プレゼンの緊張を根本からほぐす!超本質的対策とコツ5選

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プレゼンで緊張しない方法やコツ・対策、を調べると、様々なテクニックが出てきます。「入念に練習をすべし」「聴衆をジャガイモと思おう!」「身体を動かそう」「無理にでも笑顔を作れ!」etc.

しかし、そのどれを試しても、緊張する時は緊張しますよね。それは、そもそもあなたの発想が、緊張に向かってしまっているからであり、上辺のテクニックで治まるものではないからです。そこで、プレゼンの緊張を「根本から」ほぐすべく、緊張の源であるあなたの発想を転換してしまいましょう!この記事では、そのための対策とコツを5つお届けしていきます。

1、完璧なプレゼンはむしろ不要と考える。

緊張してしまうあなたは、「完璧なプレゼンをやりたい!」と思っていませんか?提案の根拠も、全体の流れも、立ち振る舞いも、言葉遣いも台本も・・・、全てにおいて文句のつけようのないプレゼンを目指してはいないでしょうか。

しかし、本来プレゼンの目的とは何でしょう。アイディアやプランを提案し、その提案をよりブラッシュアップさせるための、キッカケの場であるはずです。実際、プレゼンが採用されたとしても、その提案がそっくりそのまま実行に移されることは稀ですよね。むしろ、それをベースに打合せ等が重ねられ、改善・調整が行われた上で実行に移っていくものです。
よく考えてみれば、聴き手は敵ではありませんよね。「現状をより良くしたい」という思いを共にする“味方”のはず。だからこそ、プレゼンで一言一句、完璧を目指さずとも、骨子と方向性を伝えることに注力し、あとの細かいところは「今後その場にいる全員で磨き上げていけば良い」という発想を持ってみましょう。気持ちがきっと楽になります。

なお、準備に最善を尽くした上で、いま一歩不完全と感じる部分については、敢えて「この点は重要な部分でもあると考えるので、ぜひ皆様のご意見もお聞きしたい。」と伝え、場を巻き込むのも一手です。スラスラと無難に流れていくプレゼンより、聴衆参加型の活気あるプレゼンの方が、場の一体感や達成感にも繋がり、好感度も上がります。上司や重役に活躍の場を与えることも可能です。印象も深くなるため、採用される可能性も上がるかもしれません。

とにかく、自分一人で全て完璧なカタチにしよう!という背負いこみは捨ててください。あなたはどんな人なら応援したくなるでしょうか。一生懸命で人間味のある人ですよね。多少、ミスや穴があっても、かえって応援してもらえることもありますよ!

2、わざと最悪の状況を想像してみる。

「失敗したらどうしよう」「取り返しのつかないことになってしまったら・・・」
プレゼンで緊張してしまう大きな原因がこの発想です。失敗を恐れる気持ちが緊張を引き起こします

しかし、こう考えてみてください。極論ではありますが、万一失敗をしても、誰かの命がなくなるわけでもなければ、給料がゼロになるわけでもありません。そして、人生、「本当に取り返しのつかないこと」というのはほとんどないものです。

先日、弊社のビジネスパートナーでもあるT氏がこんな話をしていました。
「会社員時代、慣れないプレゼンに不安ばかりを感じ、悩んだこともありました。でもある日、失敗したらどうなるかをとことん突き詰めたところ、『結局、どのパターンの失敗が起こっても、最終的には“部長に怒られるだけだ”』と気が付き、開き直れたんですよね」と。そして、T氏は「うまくいけば二重丸、失敗しても怒られれば済む、どのみち怒られるなら思い切りやろう」と思うことができ、結果的にうまくいくことも増えたたそうです。

いかがでしょうか。あなたも、失敗による最悪の状況を突き詰めて想像してみれば、案外気が楽になるかもしれません。巷のサクセスストーリーだって、いつも失敗から始まります。仮に失敗しても、実は漠然と怯えるほどの影響はなく、次の成功への序章かもしれませんよね。

3、今日の自分を数年後に振り返っている自分を思い浮かべる。

緊張とは、目の前の状況に必死になってしまい、考え方にゆとりがなくなることから起こるとも言えます。自分を客観的に見ることができていない状態です。そんな時に焦ってしまうと、ますます視野が狭くなり悪循環に陥るものです。

そこで、プレゼン前に緊張してきたら、敢えて自分を俯瞰的に眺める目を持ちましょう。数年後に今より成長した自分が、今日の自分を回想している場面を思い描くのです。今日のプレゼンが成功するとしても失敗するとしても、それを“肯定的に”捉えている未来の自分がいます

例えば・・・
「あの日、本当に緊張したんだよなあ。初めて一人で任されたプレゼンでさ。でも、練習の成果なのか、ビギナーズラックなのか、不思議にうまくいったんだ。あの●●部長にも褒められてさ。緊張はしたけど一生忘れられないプレゼンだよ。」と後輩に語っている自分。

或いは・・・
「あの日の失敗があるからこそ、今の僕がいると思っています。あの日、あのプレゼンで、××専務に指摘されたあの意見から、本当に大事なことに気付かされました。あの指摘以来、プレゼンの本質に少し近づけたように思うんです。」と、インタビューに答える自分。Etc.

成功しようが失敗しようが、「今日これからのプレゼン」が、「将来の自分に価値あるものとして残る」様子を具体的に想像することができれば、前向きな気持ちも芽生え、肩の力も抜けると思いませんか?

4、聴き手も「自分と同じただの人間」。その人間味を想像する。

プレゼンに緊張を引き起こす発想の一つとして、聴き手が自分よりも上役であったり、偉い人であったり、大いに経験豊富に感じられたりすることが挙げられます(取引先や上司など)。そんな人々が厳しい視線でその場に座り、まるで標的にされているように感じるため、重圧を感じてしまうのです。

確かに「聴き手=上役」という構図は、多くのケースにおいて事実かもしれません。しかし、聴き手である彼らの持つ顔は、ただそれだけでしょうか?・・・違いますよね!
どんなに威厳に満ちて見える人も、実はお昼ご飯直後で、眠気と戦っているかもしれませんし、偶然電車に乗り合わせた人から見ればただの通勤客でしょう。家庭に帰れば娘に鬱陶しがられるお父さんかもしれません。また、会社の顔は会社の顔でも、実は部内ではジョークの好きな明るい人柄、という可能性もあります。もしかするとプライベートでは、地域の頼れるおじさま・おばさまかもしれないのです。

そうです、聴き手も単に厳しい人とは限りません。あなたと同じく、起きて食べて寝て・・・、を繰り返す人間です。ですから、敢えて聴き手の顔を見て、そんな人間味溢れる背景を、面白楽しく想像してみてはいかがでしょうか。プレゼンも、そういった頼れる明るい存在に、あなたのアイディアを聞いてもらう場、と思えば、きっと気が楽になるはずですよ。

5、どんなベテランも緊張する。違いは「怖がる」か「力にする」か。

最後になりますが、そもそも重要な場面では誰だって緊張するのです。弊社とお付き合いのある方々の中には、プレゼンやセミナーを「職業」とし、年間に数え切れないほどの登壇をする人物も多数いらっしゃいますが、その誰もが「どんなセミナーであっても緊張はする」と口を揃えます。そんな“ベテラン”ですら緊張するのですから、プレゼンが職業でもないあなたが緊張するのは、ある意味、当たり前ですよね。

では、彼らとあなたとの違いは何でしょうか。それは、踏んだ場数から来る自信と、もう一つ。緊張を「怖がる」かどうかです。
心理学者のロバート・M・ヤーキーズとジョン・D・ドットソンが明らかにした「ヤーキーズ ・ドットソンの法則」によれば、人間は、ほどよく緊張すると、脳内にアドレナリンが分泌し、集中力がアップする、とされています。つまり、適度な緊張は、むしろ最大のパフォーマンスを発揮するための原動力にもなるのです。

おそらくあなたにも経験があるでしょう。何となく惰性で取り組んだ仕事と、ここぞという時に緊張感を持って取り組んだ仕事とでは、その成果や自分の馬力が違っていた、という経験が・・・。プレゼンやセミナーを職業とする彼らは、まさにこの原動力を使っています。緊張を怖がるのではなく、力に変えているのです。

ですから、あなたもプレゼンで緊張してきたら、「どうしよう・・」「やばい!」と焦ったり怖がったりする感情に、まずは煽られないようにしましょう。そして、「お、いよいよ緊張してきてたな。」のように、冷静に感情と向き合い、「緊張は当たり前。むしろ、この後のプレゼンで自分の力を引き出してくれる。」と捉え直した上で、あらためて腹の底に力を入れてみてください。きっと、内側から前向きなパワーが湧いてくるはずです。緊張を力に変えましょう!

さあ、プレゼンを楽しもう!!

以上、ここまで、プレゼンの緊張を「根本」からほどくための対策・コツとして、発想の転換法を5つお届けしました。ただ、これらの5つが効果を発揮するための前提条件が一つだけあります。それは、あなたができる限りの練習や準備をしていることです。いくら発想を変えようとも、明らかな練習不足や準備不足を自覚していれば、緊張はほどけません。また、準備不足が聴き手に露呈すれば、ただの軽率な開き直りとも捉えられてしまいます。もちろん成果にも繋がらないでしょう。

ですから、この記事でご紹介した5つの対策は「練習をしても、準備をしても緊張してしまう」というあなたに是非試していただきたいと思います。そして、あなたの視野が少しでも広がり、気持ちにゆとりが生まれ、適度な緊張状態でプレゼンに臨んでいただけたなら、この上ない幸いです。その暁には、きっと「プレゼンを楽しむ!」という境地を味わっていただけるものと確信しています。

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鈴木理美

鈴木理美

株式会社コンサルタントラボラトリー コピーライティング担当 旅行会社でのコンサルティング営業や、金融機関でのFPコンサルティング経験を経て、2012年より秘書兼カスタマーサポートとして(株)コンサルタントラボラトリーに参画。幼い頃より文章表現を得意としてきたが、現社における業務の中で、代表の北野にコピーライティングの才能を見出され、現在はライター業務をメインとしている

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