング」です。
ブレインストーミングのスキルを身に着け、効果的にコーチングセッションに取り入れることで、膨大な数のアイディアを出し、クライアントがたくさんの可能性を見出していくことができます。
その可能性の中から、より重要なもの、効果の高そうなものをクライアント自身が選び、実際に行動に移すことによって、成果につながっていきます。
この記事では、そんなブレインストーミングのスキルを活用する方法についてお伝えします。クライアントの行動をより促進させるためのスキルとして身につけて、クライアントのゴール達成を強力にサポートしていってください。
目次
ブレインストーミングとは、 制限や制約を取り払って、チームでアイディアを出し合うことです。コーチングセッションの中で行うブレインストーミングとは、クライアントに様々な質問をして、アイディアを出していくことです。
また、クライアントに許可を得た上で、コーチも自由に発言して、アイディアを発展・拡散させることも有効な方法です。
自分の将来のビジョンや、新サービスや新たなイベントやプロジェクトの企画段階など、従来の思考に囚われずに、自由に発想したいというタイミングは多いものです。自由に発想を広げることで、新しいものや、ワクワクするものが出来上がっていくのです。
また、ゴールを達成するために、自分の選べる選択肢を広げたいという場面もあります。選択肢が多ければ、ワクワクして、モチベーションが上がります。
ブレインストーミングは、圧倒的な「量」のアイディアを出すことに主眼を置きます。
選択肢を極限まで広げることができるので、あとは選びたい放題の状態を作れます。その過程で、クライアントは自分自身の無限の可能性に気づくことができ、本当に重要なことを選び取れるようになるので、コーチングの効果をさらに高めることができるのです。
ブレインストーミングでは、とにかくたくさんの数のアイディアを出すことを目的としています。質より量を重視します。アイディアの実現性や難易度なども無視して、とにかく数の勝負です。数を出せば、そこから質に転化するのですが・・・アイディアを評価するのは、アイディアをたくさんの数出した後のステップ。ブレインストーミングでは、アイディア出しに専念します。
端的に言うと、以下を意図したコミュニケーションを取ります。
クライアントは、ゴール達成に向けて進んでいますが、何が効果的なのかを必ずしも把握しているとは限りません。今の自分が考えていることよりも、本当は重要なことが隠れていたりするものです。枠を取り払って自由に話す中で、クライアントの中で思考が整理されたり新たなイメージがわいたり、という効果が生まれ、コーチと一緒にそれを広げて新たなアイディアを生み出すという、ダイナミックな展開を作り出すことができるのです。
ブレインストーミングのスキルをコーチングセッションに使う場合は、以下のように行います。
いきなりブレインストーミングをしろ、と言っても、ベースのアイディアが無いことには発展しづらいもの。まずは、個人で考える時間を取ってください。2分程の短い時間で良いので個人ワークを先に実施しましょう。その際は、アイディアを単語レベルで書いておけば良いです。セッションでブレインストーミングをやる、と分かっている場合には、クライアントに最低10個考えておくような宿題を出してもOKです。
「ここから○分はブレインストーミングの時間」だとクイアントと共通認識を持ち、その時間内で集中して行うことです。長すぎても勿体無いので、10分・15分で短期集中することをオススメします。時間を過ぎた後に、クライアントがまだまだアイディアを広げたいと言えば、さらに時間を足せばよいだけです。
「アイディアを○個出すことを目標とする」と決めておきます。目標数値は非常に重要で、30個と決めると、自動的に「30個考える」というモードに頭は切り替わります。「5個」と言うのと、「100個」では、出てくるアイディアが変わってきます。
5個と言われると、「ちゃんとしたのを5個考えよう」となりがちですが、「100個」だとかなり細かなものまで出そうというモードで考えます。時間との兼ね合いで、効果的な目標数値を決めておきましょう。
これらに加えて、一般的なブレインストーミングでの以下の4つの原則に乗っ取りブレインストーミングを行います。
出てきたアイディアに対して、「予算的に無理!」とか「それは無い」とか、批判・否定はしません。
常識を覆す、奇抜さ・ユニークさ・斬新さのあるアイディアを歓迎します。もちろん、普通のアイディアも重要です。
出来る限りたくさんのアイディアを出すことを重視します。「当たり前だから言わない」とか「常識だから言わない」ではなく、数が勝負です。
既に出ているアイディアに便乗して、他のアイディアを組み合わせたり、アイディアを少し言い換えたり、変化させたりして、発展させてOKです。
ひとりよりもふたりの方が、アイディアが広がります。「ブレインストーミングの時間はコーチも自由にアイディアを出す」とクライアントと合意して、お互いに意見を出すことをオススメします。
自身のアイディアを出すのはもちろん、アイディアを組み合わせていけますよね。
アイディアを広げる際には、「Yes, and法」というコミュニケーションを活用します。
相手の意見を「いいね!(Yes)」で受け止めて、「だったら(and)・・・もできるよね!」とどんどん発展させるコミュニケーション方法です。
アイディアを考える際に、フレームワークを使うと思考が広がります。
例えば、「自分がやるなら何ができるか?」「他人の力を借りれば、何が出来るか?」と、質問で切り口を変えて考えれば、出てくるアイディアが違います。これは、「自分or他人」のフレームですね。
「無料or有料」というフレームであれば、「お金をかけずに出来ることは、何がある?」「お金をかけて出来ることは、何がある?」という具合です。
あえて制約を設けて考えることで、より発想が膨らむのです。
クライアントの将来像を膨らませたい場面
新商品や新たな企画を考える場面
クライアントの行動の選択肢を広げたい場面
「他には?」
「それが実現したら、どうなりそう?」
「さらにそのアイディアを発展させたらどうなる?」
「○○と結合させたらどうなる?」
「5000万あったら、何をしたい?」
「自力では、何ができそう?」
「他力を借りれば、何ができそう?」
「お金をかけずにできることは、何がある?」
コーチングでクライアントが結果を出すためには、クライアント自身が可能性を感じて前進していけるかどうかにかかっています。コーチとしては、たくさんのアイディアや選択肢を、クライアントの目の前に用意させて、選ばせてあげられる状態を作ることが大事です。
コーチングでブレインストーミングのスキルを活用することで、クライアント自身が「自分がやれることは無限大」と感じるための選択肢を用意することが出来ます。
コーチとクライアントという安全安心な環境であるからこそ、このブレインストーミングは絶大な効果を発揮します。あなたのセッションにもぜひ、ブレインストーミングを取り入れて、クライアントの行動を促進させ、結果を出させるコーチになってくださいね。
マーケティングコーチ
千葉大学工学部卒業後、IT企業にて10年間、商社向けの基幹システムの運用/保守・改善業務に携わる。
2012年にコーチングを学び始め、2014年よりコーチとしての活動を開始、2017年に独立し、個人事業主・起業家の売上UP・web集客などを支援する。
コンラボには2016年よりライターとして、2018年より社内コーチとして参画。
著書に「習慣化を成功させる本」「自分と可能性を育てるチャレンジの習慣」がある。
趣味の将棋はアマ三段&将棋普及指導員。
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